穐山茉由監督が桜井玲香さんに託した「人に見せたくないような部分」とは

穐山茉由監督,シノノメ色の週末,画像

映画『シノノメ色の週末』
穐山茉由監督インタビュー

取り壊されることが決まった母校・篠の目女子高校の校舎で、在りし日の思い出を辿るために、数年ぶりに集まったシノノメ女子元放送クラブの3人。昔の女子校生活を思い出しながら、互いに現在の不満をぶつけあい、10年前に埋めたタイムカプセルを探すために週末の度に何度も校舎を訪れるようになる…。

11月5日(金)公開の映画『シノノメ色の週末』は、女子校卒業後10年ぶりに再会し、週末だけ母校に集まる3人 美玲(役:桜井玲香さん)、アンディ(役:三戸なつめさん)、まりりん(役:岡崎紗絵さん)が繰り広げる大人の青春物語。

今回は、『月極オトコトモダチ』『蒲田前奏曲』に続いて3度目となる穐山茉由監督へのインタビューです。オリジナルストーリーとして作られた本作誕生の経緯や桜井さんをはじめキャスト陣の魅力についてお話を伺いました。

―― 『月極オトコトモダチ』取材の際、徳永えりさんが「ヒロイン那沙は穐山監督です」とおっしゃっていましたが、この作品も、エッセンスとして監督の人生の一部が込められている感じがします。
監督は“30代は好きなことに挑戦する!”ということで、映画美学校に入って映画監督への道をスタートされましたが、美玲(役:桜井玲香さん)はモデルに対する自身の考え方が変わっていく点で、監督に共通するものを感じます。なぜ、監督はこの物語にたどり着いたのでしょうか?

穐山茉由監督(以下、穐山監督)
確かに自分が感じていた部分を散りばめているとは思うのですが、映画を撮ると決めるまでがそれなりに壁にぶち当たっていた時期でした。ちょうど20代後半は同じように私も悩んだり、周りが羨ましく見えたり、結婚するのかしないのかも色んな問題が出てくる歳だと思うんですね、女性の20代後半って。その時の気持ちは凄く思い出しました。

最終的には映画にたどり着くんですけど、その気持ちをどうしたかというと、気の合う仲間と部活みたいなものを作って、週末に何か目的を持ってラーメンを食べに行くとか、そういうちょっとした活動をすることで発散されていた部分はありました

何かそういう形を作るみたいなこととか、そこに名前を付けたりとか、何かの目的を持って集まるみたいな。自分も手探りでやりだしたなぁって。それはこの作品にも投影されている気はしますね。

穐山茉由監督,シノノメ色の週末,画像

―― “自分の判断や意思で自分の人生をコントロールしていくんだ”という監督ご自身の決意表明のようにも感じます。職業を変えるということは、色んなことを学ばなくてはならなくて、苦労はするけど、自分で自分の人生をコントロールするという意思はとても大切だと思います。流されるのではなくて、会社で言われたことをやっていく人生ではなく、自分でコントロールしていく。監督はその辺りを意識してこの作品を作っていらっしゃるのではないですか?

穐山監督
そうですね。根本的に世間で言われているものとか既成の概念、そこからもっと自分軸で考えたいというか、そこから一回離れたいという気持ちはあって。それは『月極オトコトモダチ』の時もそうでしたし、今回も多分根底の部分にあるのはそういうこと。でも、それを押し付けられているというところでもがいている感じは凄くあると思います。

穐山茉由監督,シノノメ色の週末,画像

―― 美玲は、モデルに対する憧れや単なるイメージに自分が縛られていることに気付きません。そんな彼女が自分自身の本来の魅力やその見せ方など、元々持っている自分のモデル的な側面に気付いていく成長ストーリーにも思えます。なりたい自分に今の自分を当てはめようとしても上手くいかない。だけど、自分自身の中にそれを見つけていく作業が気付きを与えてくれていると感じました。

穐山監督
そうですね。本当にいかにそこから抜け出すかというか、そこに気付くか。まずは気付くところだと思います。

―― 転職という選択肢でなくても“そこで自分をちゃんと見つめてごらん”みたいなことを言われているような気がして。とても素敵だなって感じました。

穐山監督
ちょっと自分の中にある向き合いたくない気持ちとか、人に見せたくないような部分とか、そういうところを美玲は観客に見せる人になってもらったんですけど、そういう部分は誰しも持っていて。

それは何か固定の概念とかによって生まれてしまうことだったり、映画で描くにしても凄く人間的でイイ部分だなと思っているので、それを受け止めたい気持ちもあって、一緒にその気持ちを体験しながら、乗り越えていけるように見えたらいいなと思いました。

穐山茉由監督,シノノメ色の週末,画像

―― 美玲は体温を感じる距離感で作品の中にいてくれたので、とても優しい雰囲気を感じることが出来ました。
そんな美鈴を演じる桜井さんは乃木坂のリーダーを務めていましたし、突っ走ってきた彼女は女子高生の時の美玲に重なるような気がします。リーダーとして大変な思いもしているし、色んな経験もされている方だと思いますが、監督から見た桜井さんは美玲さんと被るような共通点はありましたか?

