「エンドレス・ポエトリー」主演アダン・ホドロフスキー氏 Q&Aレポート『第30回東京国際映画祭』

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『人に与えることは、実は自分に与えることになる』

10月26日(木)第30回東京国際映画祭の特別招待作品「エンドレス・ポエトリー」がEXシアター六本木にて上映されました。上映が終わり観客から大きな拍手が沸き起こったのち、主演アダン・ホドロフスキーさんによるQ&Aが行われました。

「東京の皆さん、こんにちは。
まずはじめに、この映画は非常に難しい仕事でした。父であるアレハンドロ・ホドロフスキーが演出し、そしてその父親役を私が演じ、長男が私の祖父を演じ、父の妻パスカルが衣装を務めました。まさに親族一同介して制作しました。元々、色々と父から話を聞いていて、思い出や記憶がありました。しかし、実際に現場では新しい記憶、イメージが加わり、より美しいものとなりました。音楽も私が担当しており、パリのスタジオで収録を行いました。その際、ミシェル・ルグランが使ったピアノで全曲を作曲しました。前作「リアリティ・ダンス」を制作しているので、バイオリン、ピアノ、フルート、オーボエ、この4つの楽器を中心にした楽曲を彼が好むことが分かっていました。サティ、ベートーベン、ストラビンスキーが好きだという事がわかっていました。さらに、「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」で使った音楽を参考にしました。なぜなら、彼の映画は全てが1本の映画だと、私が捉えているからです。実は、この続編も監督は考えていて、彼がパリへ行き芸術家と交流し、それからメキシコに向うまでのストーリーです。続編制作には資金が必要ですので、億万長者がいたら父に電話をしてあげてください。」

と、挨拶代わりに次回作の構想も明かしてくれたアダン氏。続いて、観客の皆さんからの質問に移りました。

――ホドロフスキー家に生まれたということはどんな感じですか。普通の生活ですか。小さい頃のエピソードがあれば教えてください。

もちろん、普通ではありません(笑)
監督は、色々なことに興味を持つ人で、芸術など常に勉強をしていました。限界がない、境界線がない人です。例えば、靴が欲しいとなると大変で、30軒くらいのお店を周り、自分が気に入る靴を探します。そういうことを体験していたので、納得がいくまでこだわるということが、今の私のクリエイティブ活動に役立っていると感じます。
また、夕食の時、各息子が椅子に立って、詩を朗読しないといけませんでした。ある時、父は弟に裸になり、スープに小便しろと言い出しました。

そういう生活でした(笑)

――仏教的な影響が見受けられました。仏教徒なのでしょうか。

家族としてはユダヤ教ですが、父は全ての宗教を勉強して、様々な宗教の良い部分を吸収して、何かに繋がりを感じている、それはもしかすると『神』かもしれません。現在の妻パスカルが東洋系の女性なので、その影響はあるかもしれません。しかしながら、昔から東洋的な日本的な影響は見受けられました。それは、黒沢監督を好んでいる影響があるのかもしれません。小さい時、私も忍者の練習をさせられ、音を立てずに静かに歩く、沈黙の中で暮らすという経験をしました。

――想像を豊かにするための習慣はありますか。

昔は、歌を一曲作るのに1カ月かかるなど、作り上げることに苦労していましたが、今では一日で作ることができます。毎日、何年も続けること、剣術士が何年も訓練して極めていくように続けたことで、今は創造することが自分の一部になっています。

――1番難しかったシーンを教えてください。

全て大変でした(笑)
私は過去に7本くらい映画に出演していますが、今回は4年ぶりくらい、しかも初の主役でした。そのため、初日は演技に慣れるまで、緊張しました。ストーリーに沿って順番に撮影をしたので、最初のシーン、ドアを開けて「どの友達?」というシーンでは、15テイクほど行い、しまいには父親が怒り出しました。本当にこうでなくてはいけない、人の意見は聞かない人なので、腕を取り、目はこっちを見て、・・・と全てを演出します。そのやり取りが2、3度続き、『もう勝手にやれ!』となり、その後は自由に演じました。

――他の作品「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」をみても、社会的に特殊な人間を自由に演じているように感じます。監督はどのように演技指導をするのでしょうか。

例えば、道化師のシーンは私から提案しました。始めは演出しますが、先ほど述べたように2テイクが終わった後には自由に演じています。ビールに唾を吐くシーンも即興で演じたのですが、監督は気に入って残してくれました。

『昨日が給料日でした。次回作のために監督に提供したいのですが、どのように連絡をとれは良いですか。』

とのアプローチに、『私にください!(笑)』と答えところで、あっという間にQ&Aは終わりの時間を迎えました。

そして、最後にアダン氏は『人に与えることは、実は自分に与えていることです!』と素敵なメッセージを残し、『お金を渡します』と客席にコインを投げ、『さあみなさんどーぞ!』と観客に要求し、会場は大いに盛り上がりました。アダン氏が日本のファンに与えてくれた素敵なエピソードの数々、私たちは感謝の気持ちを彼にお返ししたいと思います。

アダン・ホドロフスキーさん、ありがとう!

【映画】エンドレス・ポエトリー

エンドレス・ポエトリー 映画予告動画やあらすじとストーリー・評判・レビュー

コピーライト

(c) Pascale Montandon-Jodorowsky

公開情報

2017年11月18日(土)
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
★告知★
アダン・ホドロフスキー氏に直接取材を行いました!乞うご期待!
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