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2018年10月の映画ログおすすめ映画『ごっこ』がいよいよ本日10月20日よりロードショーとなりました。主演の城宮(パパやん)で素晴らしい演技をみせてくださった千原ジュニアさんが、先日のインタビューで信頼を寄せていたのが監督・脚本を務めた熊澤尚人監督です。
今回は公開を記念し、狂気を内包する不器用な父性愛と自己犠牲の連鎖を描いた本作品に熊澤監督が込めた想いや、監督が社会に感じていることなど今の気持ちを真っ直ぐに伝えていただきました。

―中盤、城宮がヨヨ子に語る(頬を叩く)シーンで思わず涙しました。そこから思いもよらぬ方向へ、さらにラストでまたすごいシーンに繋がります。まさに渾身の脚本・演出となったわけですが、原作とは違ったこのストーリーに至った、いきさつや狙いを教えてください。
世の中には生きるのがへたくそな人間が沢山います。上手く生きられない人が、自分より弱い人に出会い、弱い人をなんとかしようとする姿を描きたかったのです。そして、そんな上手く生きられない人間の、せいいっぱいの頑張りや愛が、予想外の結果に繋がってしまう事もある、人生の難しさを感じて頂ければと思いました。

―千原さん、菜々花ちゃんの演技がとにかく衝撃でした。現場での雰囲気、俳優陣の魅力を教えてください。
千原さんには、次の瞬間どうなるか分からない、危うさを出して欲しかったのですが、予想を超えるほど素晴らしく、その怪演ぶりに、千原さんを撮影するのが毎日楽しかったです。菜々花ちゃんは謎を抱えた不可思議さと、子どもらしい勝手さを出したかった。そんな難しい注文にどうして応えられるのか、まさに天才、子どもなのに本当に女優さんでした。
現場ではなるべく俳優さんの自然な反応を切り取ることを意識して撮影しました。
千原さんは菜々花ちゃんと現場で本当に楽しげに遊ばれている事が多く。まさに本当の家族みたいでした。

―優香さん演じるマチの距離感も素晴らしく、終盤でも物語で特別な存在を見事に演じています!
城宮への愛情は、久しぶりに再会して、職務でもある親切な思いや、お節介が少しずつ変化して行き、自分でも気付かないうちに、いつのまにか‥‥深い愛情を持つようになるという流れを大切にお芝居していただきました。優香さんのおかげで、自然でせつない心の趣が出せたと感謝しています。

―原作を最初に読まれた時の感想、実際に映画をつくった後で気が付いたこと、小路さんへの想い出や想いなど、教えて下さい。
漫画『ごっこ』はポップなのに、社会や心の闇というテーマが扱われており、相反するものが共存していて、凄い高みに到達していると思いました。小路さんが亡くなった時は大変残念で、悔しい思いをしました。今回ようやく小路さんに公開の報告ができて、心から嬉しく思います。

―この原作を映画に表現する上で大切にした点、ここだけは伝わるようにしたかった点は?
原作は年金不正受給や育児放棄など社会の暗部を題材にしており、その中で特に、家族の問題、疑似家族という要素に力を置き、映画化しました。
また私はかねてから、今の社会の不寛容さを題材にした作品をつくりたいと思っていたので、それが上手く匂う映画になったと思います。

―物事の善悪について、どちらがどうだなどと言いきれないという事をこの作品を通じて思い知らされたように思います。物事の見方について監督が大切にしていることを教えて下さい。
善悪を超えるものや、白か黒か決められない事や、はっきりしない淡い領域の出来事に、大変興味を持っており、そういった事柄が映画で表現出来たら嬉しいとずっと思っています。

―城宮のあの行為について、監督としてはどのように受け止めていますか。
城宮という人間だからこそ行ってしまった行動であり、ヨヨ子を愛する気持ちがある故の行動。ただし、感情に心を支配されて行った悪であり、社会から許されることではありません。

―ラストの漫画本のシーンを観ている側としては涙が止まらなかったのですが、それは城宮がいきついた感情(親心)が本物だったからだと思います。今の時代にこうした気持ちを再認識する必要があるのは何故なのでしょうか?
少し前のコメントにも繋がるのですが、今の社会が不寛容になっている事に、皆さんが嫌な気持ちを感じ、良くないと思われているのが大きいと思います。
例え他人でも本当の親心が生まれることはあり、人と人との関係には、素晴らしい可能性があると、私も信じています。城宮の親心に心が動いた方は、皆さんが同じ思いなのではと思います。

―前作『ユリゴコロ』も最後まで予想がつかずに、驚きを味わうことが出来ました。本作も含めて、映画の印象を決定づける上での、監督なりの表現方法ではないかと思いました。観客に結末を予想させないための秘訣を教えて下さい。
脚本作りのポイントとしていつも、物語の展開が観客の想像を超える話を作るというのをモットーにしています。原作ものでも、脚本を作る際に、常に意識しています。また、撮影、編集の際も、どんなショットを撮るか、どんな順番でそのショットを見せるか、絶えず観客の想像力を意識しています。

―最後に、映画ファンに向けて、メッセージをお願いします。
引きこもりのニートが虐待を受けた幼女を誘拐し、逃亡するのが物語の始まりです。この二人がまるで壊れた吊り橋を渡って行くような、絶えず危うく、ハラハラする映画が出来上がりました。この二人が、一体どんな運命を向かえるのか?映画館で是非、確認して欲しいです。そして善悪とはまた違う、人の心の中にある愛情に関して、映画を見終わった後、考えて頂けると嬉しいです。

前作『ユリゴコロ』で新境地を切り開いた熊澤尚人監督の最新作『ごっこ』は、本日2018年10月20日(土)より絶賛公開中です!


<編集部より>
分からないことへの恐怖からなのか、私たちがつい目を背けがちな物事に対して、熊澤監督は興味を持って探り、様々な角度から捉えているように思います。さらに映画を観ている私たちへも想像力を膨らませることで、熊澤監督の映画は作品の中に私たちを引きずり込み、観た後も頭から離れることはありません。
と、かたい言葉はほどほどに、映画ログスタッフ一同映画を観て涙。千原さんと対峙して圧倒され、熊澤監督のお言葉にまた涙。熊澤監督はじめキャスト・スタッフ関係者の皆さん、本当に素晴らしい映画をありがとうございます!
ぜひ沢山の映画ファンに劇場でご覧いただき、沢山の感想が届くことを楽しみにしています!

映画『ごっこ』主演千原ジュニアさんインタビュー!

■予告動画

■キャスト
千原ジュニア (『岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇』『PORNOSTAR ポルノスター』『MOON CHILD』『ナイン・ソウルズ』『劇場版 新・ミナミの帝王』)
優香 (『羊の木』)
平尾菜々花
ちすん
清水富美加 (『暗黒女子』『笑う招き猫』『東京喰種 トーキョーグール』)
秋野太作
中野英雄
石橋蓮司

■スタッフ
【監督】
熊澤尚人 (『ニライカナイからの手紙』『君に届け』『心が叫びたがってるんだ。』『ユリゴコロ』)
【原作】
小路啓之(集英社刊)

【脚本】
熊澤尚人
髙橋泉
【製作】
前田茂司

■関連商品

■公開情報
2018年10月20日

■公式サイト
http://gokko-movie.jp/

■コピーライト
©小路啓之/集英社
© 2017楽映舎/タイムズ イン/WAJA




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