ジャーナリスト北丸雄二トークイベントレポート『BPMビート・パー・ミニット』
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人間を大切にするとはどういうことなのか?
トランプ政権の今だからこそ、この映画で考えたい事とは?

【トークショーレポート】

● 北丸
1993 年の2 月にN.Y.にいました。友人のHIV 患者に花を届けに行き、この時初めて、HIV の人と長く話したことをこの映画を観て思い出しました。

● 門間
当時N.Y.にいらっしゃって、アクトアップの活動も間近で見ていたということでしょうか?

● 北丸
この映画を観てドキュメンタリーを観ているようだと思いました。当時あのような議論はとても活発に行われていて、議論の際に指を鳴らすところや、激論を交わす際のリアリティがあり、とてもよく再現されていると思いました。当時、エイズには二つの戦いがありました。ひとつは医療での戦い。もう一つは、言論、いわば風評との戦いです。その頃エイズは、社会的な汚れを引き受けさせられていました。ゲイに関わる病気は、宗教的な天罰なのだという認識が社会的に広がっていました。こういった言葉には、言葉と論理で対抗しないといけない、という動きがありました。

● 門間
そういう時代の熱と、人間同士の物語がとても生々しく描かれた映画ですよね。

● 北丸
はい、この映画に描かれていることは全部本当です。友達や家族がバタバタと次々に死んでゆくんです。そして、生き残った人間の罪悪感というものがありました。その罪悪感を感じた数パーセントの人が言葉を武器に立ち上がったんですね。それがまさにアクトアップだったんです。

● 門間
エイズやゲイに関する映画が多く出てきたのもこの時期だったと思います。

● 北丸
ロック・ハドソン、ジャック・ドゥミ、ミシェル・フーコー、フレディ・マーキュリー、キース・ヘリングなど、その頃、多くの著名人がエイズで死んでいきました。ブロードウェーなどは、関係者がどんどんエイズで死ぬので、一時は新作がなかったほどです。いわば戦争ですね、日常生活の戦争がありました。

● 門間
最後に真っ赤なセーヌ川が出てきます。あれは実際にあった出来事ですね。

● 北丸
はい、アクトアップなどの活動はとにかく行動主義でしたので、そのとても象徴的な出来事ですね。各地でたくさんの行動がありました。映画の最後に「メメントフィルム」という言葉が出てきます。あれはイタリア語の「メメントモリ=死を思い起こせ」という言葉から取ったものだと思います。最後に、私は、なぜ今この映画が作られたのか、ということが大事なことだと思っています。トランプ政権になった今、人間を大切にするというのはどういうことなのか、という点において、非常に意味のある映画だと感じています。何か個人が本当に困った時に、権力はこういう風に牙を剥くのだというメッセージが、この作品には込められていると思っています。

【トークイベント概要】

■ 開催日程:3 月13 日(火)
■ 開催場所:神楽座(千代田区富士見2-13-12 KADOKAWA 富士見ビル)
■ トークゲスト:北丸雄二 (作家/ジャーナリスト)
■ 司会進行:門間雄介 (映画ライター)

<北丸雄二>

毎日新聞、東京新聞(中日新聞)ニューヨーク支局長を経て1996 年に独立。日米を軸とした社会、政治報道に関わる一方で、20 年以上前から日本でただひとり継続的・体系的に世界のLGBT 関連ニュースを提供してきた。90 年代当時ニューヨークのACT UP の活動を取材していたひとり。「エンドロール流れる映画館の闇の中で、あなたは3500 万の喪われた命たちに向けて、哀悼と共感の指を静かに鳴らしてくれるだろうか。」と、本作の公開に際してコメントを寄稿。


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映画『BPM ビート・パー・ミニット』予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」

【作品紹介】

90年代、パリ。愛と叫びを武器にショーンは世界を変えようとした。
生きたいと強く願い、社会と闘った若者たちの生命の鼓動は今も激しく鳴り響く。

映画『BPM ビート・パー・ミニット』予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」

第61回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『パリ20区、僕たちのクラス』の脚本・編集を担当し、監督作『イースタン・ボーイズ』では第70回ヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ部門の最高賞を受賞したロバン・カンピヨ監督の長編第3作。舞台は1990年代初めのパリ。エイズの治療はまだ発展途上で、誤った知識や偏見をもたれていた。「ACT UP Paris」のメンバーたちは、新薬の研究成果を出し渋る製薬会社への襲撃や高校の教室に侵入し、コンドームの使用を訴えたり、ゲイ・プライド・パレードへ参加するなどの活動を通し、エイズ患者やHIV感染者への差別や不当な扱いに対して抗議活動を行っていた。

映画『BPM ビート・パー・ミニット』予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」

映画『BPM ビート・パー・ミニット』予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」

行動派のメンバーであるショーンは、HIV陰性だが活動に参加し始めたナタンと恋に落ちる。しかし、徐々にショーンはエイズの症状が顕在化し、次第にACT UPのリーダー・チボーやメンバーたちに対して批判的な態度を取り始めていく。そんなショーンをナタンは献身的に介護するが…。生と死、理想と現実の狭間で揺れ動きながらも、強く生きる若者たちの生き生きとした表情や行動、濃厚で鮮烈な彼らの人生に、観る者の鼓動は高鳴り、激しく心を揺さぶられる。

【予告編】

■ 脚本・監督

ロバン・カンピヨ
『パリ20区、僕たちのクラス』脚本・編集
『イースタン・ボーイズ』監督

■ 出演

ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート
アルノー・ヴァロワ
アデル・エネル

■ コピーライト

© Céline Nieszawer

2017年/フランス/フランス語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/143分  

映倫区分:R15+
原題:120 battements par minute
英題:BPM (Beats Per Minute)





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