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10月31日(火)、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて第30回東京国際映画祭コンペティション部門より、『グッドランド』のメディア向け上映と記者会見が行われました。

『グッドランド』は、流れ者が徐々に村に馴染んでいきながら、少しずつ何かがおかしいと思い始める物語に惹き込まれるスリラーでる。また、謎解きミステリーでもあり、さらにエロティック・ロマンスの要素も。そして、流れ者を難民に置き換えれば、移民問題で揺れる欧州の現状を暗示してもいるといえるでしょう。そしてエンディングは…。実に複数の顔を持つ、ルクセンブルクから届いた奥深い作品です。

上映後に行われたゴヴィンダ・ヴァン・メーレ監督ジル・シャニエルプロデューサーによるQ&Aをご紹介します。

※Q&Aは一部編集しておりますこと、予めご了承ください。

Q.最後のエンディングはすばらしかったですね。

(ゴヴィンダ・ヴァン・メーレ監督)私自身もブラスバンドが好きですが、ルクセンブルグでは何処でもそれぞれブラスバンドを持っています。ハリウッド的なスタイルの音楽を演奏するのが好きで、夏場に村に行くと自分の村などでも沢山リハーサルをやっていて、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ジョーズ』、『スターウォーズ』などの曲を生で聞くことが出来ます。それなので、自分の出身の村にあるようなブラスバンドを映画の中でも描きたかったのです。

最後は、キッチュではありつつもハリウッド的なエンディングを見せたいと思いましたが、実は元々ルクセンブルグでとても好かれている「パシフィックドリーム」という曲をベースに作っています。この曲は、ルクセンブルクではブラスバンド専門の作曲家で大変有名な人(Jデ・ハーン)が書いており、そのピースをもとに作っています。

Q.強盗の仲間二人が村人に殺害された後、イエンスは村の恋人と一緒に生活をしています。その際にイエンスの名はジョルシュになっていますが、この村にイエンスは受け入れられたということですか?

(メーレ監督)イエンスはジョルシュに変貌をとげることになりますし、村人はイエンスをジョルシュとみなします。つまり、村人が二人の強盗を殺した時に、村人とイエンスの間でお互いに「秘密」の交換をしていたということなのです。二人の強盗はイエンスにとっては仲間でもあり、またイエンスの過去を知っているということでもあります。元々、イエンスには家族もいませんので、唯一イエンスと過去を結びつけているのが強盗の仲間二人なのです。その二人が殺されて捨てられた後はイエンスという人そのものがなくなって、その時点で、村人が抱えている「秘密」とイエンスの強盗や殺人の過去をそれぞれ交換条件のように取り換えた訳です。彼らにとっては問題解決しているのです。

Q.イエンスは納得してジョルシュになったのでしょうか?

(メーレ監督)両方だと思います。イエンスは役割に無理矢理押し込まれているのと同時に、彼が立っている状況を考えてみるとベストな状況にもあるともいえます。変だし、大変シリアスな状況ではありますが、押し込められたいわば獄中にある様な状況ではありますが、その中で幸せと悪夢が混在している状況ではないかと思います。

Q.共同体を守るうえで掟・ルールが大切だと感じました。不倫、つまりありがちな罠・身近に起きがちな問題に対してイエンスはこのルールを守れる男であり、そこから共同体に受け入れられたと解釈しているがどう思いますか?

(メーレ監督)共同体の安全を守るためにルールやコードと言うのは必ずあると思います。国によって、違うルールがあり、時間の経過によって変わっていくものもあると思います。ルクセンブルグでも映画そのままではありませんが、不倫したら罰を受けるというルールもあります。作品を制作中に資金集めをしていた時、「こんなことは起きないんじゃないか?」という質問をよく受けました。色々と調べてみると割と近くで似た様なことは起きていて、たまたま見つけた記事ではルクセンブルグの国境を越えたすぐのある村で、村人を虐待していた人間がある男に殺され、村人がその殺した男を擁護していたという事件がありました。また、ドイツではブラスバンドのメンバーが集団で女性をレイプして、メンバーがお互いを守り合っていたというケースがありました。今でも起きていて、別に昔の話でも遠い時代の話でもなく、コミュニティを守る上ではそういうルールがあるのかと思いました。

ジル・シャニエル プロデューサー

すごく暴力的なルールかも知れませんが、この映画の中ではある共同体が全くのストレンジャーに対して自分たちのルールを押し付けています。それはヨーロッパでも移民問題で色々と起きていることだと思います。コミュニティとは全く関係のない人に、自分たちのルールを押し付けていたということが描かれています。

■あらすじ(※ネタバレ注意)

イエンスが村のビアホールで出会ったシングルマザーの女性リュシーと付き合いはじめる。リュシーの夫は突然姿を消したと言うが、、、イエンスが見つけた数枚の写真には村の女性たちの裸体が写っていた。写真は、見覚えのある場所で撮影されていたことが判明する、、、動物の駆除のため村人数人から畑に呼び出されるが、農業作業車にひき殺されそうになる、、、イエンスにとって罪とは何か、村人が大切にしているものとは何か?ルクセンブルクの小さな農村で起きた事件は、遠い日本に住む私たちにとって全く縁のない話でもなさそうです。

■ 予告編



■ 制作国

ルクセンブルグ=ドイツ

■ 監督

ゴヴィンダ・ヴァン・メーレ

■ スタッフ

監督/脚本:ゴヴィンダ・ヴァン・メーレ
撮影監督:ナラヤン・ヴァン・メーレ
編集:ステファン・スタベノフ
プロデューサー:ジル・シャニアル
美術:オードレイ・エルニュ
音響:トーマス・グリム=ランズベルグ
音楽:モック
音響編集/リーレコ:フィリップ・シャルボネル

■ キャスト

フレデリック・ラウ
ヴィッキー・クリープス
マルコ・ロレンツィーニ
レオ・フォルシェット
ジェラール・ブラシェット
イリナ・ブラナル

107分 カラー ルクセンブルク語 ドイツ語 2017年 ルクセンブルク ドイツ ベルギー

※©Les Films Fauves – Novak Prod – Bauer & Blum – ZDF/Arte – 2017




■ 東京国際映画祭とは

88の国と地域、1538本もの応募中から15作品がコンペティション部門に選ばれ日本からも『最低。』と勝手にふるえてろの2作品が選出されました。日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭他では見られない世界の秀作が集結し、グランプリ作品が決定!

・新しい才能が集う、アジアで最も注目される映画祭
・映画を核とした一大イベントの実施
・併設マーケットとの強い連携

■ アートとエンタテインメントの調和

・Expansive-映画を観る喜びの共有
・Empowering-映画人たちの交流の促進
・Enlightening-映画の未来の開拓

■ イベント名

第30回東京国際映画祭

■ 開催期間

2017年10月25日(水)~11月3日(金・祝)

■ 会場

六本木 ヒルズ(港区)、EXシアター

■ 公式サイト

http://www.tiff-jp.net

第30回東京国際映画祭

第30回東京国際映画祭

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