映画『女の機嫌の直し方』公開記念 原案者・黒川伊保子先生インタビュー

映画『女の機嫌の直し方』公開記念 原案者・黒川伊保子先生インタビュー

映画『女の機嫌の直し方』公開記念
原案者・黒川伊保子先生インタビュー

妻のトリセツで話題のAI研究者・黒川伊保子氏ベストセラー「女の機嫌の直し方を原案とした同名映画作品『女の機嫌の直し方』が6月15日(土)より全国順次公開中です。
本作は、結婚式場でアルバイトをする大学生で理系女子(リケジョ)の真島愛(役:早見あかり)が、結婚式場で巻き起こる男女のトラブルを、男女脳の違いを分析した最新のAI研究をもとに次々と解決していく物語。

なぜ女たちは不機嫌になるのか、どうして男たちはわかってくれないのか……男と女の間には理解し難い深い溝があるけれど、お互いの感じ方や伝え方の違いを理解して向き合えば、すべての男女がハッピーになれることを伝えてくれるハートフルコメディです。

今回は、本作の原案「女の機嫌の直し方の著者・黒川伊保子先生に研究過程を振り返っていただきながら、言葉や男女の研究をどのような想いで進め、どのように解明してきたのか、そして映画『女の機嫌の直し方』を観て感激したことなどたっぷりとお話を伺いました。

映画『女の機嫌の直し方』公開記念 原案者・黒川伊保子先生インタビュー

映画『女の機嫌の直し方』 原案者・黒川伊保子先生

―――― まず、研究者としてご活躍されていた先生が執筆やセミナーの形で知見をお伝えしていく側になっていったきっかけを教えていただけますか?

黒川伊保子先生
私の人生が変わった瞬間ですね。私は大体流されて生きているので、人生の転機も流されてたどり着いた感じなんですけど(笑)。
ことの発端は、1991年4月1日に日本語対話型AIを作って、それを全国の原子力発電所で稼働させたこと。大型機のビジネス環境では、世界初の日本語対話となりました。35歳美人女性司書という要請で開発したAIで、女性を感じさせることばや対話の流れを実装させたんです。
コンピュータに言葉を喋らせる、つまりコンピュータに日本語の対話をさせて、その相手に女性だと感じさせていくわけです。原子力発電所の技師の方々に使ってもらったら、文字だけで画像も声もないのに「彼女は美人さんだね」と言われました。それが言葉だけで、ヒトとAIに情緒の交換をさせた最初の一歩でした。
実は、AIの稼働時に私は妊娠5か月で8月には子供を出産したので、自分の子供が言葉を獲得していくシーンも並行して見ていったわけです。
その後、1993年にある新聞社が「人間と言葉」というタイトルの論文を公募したんです。たまたまその公募を見て“言葉と人間なら、私、今書けることがある!だって機械に言葉を喋らせて、その機械に情緒を感じるユーザーの方がいて、しかもちょうど子供が言葉を獲得していく時期だったから、これは書ける!”と思って論文を書いたんです。今でも素晴らしい論文が書けたと思っているんですけど、私の論文は箸にも棒にもかからなくて、最終選考にも残らず、当然選ばれませんでした。賞金が100万円、副賞がハワイ旅行、さらにコンピュータも貰えたりして。名誉欲じゃなくて物欲だったんですけど、世の中そんな簡単じゃないなぁって思ったんです。
そこから3ヶ月くらい経って暮れも押し迫った頃、家の電話が鳴りまして出たんです。すると「京都の鶴見俊輔ですが」と仰る。あの哲学者の鶴見俊輔先生が電話をかけてきてくださったんです。意外にお声が若くて、私は奈良女子大出身で京大生とよく合コンをしたので、合コンした誰かかな?って(笑)。
「僕ね、あの新聞公募の審査員長だったんです」って言うんです。「黒川さんの論文は選ばれなかったけど、あの論文が世の中に埋もれるのはあまりにも忍びない。僕は『思想の科学』という哲学系の雑誌を刊行・主宰しているからそれに出したい。よろしいですか?」と仰っていただいた。当然私には反対する理由もないですから「よろしくお願いします」と答えました。その時、鶴見先生がふと思いついたように「あなたの文章は、必ずあなたを助ける。何があっても一生書き続けなさい」と仰った。「必ず書き続けてください」と重ねて言ってくださったんです。あの瞬間が、私がものを書いて生きていこうと決めた瞬間です。
『思想の科学』に載った論文を筑摩書房の編集者の方が見てくださり、オファーをいただき最初の本が出来ました。またそれを読んだ別の出版社の方がきてくださって…。以来、ずっと本を書かせていただいています。

