映画「黒い乙女A」主演・浅川梨奈さんインタビュー

浅川梨奈さん【インタビュー】
映画『黒い乙女A』主演

今年公開・放送予定の作品がすでに10本を超え、話題沸騰中の実写映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ 』でもメインキャストとして出演するなど2019年大注目の女優・浅川梨奈(あさかわ・なな)さん
数々の謎を残し、多くの観客から物語の続きを切望されていた前作黒い乙女Q(現在好評DVDレンタル中)のアンサー作品黒い乙女Aが8/16(金)からシネマート新宿・心斎橋にて公開中です。
今回は、前作以上に葛藤し苦しむ主人公の芽衣を見事に演じきった浅川梨奈さんに、芽衣の行動や表情の裏側にある感情を丁寧に打ち明けていただきました。

映画「黒い乙女A」主演・浅川梨奈さんインタビュー

―― 『黒い乙女Q』では“渾身の叫び”で恐怖を演出されましたが、今回『黒い乙女A』で意識したポイントを教えて下さい。

浅川梨奈さん
まず、『黒い乙女Q』が全部完成した後に『黒い乙女A』を撮影したわけではなくて、QとAを続けて撮影した点がちょっと新しいというか、初めての経験でした。
ストーリーとしては、Qと同様にAの前半は何も知らない女の子(芽衣)が色んなことに巻き込まれていくんですけど、後半は色々と展開が変わってきて、まさにドンデン返しになるんです。
様々な展開がある中で、芽衣が何故か急に不思議な能力を発揮するようになるのです。その点について、私もそうですが、監督も「どのタイミングで発揮するようになったのか、イマイチ僕も分からない」って仰っていたぐらい当初フワッとしていたんです。でも、監督と私の中では何となくその場所は一致していたんです。

それが“ゾンビ少女”とのシーンなんです。大人になるにつれて色々と心を閉ざしてしまったものが、そこでまた開花していくきっかけになるんです。
自分の中でもイメージをもっていたので、能力を発揮するようになってからは、ラナには“ゾンビ少女”のような子になって欲しくない、恨みだったりとかもあるけどそれよりもラナを救ってあげたい、操られているラナを救ってあげたいという気持ちを大切にしていました。
同時に、宇田夫婦への仕返しについては“ラナのため”みたいな気持ちでやっていて、“どうにか和解したい”、“どうにか分かり合いたい”という気持ちを大事にしながら演じていました。あとは半分疲労ですね(笑)
疲れがいい感じに眼に反映できていて、うつろな目とかはもちろん意識しながらも、いい感じに“あ、疲れてるな”っていうのがあるかもしれないです(笑)

―― 決して疲れている目だな、とは感じませんでしたよ(笑)きちんと、その場そのシーンを演じられていると感じました。

浅川梨奈さん
色々なことを思いながらやっていたし、後は憎しみとか、自分の過去、何か忘れていたものを、“ゾンビ少女”によって、自分のことも他人のことも思い出すような感覚でした。
また、自分(芽衣)の母親と佐藤監督が演じていた“男”にされたことだったり、大事にされなかったという育ちが、やっぱり宇田夫婦に対する憎しみに変わった所なのかなと思います。
実の親と宇田夫妻とをどこか比べてしまったような所はあるのかなと思います。じゃなかったら、あの二人にあんなむごい仕打ちをする理由はないので、やっぱり芽衣が自分の過去とどうしても照らし合わせてしまっている所はあるのかなと思います。

―― 監督が演じる“男”からの仕打ちに対して芽衣ちゃんは本当に何も感じていなかったのか?と少し疑問にも思ったのですが、むしろ大事にしてもらえなかった悲しみ、辛さの方が芽衣ちゃんにとって大きな問題だったのですね。

映画「黒い乙女A」主演・浅川梨奈さんインタビュー

浅川梨奈さん
私はそういう風に捉えていました。超人的な設定もあるものの、“男”からの仕打ちについて痛くないってことはないはずで、少女時代の芽衣ちゃんの表情もゆがんでいたし、痛いけど、嫌なんだけどそれを感じることすら出来ない苦しさだったり…。あとは、自分(芽衣)が殴られていても、それでも“ミコト様”って言って倒れた置物の方に気を遣っている。つまり、母親が心配するのは自分じゃない、そういう所での孤独だったりを昔から抱えていた子なんだなと思いました。

―― お話を聞いていて、芽衣ちゃんが抱えている感情がかなり具体的に伝わってきました。

浅川梨奈さん
この作品は想像するところが多いと思うんです。この後どうなるんだろう?もそうだし、何でこうなったんだろう?とか。だからほんとにいろんな正解があると思っています。
観て下さる方がどう感じ取って頂けるのかっていうのと、佐藤監督自身も予期していなかったところで現れたモノだったり、コトっていうのも凄くあったということなので、観て下さっている方が想像したものも一つの正解なんじゃないかなと思います。

―― ところで、北香那さん演じるラナの高圧的な場面が沢山ありました。ちゃぶ台返しのシーンでは動作も早かったし、怖くはありませんでしたか?