穐山監督
私も、乃木坂のキャプテンをやっているという時点で、皆をまとめるお姉さん的な人なのかなとか、まとめる人なのかなと思っていました。美玲はまとめるというより、割とクラスの中心にいるタイプですけど、そのグループの中でも核になる人だったらいいなって思ってはいたんですが、本人は意外と凄く繊細で、スゴイ真面目な方なんです。あの美玲のドンドンいく感じとも違う控えめな方なんです。

【FIX】1022_17時「シノノメ色の週末」桜井玲香キャラクター写真解禁リリース,画像

―― そうなんですか!てっきり美玲の様な方なのかな?と勘違いするぐらいピッタリの演技でした!

穐山監督
それは実際に会ってみて意外だったというか、こんな繊細な方なんだなと思いました。でも、美玲にも繊細な部分はあるので、そこに共鳴してくれて凄くいいお芝居をしてくださいましたね。

―― ほんとに実に意外ですね。美玲像が最初に監督の中にあって、実際の桜井さんを見たら意外と繊細で、それはそれで共通点でもある。我々は映画の中でしか分からないので、全てとても新鮮に聞こえます。

穐山監督
舞台のお芝居は何度か経験されていたみたいなのですが、映像との違いを凄く不安に感じていたみたいです。色々相談を受けて、話し合いながらやっていったんですけど、3人とも勝手に仲良くなってくれたので。その3人の空気感というかグループ感が生まれていたので、本当に自然な感じでやってもらおうと思って、それが凄く良かったですね。

【FIX】1026_17時「シノノメ色の週末」特別写真解禁リリース,画像

―― 相談を受けた中で一番印象に残っていることって何かありますか?

穐山監督
桜井さんはやっぱり細かい動きですかね。私の演出の好みが、ただ立っているよりはちょっとフラフラ動いていてほしいとか、何かしら動きをつけたくて、それが結構細かいんですよ。それが舞台の動きとはちょっと違うのですが、やっているうちに段々とコツを掴んできて、私の好みを習得してくれました(笑)

―― 監督からの注文については、徳永さんも同じ様なことを言っていたような気がします(笑)
加えて、岡崎さんには『mellow』でのインタビューの際に「自然な形で自分を表現することを教えていただいて、とてもやり易かったです」というお話を伺って、演技に対して凄く純粋な女優さんだなと感じていたのですが、岡崎さんはいかがでしたか?

穐山監督
本当にお芝居に対して真面目な人だったので、凄く色々考えてくれたんだなって感じました。一つのお芝居に関しても、自分で納得いかないところは聞いてくれて、それ以外は基本的には色々考えて持って来てくれる方なので、私は凄くやりやすかったです。

―― そして、三戸さんが一番お姉さんだからまとめ役ですよね?現場でもそんな感じなのですか?

穐山監督
まとめ役というか、愛すべきキャラクターみたいな感じで、和みキャラクターみたいな感じはそのままでした(笑)三戸さんのそのままアンディをやってもらいました。

シノノメ色の週末

―― 三戸さんが持っている雰囲気がそのものですよね。あすか役の中井さんはいかがでしたか?

穐山監督
一人だけ現役高校生役でしたけど、大人3人にも負けないくらいの存在感が欲しいと思っていたので、彼女の持っている不思議な存在感みたいなものが凄く良くて。お芝居のテンションも違うのにイイ感じで馴染むというか、存在を残しながら和ませる不思議な感覚。彼女のスゴイ魅力だと思いました。

シノノメ色の週末

―― 最後に、この映画の見所とメッセージをお願いします。

穐山監督
私が女子校出身なのもあって、誤解されがちな“女子校って怖そう”とか“ギスギスしてそう”みたいなイメージじゃない、もうちょっとリアルな平和な3人の感じを表現したかったので、そういうリアルな女同士の関係性を見てもらえたら嬉しいです。

そして、30歳手前の悩ましい人たちに向けて、それを過ぎ去った人たちも“色んなことがあったなぁ”って振り返られるような作品になっていると思いますので、是非、観ていただけたらと思います。

穐山茉由監督,シノノメ色の週末,画像 穐山茉由監督,シノノメ色の週末,画像

―― ありがとうございます!!

キャスト

桜井玲香
岡崎紗絵
三戸なつめ
中井友望
山田キヌヲ
工藤阿須加

監督・脚本

穐山茉由

主題歌

佐藤ミキ「東雲の空」(SACRA MUSIC)

制作プロダクション:ダブ
配給:イオンエンターテイメント
公式HP:https://shinonome-weekend.com/
©2021 映画「シノノメ色の週末」製作委員会

11月5日(金)
全国ロードショー

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