映画『女の機嫌の直し方』公開記念 原案者・黒川伊保子先生インタビュー

―――― 先生の作品にも「女性が上司に言われた一言で頑張れる」…みたいな逸話が紹介されていましたが、先生にもまさにそんな一言があったんですね。

黒川伊保子先生
そうですね。思い返してみると人生を変えた瞬間は他にも幾つかありますけど、富士通の中原工場の片隅で開発をしていた普通のエンジニアが、なぜ本を書くようになったかと言えば、そんな事情でした。
ちょっと仕事が途切れた隙間に、賞金につられて書いた論文がきっかけだなんてね。
私が死んだ後、もしNHKの朝ドラの題材に私がなるとしたら、このエピソードは前半のクライマックスですね(笑)。朝ドラっぽい。

―――― 男女の脳が違うというテーマで執筆されていますが、むしろ現実社会では男女の差が縮まってきているのではないかと感じる事があります。それは、女性は社会進出が進み、男性と交わる機会が増えている一方で、男性は草食系と言われる様に、ちょっと中性化してきている所がある。段々と男らしさや女らしさが薄まってその違いもなくなってきているのではないかと。果たして令和に入った今、先生が次作としてどんなテーマを取り上げているのか興味津々でした。その辺りの時代背景について、そして最新作「ことばのトリセツ 」についてご紹介いただけますか。

黒川伊保子先生
まず、男女の差が縮まっているのではないか?について言えば、脳の本能的な使い方はそう変わらないんだけれども、男らしさと女らしさは薄まっているように思います。
それは完全に生殖ホルモンですね。
例えば、闘争心や冒険心など男らしさを作り出す男性ホルモン・テストステロンは、真夜中の視覚刺激で、分泌量が減ると言われています。現代社会は、夜中の電子機器利用が当たり前になりました。2007年には、アメリカで、過去20年で、男性のテストステロン分泌量が20%も減ったという論文も発表されました。
女性ホルモン・エストロゲンも、テストステロンを起爆剤として分泌するため、同様の傾向が予想されます。昔に比べて、男らしさ、女らしさが希薄になっているのは、人類の進化なのかもしれません。
でも、私は生殖ホルモンが作り出す男らしさ女らしさの研究をしているのではないんですね。例えば、記憶を引き出すデータベースの形、それから対話を進めていく時の対話のハンドリングモデルの研究をやっているんです。
いくら現代女性が男性に伍していても、対話においてはやっぱり「わかってもらいたいって気持ち」はなくならないようです。例えば、管理職の女性がいて自分のチームが不測の事態で疲弊しているとします。中には子育て中の人もいて、家庭も大変なことになっている。そろそろチームに休みを取らせたいし、なんならちょっと来月の目標を下方修正したいって思ったとするでしょ?それを自分の上司に伝える時、この人がいくら論理的な人だとしても、やっぱり女性は結論から言うと「みんなの気持ち」が伝わらないのが気になってしまう。
「来月チームの目標を下方修正したいと思います。つきましては、下方修正する分のフォローはこんな感じにしたいと思います」
と申し出るのが一番なんだけど、ついチームの追い詰められた気持ちを伝えたくて
「この1ヶ月顧客のワガママでみんな大変だったんです。こんな事があって、あんな事があって、この人はこんなで、ちょっと体調も悪くて…。なので来月は全員に少し休みを取らせたいんで、それで…」となってしまうことも。
話法は、そう簡単には変わらないです。女性同士のコミュニティでうまくやっていくための手法として、何万年にも渡って手に入れてきたので。

