「好きになるのに、年齢は関係ない」『あいたくて あいたくて あいたくて』主演 丸純子さん&いまおかしんじ監督インタビュー

「あいたくて〜」インタビュー,画像1

この夏いまおかしんじ監督が熱い!

8月から9月にかけ、作品が怒涛の連続公開を迎えているいまおかしんじ監督。

不器用な大人たちの恋愛模様を描いた監督作『あいたくて あいたくて あいたくて』が、2022年8月13日(土)よりK’s cinemaにて1週間限定公開予定です。

1年前に夫を亡くし、夫のあとを継いでタイ料理店を一人切り盛りしている淳子と、妻と別れたばかりの家具職人・祐司。

ひょんなことからメールのやりとりをはじめた、ともに人生の半ばを超えたふたり。やりとりを続けるうち、やがて会ったことのない相手に興味を抱くようになるが…

不器用な大人の恋愛を、いまおか監督らしい温かな目線とユーモアあふれる筆致で綴る本作。

今回はいまおかしんじ監督と、主人子の敦子役を演じ、いまおか監督作品の常連でもある丸純子さんにお話を伺いしました。

「あいたくて〜」インタビュー,画像2

いまおかしんじ監督、
淳子役の丸純子さん

―― 会ったことのない相手とメールでの交流が描かれた本作ですが、制作のいきさつなどを伺えますか?

いまおかしんじ監督(以下、いまおか監督)
プロデューサーと丸純子さん主演で何か作ろうということになったんですね。

企画を出していくなかでSNS、それも「二人が出会わない恋愛」という題材が出てきて。かなり前の作品ですが、森田芳光監督の『ハル』(1996)などを参考にしました。

―― 丸さんはいまおか監督とのダッグも多いですよね。脚本を読んだ印象や淳子という役柄についていかがお感じになりましたか?

丸純子さん(以下、さん)
最初にいまおか作品に参加したのは『誘惑は嵐の夜に』(2016)でした。それ以降も何作か出演させてもらっていますが、いつも本当に楽しいんです。でも主演は初めてで。

台本をもらって、まず【淳子】という名前をどう読むのかいまおかさんに確認したら「じゅんこ」だったので、最初はちょっとやりづらいかなと思ってたんですけど、撮影が始まったら特に意識せずに演じられました。

いまおか監督
名前を淳子にしたのは、今回の役はあて書きだったから。丸さん本人の性格とかも反映してシナリオを書いたんです。本人か役だか訳分かんなくしてやろうって魂胆で。やっぱりやりづらかったんだ。ごめんなさい。

「あいたくて〜」インタビュー,淳子

―― いまおかさんから印象的な演出の指示などはありましたか?

さん
いつもと変わりなく「やってみて」って感じでしたよね?

いまおか監督
主演以外のキャストの場合は出番が少ない分そのシーンそのシーンが大事だから「こうして」って具体的に言うんだけど、主演はほとんど好きにやってという感じになっちゃう。

ただキメのシーンだけは、何か言ったんじゃないかな?

さん
タイ料理屋さんであるものを見つけるシーンですね。
「あいたくて〜」インタビュー,丸さん

―― 家具職人・祐司を演じた浜田学さんはどのようなきっかけで?

いまおか監督
祐司は生きるのが下手くそというか、いままでそんなにうまくいってこなかっただろうなっていうキャラクター。浜田さんの雰囲気や風貌が合うんじゃないかなと思ったんです。

―― 丸さんは浜田さんとご共演されていかがでしたか?

さん
そうですね、ご本人も役柄同様真面目で、誠実な方でした。あったかい人なんだろうなって一緒に演じながら感じてて。すごく居心地がよかったです。

いまおか監督
共演するシーンはそんなにないんだけどね。

さん
すれ違うばっかりで。現場では結構お話してたんですよ。大人としてまじめで、誠実ですばらしい人だなあって。

いまおか監督
丸さんもまじめだよね。まじめ過ぎるというか。
なんか色々過ぎるよね。道間違いすぎるし、酒は飲みすぎるし。色々すぎる人だよね。

さん
結構自由きままに(笑)

―― 撮影中、印象的な出来事はありましたか?