浅川梨奈さん
そこに関しては物凄い信頼感の上でというところと、あそこに関してはむしろ当たって怪我するぐらいの方がいいんじゃないか、と個人的には思っていました。だから、特に何も気にせずお互いにやっていた感じがします。

―― 激しいラナに合せるのは難しくはありませんでしたか?

浅川梨奈さん
イヤッ、全然!“このタイミングでやろう”とかを考えていたわけではなく、芝居の流れで自然に出来ました。

―― おたふく様が何か(秘密です!)を抱えていました。意味深なので続編として“つづく”のかな?と思いました。

浅川梨奈さん
イヤッ、あれも舞台挨拶で知ったんですけど、美術さんがそれを持って来たんですよ。「あります!!」ってやたらとプッシュされたから「まあ、抱かせようか」って抱かせただけらしいんです。特に意味はないというのを聞いて、私たちも「ああ、そうだったの…」ってそこで知るという。
まあ、結果的に恐怖心を植え付けられる点とか、どういうことなんだろうと思わせる点で、監督的にもそこで抱かせて良かったと仰ってるんですけど、何か特に意味があった訳でも、続編を意識していたわけでもなかったらしくて、それが一番の衝撃でした(笑)
「そこにあったから抱かせた」って。

―― 次があると期待が膨らんだのですが…。

浅川梨奈さん
次に繋げられるかもしれないし、それがどういう意味なのかって想像させられるから、プラスではあると仰っていました。

―― ところで、宇田夫妻への復讐についてもう少し聞かせて下さい。

浅川梨奈さん
私、完成したものを観て改めて思ったんですけど、その時も当然思いながら演じていたものの、映像として観て凄く思ったのは、三津谷さん(母さん)に対しては復讐に関する具体的な描写は描かれていないんです。
芽衣が自分で手を下すわけではないというか、自分の意思であたかもやっているように操るという所で、そういう能力があるとはいえ、直接手を下すわけではないというか、そこにも凄く意味があるなと思います。
幼少期は直接手を下しているわけじゃないですか。灰皿とハサミとで手を下しているというところの変化。そこが、幼少期は凄く強い憎しみがあって、だけど、あの宇田夫妻に対してはもちろん憎しみはあるけど、(実の親として)投影しているところもあるから自分で手を下してもらうじゃないけど、ラナを助けなきゃいけないからそんな時間もないんだよ、という点なのかなと。

映画「黒い乙女A」主演・浅川梨奈さんインタビュー

―― ラナとのじゃんけんのシーンがありますが、どのように受け止めたらよいでしょうか?

浅川梨奈さん
あのシーンは、確か、最初はじゃんけんを3回ぐらいして普通にラナが負けて、みたいな台本だったんです。だけど、じゃんけんをやっていくうちに、現場でシーンが変わっていき、じゃんけんの回数も増えていったんです。
じゃんけん自体がストーリーの最初から一つのポイントでもあるんですけど、じゃんけんの意味合いが最初と変わった点もあるんです。
お互いにずっとパーを出しているってところで、だって、勝とうと思えば勝てるけど、やっぱり“今まで積み重ねてきた友情が本物だって信じたい”という二人の気持ちに変わっていって、お互いにずっとパーを出し続けてっていうのは、お互いにお互いがこっちに来てくれないかという願望を込めて、ずっとパーを出し続けているわけです。

その決着がついた後の二人の愛だったり、二人の反応という所に割と全てが詰まっている…。今までの友情を信じたいし、大事にしたいし、これからもずっと一緒にいたかったけど、お互いに分かり合うことが出来ない…。そのもどかしさ、悲しさ、悔しさがお互いに強くあっての決着なのかなと思うんです。
もう二人ともほんとにずっと泣いて、ボロボロと泣きながらやっていました。元々はあんなに涙を流すシーンではなかったし、あんな気持ちになると思ってなかったので、現場で監督と北さんと私と3人で色々お話をしながら出来てあがったものだと思います。

―― 二人の心が通じあったシーンでしたね。

浅川梨奈さん
分かり合いたいと言ったらいいのか、ラナはラナで一緒に世界を救いたい、芽衣ちゃんと一緒に救いたい。芽衣は芽衣でそんなことをするんじゃなくて、これから一緒に生きていきたい。どちらの選択も出来た訳で、ただその中で一方がもう私はそうはなれない、そっちには行けないっていうので、決着がついたシーンになっています。

―― とても深い意味のあるシーンですね。

浅川梨奈さん
じゃんけんは(台本の)倍以上、10回ぐらいやったんじゃないでしょうか。
じゃんけんポンの間も、最初ジャーンケーンポンってやってるのに、段々お互いにお願いだからっていう気持ちから、じゃんけんの出し方も変化しているんです。
あそこでお互いの気持ちが一つになったところでもあり、一つになり切れなかった悲しいシーンでもあります。

―― ところで、演技をしている上で、特殊能力を身に着けたからには気持ちとしてはアクションに走りたくなるものですか?