―――― 女性のプロジェクトリーダー的存在で堂々と仕事をこなしている方も、実は話を聞いて欲しいし、数時間会話をすることでスッキリするみたいな事ってありますよね。

黒川伊保子先生
結論から切り込むと素早く成果を出せるけど、あーだこーだとおしゃべりでプロセスをなぞって「あー、そもそも、あれがダメの始まりだったのかも」なんていう気づきは、女性脳型じゃないとできません。問題解決型と共感型、この2つは人類に不可欠な脳の思考スタイルなので、消えることはないと思います。そして、今のところ、狩りに有利な前者を男性が、子育てに有利な後者を女性が多く使っています。
ただ、遥か未来、男性が子育てをする人類になったら、逆転するかもしれません。

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―――― 続けて、6月7日(金)に発売となった最新作「ことばのトリセツ 」についてお話いただけますか。

黒川伊保子先生
私が人工知能の研究を初めたのは1983年で、1991年に日本語対話型のAIを実現しました。
その際に、男女の対話スタイルが違うことを発見したのは先にお話しした通りですが、もうひとつ、語感の正体を究明することにもなりました。
ことばのトリセツ 」は、その研究の集大成として書かせていただいた本です。

1991年7月、稼働から3ヶ月めのある日、私のAIにクレームがつきました。「“はい”が
3回続くと冷たい」と。
たとえば、
「こういうデータはありますか?」
「はい」
「そのデータに図面はついてますか?」
「はい」
「その図面はFAXで送れますか?」
「はい」
のように、ときに「はい」が並ぶのね。あぁ、そうか、生身の人間だったら「はい」「ええ、あります」「そうです」って言うなと納得しました。早速「はい」に加えて「ええ」「そう」を頷き語として用意することにしたのですが、当時のデータベースの中では、「ええ」「そう」は「はい」の同義語と定義するしかなかった。その3つを区別できるような複雑なデータベースを作っていなかったから。仕方なくランダム関数を使いました。

―――― (笑)それしかないですよね。

黒川伊保子先生
適当に3つの頷き語が入るわけですが、これでは違和感があると、さらなるクレームがついたのです。「ここは“はい”って言ってもらわないと」みたいに。

―――― 面倒くさい…。

黒川伊保子先生
仕様書になかったじゃん、って、心の中ではつぶやきました(笑)。
当時、私の立場は感性の研究者じゃなく、大型コンピュータのエンジニアですから。
私のAIが稼働するまで、原子力発電所の運転員がコンピュータ検索をするのに複雑な手続きを経ていた。日本語で気軽に問い合わせられるようにして欲しいと言われて受けただけの話なのに…「“はい”“そう”“ええ”の違いを勘案して」と言われても、、、みたいな気持ちは勿論あったんですけど、当然私も興味がありますから。
これは語感だな、言葉の強さとか優しさみたいな。それから、スピード感とか。この語感を数値化しないと、コンピュータに言葉を喋らせてはいけないのかもって。

―――― そこに辿り着くのがすごい!!

