上川周作さん「他人事ではない映画」幕末の京都を舞台にした激しい人間ドラマを熱演!!

映画『CHAIN/チェイン』主演・上川周作さんインタビュー,画像

映画『CHAIN/チェイン』
主演・上川周作さんインタビュー

11月26日(金)公開の映画『CHAIN/チェイン』は、幕末と現代の京都を舞台に、新撰組終焉の象徴とも言われる“油小路の変”を、斬新な設定も交えて描いた物語です。

本作は、京都芸術大学映画学科の学生とプロが劇場公開映画を作るプロジェクト「北白川派」第8弾作品で、主演は本作が映画初主演となる上川周作さんです。

京都芸術大学在学中に『正しく生きる』(福岡芳穂監督)、『赤い玉、』(高橋伴明監督)等に出演。卒業後に本格的な活動を開始し、映画『止められるか、俺たちを』(白石和彌監督)、『劇場』(行定勲監督)、NHK連続テレビ小説『まんぷく』や大河ドラマ『西郷どん』等で注目される若手実力派俳優です。

今回は、幕末の歴史にその名を残す人物の中で、架空人物の主人公・山川桜七郎役を演じた上川さんに、本作を演じる中で感じた様々な感情や印象に残っているシーンについて振り返っていただきました!

映画『CHAIN/チェイン』主演・上川周作さんインタビュー,画像

主人公の山川桜七郎役を演じた上川周作さん

―― 現代と過去が入り交ざっていて、今まであまり観たことがない斬新な設定なので、観ている側はとても楽しかったです。一方で、撮影は大変なことも多かったのではないですか?

上川周作さん(以下、上川さん)
殺陣のシーンが多くあったので、事前に役者たちで集まって基礎から稽古をしました。京都芸術大学の殺陣の先生でもある東山龍平さん(中岡慎太郎役)と、中村健人さんのお2人が指導してくださいました。

精神的にも稽古から感じる緊張感や、当時の武士は刀を抜いたらもう自分は死ぬかもしれないという覚悟の中で命のやり取りが始まるんだ、ということを具体的に想像することが出来て、こうした緊張感も自分に手繰り寄せて演技に活かそうと思いました。

―― ちなみに、練習ではどのような刀を使うのですか?

上川さん
“竹光”と呼ばれる竹の剣に銀の紙を貼ったものがあるので、本番はそれでやったりするんです。ただ、刃を当ててしまうと銀紙が剥がれちゃう。そうなると修理代がかかると言われて、違う緊張感が出て“当てたらダメだ…”って(笑)

でも、激しさは求められて、役者たちの距離や、一歩の踏み出しも大きくなっていき、正直当たってしまうこともありました。

いい画を撮るために最終的には「当たっても気にせずに、ドンドンやろう!」と東山さんに仰って頂き、監督も臨場感、戦いが始まる時のリアルさは凄く大切にしていました。

―― やはり時代劇特有の緊張感があるのですね。加えて、初主演ということで緊張もあったでしょうし、逆に“やってやるぜ”みたいな意気込みも強かったと思います。山川桜七郎という架空の人物は非常に難しい役だったと思いますが、人物像を作り上げるに当たっては監督や脚本家の方々とどんな会話をされたのでしょうか?

上川さん
第一稿を読んだ時にト書きに「無精髭の目立つ荒んだ顔つき」とあり、山川桜七郎は用心棒ということもあって、三船敏郎さんみたいな無骨であまり物事を語らず、戦になれば野性的な能力を発揮する人物像がパッと浮かんだんです。

でも、形ばかりを求めてしまうと、見る人には見透かされるじゃないですか。モノマネしているな、時代劇やろうとしているなって。

それをインの前に監督から見抜かれたと思っていて。監督と話している時に「周作、俺、武士って偉そうにしていて、そんな好きじゃないんだ」って打ち明けられたんです。今から時代劇を撮る直前に。

それは、監督の世間話ではなくて、“演出なんだな”と思ったんです。どこかから借りてきたイメージの武士をやろうとしていることが、監督に見抜かれていたんだろうなって。監督から、“お前自身の武士を見せてくれ”と言われた気がして、ありがたかったです。その言葉で力が抜けて、飛躍しすぎず、自分の中にあるものを大切にしながら演じてみようと思えました。

時代劇なので使い慣れない言葉だから嘘っぽくなってしまうと思うんです。でも、この映画は不思議で、現代の風景も流れるし、身近に感じられる、他人事ではないと思える映画になっていると思います。

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―― 監督の話題もありましたが、京都芸術大学映画学科の時からの信頼関係が伝わってくるのですが、上川さんにとって福岡監督はどんな方ですか?

上川さん
(福岡)監督って否定しないんです。「それもあるよな」と受けとめてくれるんです。提示した時に正解か不正解かは勿論演出の時点でテコ入れは入るんですけど、とにかく役者の考えを大切にしてくれる。凄く尊敬できる方で、“こんな大人になりたいな”と思いながら学生の頃も今回の撮影期間中も過ごしました。

―― 惣吉とお鈴が橋の上で歩いているシーンが印象的でした。
上川さんが演じたシーンや完成した作品を観た時に、どのシーンに一番心が動きましたか?