映画「黒い乙女A」主演・浅川梨奈さんインタビュー

浅川梨奈さん
何だろう、この作品で特に殺したいとかは思わなかった。やっぱり芽衣として、過去は過去にせよ、幸せってものを願っていたというのはずっとあって。孤児院の中でもずっと孤独だった自分に親が出来て、姉妹が出来て、その姉妹がメチャクチャ趣味も合うし、息も合うし、誕生日まで一緒で運命的な出会いを果たした。そんなことはきっと今まで一度もなかった、感じたことがなかった幸せが、もしかしたらこれなのかもしれないっていう風に。
台詞でも劇中でも「芽衣ちゃん幸せ?」って言われて「幸せかなぁ?」って未だ疑問があるみたいな台詞があるんですけど、今まで幸せって感じたことがないから、分からないけど、多分これを幸せって言うんだろうなって。そう思いたいなっていう気持ちが強くあったので、多分誰に何をされても言われても信じたいし、幸せだって思えてたその時間を信じたいという所はあるんだろうな。

―― ホラーというジャンルにしては、聞けば聞くほど芽衣ちゃんの人間性が浮かび上がって来るなんて、とても意外です。

浅川梨奈さん
やっぱり芽衣ちゃんは、一本筋が通っている子なんだなって。

―― 一瞬、別人格として覚醒しそうになり、ラナによって正気に戻るシーンがありました。

浅川梨奈さん
劇中でラナちゃんが言ってるみたいに「あの子も目覚めそうです」といったシーンがありました。幼少期の記憶が段々戻りつつあるっていう。例えば、Qの方でお弁当を食べてたら、鼻血出した“男”が手を振ってるみたいなシーンがあったじゃないですか。あの時はまだ誰のことか、何のことか分からないといった気持ちでいるんです。でも、あの宇田夫婦の家庭に出会ってから段々と色んなことを思い出してるんだけど、思い出し切れていないっていうような感覚。
4人が立っているところでもびっくりするけど、多分あの時に「あ、自分が復讐した人だ」っていう認識は全くなくて…。ただ人が立っている、怖い、でもさっきいなくなったはずのお父さんお母さんもいるみたいな気持ち。あの寝室で急にフッと(別人格に)なるところは、守りたい幸せっていうもの、個人的には本当に守りたいものが壊れてしまう、というところが大きかったと思っています。

―― ホラーというテーマ性にも叫びと言う技術を考慮しつつも、登場人物の人間性をとても大事に演じていらっしゃるんですね。最後に映画ファンにメッセージをお願いします!

映画「黒い乙女A」主演・浅川梨奈さんインタビュー

浅川梨奈さん
まず『黒い乙女Q』が既にレンタルを開始しているので、是非、お店で借りてきたり、配信もあるのでご自宅で観てみて下さい!
その上で、『黒い乙女A』を観ていただけると、Qの方で割と平凡な日常が描かれている部分が大きいけど、その平凡な日常が描かれているからこそAがより恐ろしくなるし、Aの裏で何があった?みたいなところに恐怖心や人間の怖さみたいなものが詰まっていると思います。凄く面白い作品になっていると思いますし、両方を見比べて欲しいなと思います。

ホラー映画が苦手な方でも、お化け的な怖さでは決してないし、人間的な怖さだからこそ観やすい部分もあると思うので、是非沢山の人に観ていただけたら嬉しいです!!

浅川梨奈さん
【フォトギャラリー』

「黒い乙女Q」全国のレンタル店でDVD好評発売中!


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「黒い乙女A」シネマート新宿・心斎橋にて公開中!

■あらすじ
裕福で優しい宇田家に引き取られ、同い年のラナという少女と共に養子に迎えられた孤児の芽衣。
ラナの発案の元、自分たちを裏切った宇田家夫妻を殺害したラナと芽衣であったが、全てはラナが仕掛けた嘘であった。
囚われの身となってしまった芽衣であったが、この屋敷には多くの謎が隠されている。
お多福の仮面を被った謎の少女の亡霊やゾンビと化した少女など、芽衣の想像を絶するほどの謎と恐怖が次々と襲ってくる。
だが、本当の恐怖は芽衣の過去を遡る事で明るみとなるのであった…

出演:浅川梨奈
和田聰宏 三津谷葉子 しゅはまはるみ 村松 利史
安藤なつ(メイプル超合金) 笹野鈴々音
北 香那

脚本・監督:佐藤佐吉
製作・配給:AMGエンタテインメント
制作プロダクション:ラインバック
(C)2019AMGエンタテインメント

渾身の“叫び”を体感しよう!
映画『黒い乙女Q』
主演・浅川梨奈さんインタビュー

映画『黒い乙女Q』主演・浅川梨奈

浅川梨奈3rd写真集 Re:Birth
20歳を記念してグラビア集大成となる3rd写真集「Re:Birth」9月26日発売(講談社)

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