黒川伊保子先生
日本語って音読みの言葉と訓読みの言葉がありますよね。訓読みの言葉は母音が強く響くんですよ。音響振動が響いて、息が溜まるからちょっと温かい言葉なんですね。音読みの言葉は、ブレスコントロールで出す言葉が多くて、息が冷たい言葉が多いんですよ。音読みの言葉と訓読みの言葉では、私達はやっぱり受け取り方が違う。
例えば、仕事が終わっておいとまする時に
「今日はご一緒できて嬉しかった。ありがとうございます」
これは訓読みの言葉です。それを
「今日はご一緒できて光栄でした。感謝しております。失礼します」
って言ったら、これが音読みの言葉で、息が滑りでて、勢いよく飛んでいく言葉なんです。相手との距離を作るんですね。距離を作ることで、敬意を表すことにはなるけれども、同時に、とりつく島もない感じにもなる。「感謝しております。失礼します」って言われたら、もう「さようなら」って感じるじゃないですか。でも「嬉しかったです。ありがとうございます」って言ったら「今度お茶でも?」って誘えそうでしょ?
「コピー1枚足りないんだよ。すぐ取って来て!」ってお願いした時に「はい」と言われたら安心するけど「ええ」と言われたら“来るのかな?コピー…”って不安に思うでしょ?
こういう語感をきちんと人工知能に入れておかないと、一緒に働く人工知能が、すごく嫌な奴に思えるじゃないですか。
急いでいるときに「申し訳ありません」と丁寧に言われたら、いらっとする。「すみません」で走り出せ、って。じゃあ、一体コンピュータに何を教えてあげれば良いのかという事ですよね。
人間なら「こういう時は、“すみません”だろ? “申し訳ありません”じゃ、もたつく」って言われたら、何となくわかるけど、コンピュータにはわかりっこない。語感を解明して数値化し、AIに搭載する必要がある。でないと、語感センスの悪いAIになってしまいます。そんなAI、耐えられない。語感の数値化に成功するまで、私は対話するコンピュータを作らない、って決心したんです。
それが最初は本当に挫折したんですよ。まず、言語学の領域に答えを求めたんですけど、その当時は答えが無くて。言語学では音韻象徴っていうんですよ。つまり、言葉の音が何かイメージを持つという音韻象徴論に関していうと、当時の言語学では完全否定されていました。現代言語学は、言葉の音と意味の間に関係がないとするところから始まっているんです。

―――― ええっ!!!

映画『女の機嫌の直し方』公開記念 原案者・黒川伊保子先生インタビュー
黒川伊保子先生
現代言語学の祖フェルディナン・ド・ソシュールが音韻象徴は恣意的にすぎないと断じているんです。つまり、この言葉には柔らかい感じがするとか、硬い感じがするとか、スピード感があるとかは非科学的だと。
20世紀の科学は主観を許せなかったので、客観値にならないものは科学ではないという事ですよね、おそらく。「感性」という主観の科学に挑戦している私には、「あなたの言っている事は科学じゃない」と言われてきた長い道のりがあるんです。今でも言われるんですけど。「妻のトリセツ」も生理学の先生に批判されました。だって解剖学的には男女は変わらないから。確かにハードウエアは変わらない、ソフトウエアが違っているだけ、OSが違っているだけなんです。

―――― 分かりやすい!!

黒川伊保子先生
そうそう、(ソフトウエアやOSが)違っているだけなのに、一緒でしょ?っていう論理で…。確かに一緒だけど、それを一緒にしちゃうとさ…って。
「大坂なおみと同じ体を持っているのに、なんでウインブルドンで勝てないの?」って私に言っているのと同じよって思うんだけど、そこで喧嘩をしても全くかみ合わないから喧嘩はしないですけど(苦笑)。
言葉も一緒で、音韻象徴は科学じゃないと。柔らかいと感じる、明るいと感じる、それは本人の主観の領域で客観の領域には出せないというのが(当時の科学の)答えでしたね。
言語学を断念し、答えを見出すために心理学の領域を調べると「ブーバ/キキ効果」というのがあった。トゲトゲの図形とモクモクの図形を被験者に見せて「この2つの図形はヨーロッパでブーバとキキと呼ばれている図形です。あなたはどちらがブーバでどちらがキキだと思いますか?」って聞くと、98%の人が尖った図形をキキと答え、モクモクの図形をブーバと言う。それは被験者の言語、母語に寄らないんですよ。

―――― そうなんですか!

黒川伊保子先生
そう、しかも母語にも年齢にも寄らないんです。
98%の人がそれを感じている以上、脳は音韻に共通のイメージを持っている。やっぱり、音韻象徴はあるじゃない! 心理学はその可能性を見せてくれたけど、なぜかの答えはなかったんです。私は、再び路頭に迷いました。私はそのなぜかが欲しかったわけだから。

