ポンチョに夜明けの風はらませて

廣原暁監督インタビュー

今回は、10/28(土)より新宿武蔵野館他順次ロードショーとなる『ポンチョに夜明けの風はらませて』の廣原暁監督にインタビューを行いました。2009年に制作した『世界グッドモーニング!!』が翌年、ぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞を受賞。若手監督として注目を受ける廣原監督の世界観を存分に語って頂きました。
――映画の世界に入ったきっかけを教えて下さい。
高校生までは、他の人より映画を見ていたわけではなかったんです。高卒後、何となく映像が面白いと感じて、世の中には映像が沢山あるし仕事もありそうだなと思いました。そこで映像系の武蔵野美術大学に入りました。アニメ・写真・映画などを、ジャンルに縛られず学べる大学でしたので、色々やってみて、映画には「人と創る」という魅力があって何より楽しいと感じました。自分一人ではできないことも、友達に声をかけて一緒に創るとお互いに励ましあってやれることが自分に合っているな、と思いました。

また、青山真治監督「EUREKA(ユリイカ)」、北野武監督「キッズ・リターン」といった90年代の邦画がとても印象に残っています。それまで見ていたハリウッド映画とは違う感動があり、これは自分とは無関係なものではなく「自分と関係がある世界」であると感じさせるものがあって、それを追い求めたいという気持ちを持ちました。
――邦画のどこに魅かれたのでしょうか。
「EUREKA(ユリイカ)」は感動したまま見終わりましたが、一体何が面白かったのか?と聞かれると分からなくなります。とても心地良くて色々な感情もありましたが、説明がしずらいような。。

その時、あまりにも分からなかったので、青山監督の本「われ映画を発見せり」を読んだのですが、難しい言葉で色々なことが書かれていて、やはりよく分かりませんでした(笑)。ただ、有名な映画監督の名前がポツポツとあり、ゴダールなり、ヌーヴェルヴァーグの監督や色んな名前があり、そのほとんどを僕は知らなくて、これを知らないといけないんだ、まず映画と映画史と言うか、知らない監督が沢山いるんだな、と改めて感じました。そこでつきつけられた様な感じがあって、それから考えてる、探しています。結局、それで映画の世界が広がっていきました。
――映画の高校生像
早見さんから話を頂いた時に「若い人の感覚でやって欲しい」と言われましたが、撮影時29歳で10年違えば僕もそんなに若者ではありません。ただ、今の高校生は、肉体が躍動するというかそんな日々を送ってはいないのではないかな?とイメージしていました。

今時の高校生がこの映画を見て実際にどう思うか分かりませんが、僕や早見さんが考えるような「こうあって欲しい」というような青春というか、高校生像というものが映画にはあったのかな、と思っています。





ーー小説と映画に流れる別の時間
原作では、過去を振り返ったり、悩むというか、あの時ああだったと考えたりしますが、映画はどうしてもメディアとして時間が流れていくものなので、戻るというよりはひたすらただただ過ぎていくというか、瞬間瞬間が過ぎていくという様な感じにしていきたいなと思っていました。
ーー監督が好きなシーンを教えてください。
脚本上で、元々お父さんと思ったら違った、というシーンがありました。気持ちとしては、結果よりもプロセスを大事にしたいといった気持ちはありましたが、こんな事したら怒られやしないか?という気持ちもありました。ただ、撮影をしていたらお父さんと再会する時、夕日をバックに思いのほか感動的なシーンになっていって、益々大丈夫なのか?と思いました(笑)。

あの感動があっていいんだなというか、間違いなんだけどその感動自体は嘘じゃないんだなというか。結局、勘違いしたから全然関係のない見ず知らずのペルー人達と出会いがありました。求めていたものとは違うけれど、それはそれで素敵なことだなと。

脚本を書いている段階で、ことごとく失敗していくというか全然うまくいかないんだけど、全くめげない三人であり又八であり、というイメージがありました。

 


【次ページ】※一部ネタバレ注意 廣原監督の感性溢れるクライマックス!


 

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