いまおか監督
メールのやりとりで進む話だから、パソコンを打つシーンが結構重要で何度も出てくるんだけど、浜田さん、パソコン苦手で、あれ実はめちゃくちゃ打ってる。(笑)

丸さんは丸さんで打てるんだけど、なぜか前かがみの姿勢になっちゃう。普通に打っているシーンがなかなか撮れなくて苦労しました。

「あいたくて〜」インタビュー,画像3

祐司役浜田学さん

―― 同時公開されている『遠くへ,もっと遠くへ』は20代の恋愛の話で、40代の恋愛を描いた本作とは対照的ですよね。

いまおか監督
みんなある程度の年齢をいくと事情があったり、色々諦めてるところもあったりして。
『あいたくて〜』では、そんなところを描ければと思いました。

僕もおっさんなんで、おっさんにもラブはあるぞと(笑)
好きになるのに、年齢は関係ない。年代のそれぞれ「好き」があるんじゃないかなと思ったんです。

―― 丸さんどう思いますか?

さん
いくつになったら、これがおかしいっていうのは私も全然思わないんです。

この作品みたいに誰かと出会ってお話するのは、年齢がいくつだろうと別におかしいことじゃないし、なんの違和感も感じなかった。

いくつになってもドキドキしたいじゃないですか。だから良いなって。

前に自分の作品をみてくれたシニアの女性の方が、「この間主人が亡くなったばかりなんですけど、これからもう一度青春を取り戻したいと思いました」って言ってくださったことがあって。

そんな風にこの作品をみて「いいんだ、いろんなことをやってみても」とか、「楽に生きよう」とか思ってくれたらいいなと思います。

―― 純子と裕司の交流きっかけになるのが宮沢賢治の小説「ツェねずみ」でした。この設定はどこから?

いまおか監督
単純に好きなんです。

子供がまだ小さい頃に、読み聞かせで寝る時に毎晩絵本を読んでいて。

宮沢賢治はすぐ寝てくれるから繰り返し読んでいたんです。やっぱり語感がすごく良いですよね。その中でも「ツェねずみ」って読みながら笑っちゃうっていうか。面白かったんです。

本当にやな奴なんだけど、憎めない。で、最後はかわいそうなんだよね。捕まっちゃって。

―― 裕司や上野、愛香の彼氏の一郎など、情けない男たちが描かれる一方で、女性たちは活動的で輝いて見えます。

いまおか監督
実感ですかねえ。女性はやっぱり何か芯があるというか。男はなんだかんだウジウジしていることが多いですよね(笑)

さん
女の人は子供を産むっていう、子育てをするっていう本能が備わっているというような気もします。だからしっかりしてるんじゃない?

いまおか監督
男はそういうのないなぁ。

「あいたくて〜」インタビュー,いまおか監督

―― 改めて、いまおか監督作品の魅力とはなんでしょうか?

さん
一言でいうとあったかい。

「失敗なんてみんなあるでしょ?いろんな人がいるし、あなたも大丈夫だよ」というエールがいまおかさんの作る作品の軸になっている気がします。

たとえ人を殺す人が出てきても根っからの悪人として描かない、っていうか。

いまおか監督
やっぱりみんな良いところもあれば、悪いところもあるし、両面描かないと生きている人の感じがしないんですよね。

シナリオを20年も30年も書いていると、いい人とか悪い人って決めきって書けなくなるんです。一方で優柔不断っていうか、良い悪いが言えなくなっちゃう部分もあるんだけど・・

―― いまおか監督からみて、丸さんはどんな俳優さんですか?

いまおか監督
妖精っぽい。ただそこに居て喋ってるだけで何か面白いし、微笑ましいんですよね。

それは人間力というか、その人が持っているものだと思うんですけど。そういうのは芝居の中に自然と滲んでくると思うんです。あとものすごい方向音痴です。(笑)

―― 最後に一言、これからご覧になる方へメッセージお願いします

いまおか監督
丸さんが最高です。あとは、思っていた以上にかわいい映画だなって客観的に観ても思います。ホッとするような気持ちになってもらえたら嬉しいです!

さん
ほんわか、ふわふわした何か柔らかいところに包まれるような作品です。

色々殺伐としてしまっているような世の中ですが、観ている間は忘れて、笑って劇場を出て頂ければと思います!たくさんの人に元気になってほしいです。


キャスト

丸 純子 浜田 学
川上なな実 柴田明良 青山フォール勝ち 山本愛香 足立英 青木将彦 松浦祐也 川瀬陽太

監督・脚本

いまおかしんじ

配給:ムービー・アクト・プロジェクト
公式HP:http://legendpictures.co.jp/aitakute/
©レジェンド・ピクチャーズ

8月13日(金)より
新宿K’s cinemaにて1週間限定公開!ほか全国順次公開

「あいたくて〜」インタビュー,ポスター

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