その答えは、私の小さな息子がくれました。
1991年の暮れ、生後4ヶ月の彼が、おっぱいをくわえ損ねたの。その時に出た音が美しい単体子音の「M」だったんです。“Hamm(ハンッ)”って。
日本人が「M」を発音する時って、つい後ろに母音が付いちゃうでしょ。例えば、「claim」って言うのについ「クレイム」に近い発音になりがち。息子の発音を聞いて、赤ちゃんの時は完全な単体子音の「M」が出るんだわ!って、感動したわけ。で、気づいたんです。Mは、おっぱいをくわえたときの口腔形だということに。舌の上に、優しい空洞を作り、それを満たしながら、鼻腔を鳴らす。
なるほどなぁ、と胸を打たれました。おっぱいをくわえながら、自然にでるM音は、人類が最初に発音する子音がなんだなって。
そう考えると、世界中のお母さんがM音で呼ばれるじゃないですか。「Mam(ママ)」とか「Mammy(マミー)」とか。ロシア語も「Mama(マーマ)」だし、中国語も「妈妈(マーマ)」だし、スワヒリ語も「Mama(マーマ)」ですからね。だって「マ」って音が最初に出る音だから。次に「プー」と「ブー」ですね。だからM、P、Bの3音は比較的早いうちから発音ができるんで、ママ、パパ、バーバまでは言えるの。ジージは気の毒ですね(笑)。
“語感って、口の中で起こる体感なんだ”って。
実は、口の中で起こる体感のコントロールは小脳がやっているんですよ。小脳って完全無意識でやるところなんです。例えば、二足歩行のコントローラーも小脳の中にあります。無意識なんだけど、小脳がやることは全て右脳潜在意識にイメージの像を結ぶんですよ。なので、口腔を高くすれば高いイメージが、喉を固くすれば固いイメージが私たちの脳には届いているんです。なるほどなって思ったの。だったら、口の中の物理効果を精査すれば語感を数値が出来る!!

―――― そこに繋がっていくんですか!

黒川伊保子先生
はい。
こんなシンプルな発見が20世紀末まで残っていたなんて、そして、私に飛び込んでくるなんて…我が子のおかげですね。
あの1991年に無謀だと言われた日本語対話型のコンピュータを作らなければ、この発見はなかった。そう思うと、「はい」が続くと冷たい、のクレームをもらったのも奇跡です。
開発は死ぬほど大変だったんです。稼働の前々月、システムはびくとも動かず、つわりのひどい中、残業時間は100時間を越えてました。上司が私に「お前、死ぬなよ」って言ったんです。「お前の命くらいでこの責任取れないからな」って(笑) 。私は死ぬ気は全然なかったですけど、これはいい台詞だなって思った。ブラックな台詞のように聞こえるけど、「お前の命くらいで責任取れないからな」って言われたら、じゃあ、やるしかないな、ダメだったら生きて謝ろうって腹が据わるじゃないですか。気が楽になりまして(笑)。まぁ、それほどの修羅場だったということですね。
1991年、AIを生み出し、息子を産み、語感の正体を発見しました。産みの苦しみも3倍。けど、あの年に起こった事に、その後の人生のすべてがある感じです。人生には、そんな年があるんですね。

映画『女の機嫌の直し方』公開記念 原案者・黒川伊保子先生インタビュー

―――― 物凄い面白いエピソードの数々ありがとうございました!では、いよいよ映画『女の機嫌の直し方』についてお話を伺ったいきたいと思います。

黒川伊保子先生
そうですね、ついつい、ITの方だから熱が入っちゃって(笑)。
あのね、映画を観て私がすごい感動したのは早見あかりちゃんが“リケジョ”そのまんまでした。素晴らしかった!
私は奈良女子大理学部出身なのですが、クラスメイトの一人みたいな感じでした。とてもうまく“リケジョ”を演じてくれました。と思っていて、素のあかりさんに先日お会いしたら、あかりさんは理系脳ですね。とてもロジカルで、掴みがイイです。彼女が研究者になったら超一流の研究者になると思う!

映画『女の機嫌の直し方』早見あかり

真島愛役の早見あかりさん

―――― 映画の中でそれが如実に感じられるシーンはありましたか?

黒川伊保子先生
常に淡々として穏やか。
目の前で起こっていることが全て実験、研究フィールドに立っている観察者のような感じ。だから、自分に多少の被害が及んでも「どうしてそうなの?」とか「どうしてそうなっちゃうんですか?」とかって感情移入をあまりしない。実は、私自身にも、そういうことろがあって。シンパシーを感じました。

―――― 早見あかりさんのタイプと、先生の「女の機嫌の直し方」を映画化するにあたり脚本を手掛けた蛭田直美さんの力も大きかったように感じましたが、いかがですか?