上川さん
人を否定しない、肯定しているような台詞をこの映画の中から感じていたんです。自分の出演シーンでは、藤堂平助(役:村井崇記さん)の「国を思う心が同じであれば用心棒でも菓子屋の倅でも誰でも私たちの味方です」という台詞が心に残っています。

あとは、蕎麦を食べながら伊東甲子太郎(役:高岡蒼佑さん)と花香太夫(役:土居志央梨さん)に「生きるに意味など要らぬ」と言われながら蕎麦をすするシーンがあるんですが、「あなたのありのままの姿でいいんだよ」と言われているようで。このメッセージは、福岡監督とリンクするんです。監督の人との接し方、僕を受け入れてくれたように、映画の登場人物も受け止めて、それを表現している気がして、とても印象に残っています。

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―― 1873年に山川が「百年経ったら いい世の中に なってるといいなあ……」と言っていました。100年後の1973年までには、第一次、第二次世界大戦を経て、1964年に東京オリンピックが開催されました。江戸時代の安定した世の中、そこから幕末と動乱が続いて、オリンピックを開催できるまで平和になった。その100年は山川桜七郎が思い描いていた100年になったのかなと想像しました。山川桜七郎の100年にはどんな思いが込められていたのでしょうか?上川さんが演じた時に込めた思いも含めて教えてください。

上川さん
難しいのですが、最初に台本を読んだ時は凄く悲しい気持ちなのかなって思いました。

現場に入ってみて、とにかく“未来に向けての希望に自分たちで変えていかないと”みたいな決意なのかなと思って臨んだのですが、あの台詞を言った時に、100年後を想像することが凄く怖くなったんです。

100年後を想像したら自分は生きていないし、自分がいないからどうなってもいいとはならない。自分の一つの行動で全てが変わるわけでもないのかもしれないけど、そこを信じて、動かないといけないと思うと、どんどんスケールが大きくなっていって。一つの台詞に落とし込むとなったら、全部を伝えるのは無理だから、もう自分で抱えきれないものを吐露した心境に近いのかもしれない、最終的にそう思いました。

なので、あの台詞は、決意というよりは、言わざるを得なかった台詞に近いものだと思います。

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―― 最後のシーンを演じるにあたって、上川さんは、斎藤を演じる塩顕治さんとはどういった会話をされましたか?また、最後に窓を閉めたあのシーンにはどのような思いがあるのでしょうか?

上川さん
まず窓についてですが、会津藩は史実的には悲劇というか、幕府にずっと仕えていて、最後に薩長が明治を握った時に追いやられた藩です。僕の勝手な想像なんですけど、青森の斗南藩まで行っていてやっぱり寒い。なぜあそこの窓が開いていたのか。でも、「窓、閉めて」というのは元々なかったんです。確か何回かシーンを重ねた時に、途中で塩さんが窓を閉めたんです。“ああ、芝居が変わった”と思って、それを受けて僕は単純に彼なりのエールというか、斗南藩に残って、彼は違う場所に行くけれど、やっぱり名前を変えて生きていかないといけない。家族も全員会津で死んでしまってという中で、口に出しては言えないけれど、やっぱり残った者同士、生きる道を選んだ人に対する斎藤なりのメッセージなのかなと芝居で受けました。

塩さんとはそうですね、シーンに関してすり合わせはしていません。お互い裏切り者同士という共通点があり、僕は会津を出て彷徨っている中で、彼は御陵衛士に入っているけど、実は土方さんのスパイとして御陵衛士に潜り込んでいる。共感出来る部分もあったかもしれないんですけど、お互いが人間不信のような。何を信じて、自分はどこでどういう風に居場所を見つけて生きていくかが定かではない。言葉では表していませんが、ハッタリをかまし合いながら隙を作らずに生きている二人に共通する空気は感じてもらえる芝居になったのではないかと思います。

―― 山川の複雑な気持ちがとても伝わってきました。最後にこの作品の見所も含めて、映画ファンに向けてメッセージをお願いします。

上川さん
この映画は時代劇ですが、どこか今の自分自身に訴えるものがあって、ただ過去を傍観している気持ちにはならないです。そこが、この映画の不思議なところで、それをご自身に置き換えて観てくださいというのは押し付けがましいのですが、自分の過去、幕末にあった出来事がずっと積み重なって今を生きていると思うと、その人たちがいたから自分がいたかもしれないし、やっぱり全てが繋がっている。

だから、他人事ではないこの時代に対して、自分が出す答えは何なのか、時間はかかるかもしれないけれどその答えを出していけたらいいなと思うし、そういう風に映画を観て感じ取ってもらえたら嬉しいです。

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―― ありがとうございます!!


映画『CHAIN/チェイン』予告編

映画『CHAIN/チェイン』作品情報

2021年/日本/113分/監督:福岡芳穂/脚本:港岳彦 
出演キャスト:上川周作、塩顕治、村井崇記、和田光沙、辻凪子、土居志央梨、福本清三、大西信満、山本浩司、渋川清彦、高岡蒼佑
(c)北白川派
配給・宣伝:マジックアワー
公式サイト:www.chain-movie.com

11/26(金)よりテアトル新宿、12/10(金)よりテアトル梅田、京都シネマほか全国順次公開

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