黒川伊保子先生
脚本にはびっくりしました。はっきり言って感動しました。あの理論本で、ここまで泣かせるドラマにできる!?
それで脚本家の蛭田さんと飲みにも行っちゃいました!(笑)

映画『女の機嫌の直し方』

結婚式場で巻き起こる男女のトラブルを最新AI研究をもとに解決!?

―――― 先生のアドバイスがあってのストーリーなのかなと思ってしまうくらいでした。

黒川伊保子先生
もう、全然。
映画という表現は全く違う表現なので「どうぞ!」って丸投げ。「映画のあそこの表現は私の理論じゃありません!みたいなことは一切言わないです」って。仮にそんな事があったとしても、その受け止め方がそういう受け止め方だったのかって思うだけなので。まあ、理論について台詞として語る部分が間違っている所があれば後で言うけど、って一応台本をもらったんですけど、全然、本当に。
それよりも、私のは理論なので、色がついているわけじゃないから、ある意味塗り絵の下絵みたいなものですよね。そこにこんなに…なんだろう、豊かな色合いがついて、さらにそれが動画になって、そうするとこんなに感動するんだって感じでした。
私は、映画という表現そのものに心から敬意を表しました。この経験で。
映画『女の機嫌の直し方』公開記念 原案者・黒川伊保子先生インタビュー

―――― 最後に、世の男性からすると、先生の本を読むと色々と思う所、反省する所があるんですけど、これを女性と共有して良いものかと悩むんです。例えば、彼女や奥さんとこの映画を一緒に観に行っていいものなのかどうか。加えて、一緒に行くとしたらどんな誘い方が良いですかね(笑)。

黒川伊保子先生
「女の機嫌の直し方」なんてタイトルがついていると、ねぇ。
これは是非、カップルで観ていただくと、多分手を繋いで(劇場から)出て行けるのではないかと思います。
男の人がどれだけ女性に対しての真摯な気持ちとか、生きる事に対しての真摯な気持ちがありながら、こんなに鈍感なのか。すごくよく分かる(笑)。
早見さんが先日の舞台挨拶でも仰っていましたが、この役を演じて私が思ったのは「女性も思いやりを持ってあげればいいんだってことがわかった」っていうような事を仰っていたんですけど、その通りなんですよ。
これは観に行くと、最初は「そうよ、あなただってそうじゃない!」って言いながら、男の気持ちの純情が伝わってきて、本当に最後自分の夫まで愛しくなって、きっと恋人も愛しくなってくるので、是非カップルで観ていただきたいんです。

さあ、「女の機嫌の直し方」というタイトルなのに、どういう風に誘うかですよね。
それはですね…、
「僕が時々君の機嫌を損ねるから、直し方を習いにいこうと思うんだけど、君も見守ってくれない?」

―――― (拍手!!!)プロボーズ並みですね!(笑)

黒川伊保子先生
あるいは
「女の機嫌の直し方って、僕、観ておいた方がいい?」と聞き、
「そうよ!」って言われたら、
「じゃあ、一人で行くの恥ずかしいから一緒に行ってよ」でもいいのでは?
その方が自然ですよね。「これって観ておいた方がいいかなあ…」って。

「僕は大丈夫だよね?」なんて言ったら、
「いや、見ておきなさい!!」って言われちゃう(笑)

映画『女の機嫌の直し方』は、6月15日(土)より
ユナイテッド・シネマアクアシティお台場他 全国順次公開中

■キャスト:
早見あかり
平岡祐太
松井玲奈
佐伯大地
水沢エレナ
前田公輝
朝加真由美
原日出子
金田明夫

■原 案:『女の機嫌の直し方』黒川伊保子(集英社インターナショナル刊)

■監 督:有田駿介
■脚 本:蛭田直美
■脚本協力:横澤夏子
■公式HP:http://kigen-movie.official-movie.com/

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