Vol.1「プライベート」編に続いて今回の Vol.2 は、松本若菜さんの趣味の一つでもある“映画鑑賞”についてご紹介いたします。
取材時に観たおすすめ作品として『アメリカン・アニマルズ』と『ドント・ウォーリー』、女優として影響を受けた大切な作品『オアシス』についてお話していただきました。女優として活躍されている松本若菜さんならではの感動ポイントも必見です!

新感覚エンターテインメント!『アメリカン・アニマルズ

映画『アメリカン・アニマルズ』

© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018

この映画は、アメリカで最初に作られた有名な鳥の絵の画集を 4 人の大学生が図書館から盗み出した事件を題材にしています。事前情報をあまり入れずに観て驚いたのは、当時大学生だった彼らが、インタビュー形式で実際に登場していることです。実話に基づいた映画で、物語部分では俳優が演技をしているんですけど、所々に実際の主犯格の男の子が登場し、2 番目に誘われた子、3 番目、4 番目といった感じで登場してくるんです。さらに、画集が置いてあった特別室には、いつもおばさんがいるのですが、そのおばさんも実際の方が出演しています。彼女は特別室の鍵を持っていて、彼らに拘束されてしまい「あの時は本当に恐かったわ」みたいな感じで当時を振り返ったり。

インタビュー以外にも、主人公が車に乗っていて、ふと車の外を見たら、本物の主人公が立っていて、ジーッとこちらを見つめていたりするんです。それが何を訴えかけているのかは、 こちらの見方次第だったりもすると思うのですが。そして、エンディングも非常に印象的でした。

映画『アメリカン・アニマルズ』

© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018

人を殺めたりしていないし、そもそも 4 人は真面目な人間だから凄く反省もしているし、過去の話だからみんな主張が食い違っていることもあるし。

本当に観る人によって、「ええっ??」って思う人もいれば、私みたいに「あぁ、なるほどね。こういう映画の作り方って初めてかも!」と感じる人もいると思います。ノンフィクションの作品も色々と観ていますが、今までにない切り口だと思ったし、感動というか、新しい感覚のエンターテインメント体験でした!

マイベスト映画は韓国の『オアシス


素晴らしい作品は本当に沢山ありますが、私が常にイチオシしている作品が韓国映画『オアシス』です。観た時の衝撃と、観終わった時の感情を掻き毟られた感覚…。何日も引きずってしまうような作品ですが、是非、沢山の方に観ていただきたい映画です。元気な時に(笑)。

社会に馴染めないまま大人になった男性ホン・ジョンドゥと重度の脳性麻痺のある女性ハン・コンジュのラブストーリーなのですが、二人ともすごく心がピュアなんです。

ジョンドゥがコンジュを街に誘い出してデートをしたりするんですけど、周りの目は冷ややかで、その上、女性は家族からもいいように利用されているんです。例えば、国からの支援を受けて障害者向けのマンションが借りられるけど、彼女の親は審査が入る日だけそこへ連れていき、普段は別のボロボロのアパートに住まわせているとか。

そんな境遇の中、彼女が唯一楽しみにしていたのは、手鏡を光に当てて天井に映し出し、それがちょっとずつ動いて蝶々になったり、鳩になったり、その妄想を楽しむことでした。一方では、夜になるとアパートの外にある木の陰がすごく怖くて、何かその陰が自分に襲いかかってくるんじゃないかと怯えている。そういう毎日を過ごしている中で、時々、彼女が健常者になるんです。それも妄想なのですが、彼と一緒に街を歩いたり、ダンスをしたり。

女優・松本若菜

とにかく出演しているキャスト陣の芝居の熱量みたいなものが圧倒的で、1 番衝撃だったのが、電車に乗ってデートに出かけていくシーンです。向かいの席に座っているカップルの彼女が、彼氏に向かってペットボトルで頭をコツンと小突くんです。それを脳性麻痺のコンジュが見ているのですが、カメラが彼女に戻ると健常者になっていて、ジョンドゥと頭を小突いたりして。それをワンカットで撮るんですけど、今思い出しても凄くて、その女優ムン・ソリさんの演技が忘れられないです。

1 年間実際に脳性麻痺の女性に演技指導を受けたようで、顔も歪めていたりするのですが、健常者に戻った時に一人の女性としてすごく楽しそうに彼と無邪気にしているその姿が物凄く美しいし、可愛らしいんです。演技としてあまりにも魅力的でしたし、しかも、ワンカットだから本当に数秒の演技なんですよね。それを観た時に、ちょっと嫉妬も芽生えたりしましたが、とにかく圧倒させられました。

人との出会いによる主人公の変化は必見!『ドント・ウォーリー

© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

ヒューマンドラマが好きなので『ドント・ウォーリー』もとても印象的でした。実話を元に作っている作品で、どうやったら人間が人間を許して生きられるのかを問う人間ドラマです。

アルコール中毒だった主人公・キャラハンが友達と一緒にお酒を飲みまくり、挙句の果てに事故を起こしてしまうのです。運転をしていた友達はかすり傷で済んだのですが、同乗して いたキャラハンは首から下が動かなくなってしまいます。実在するアメリカの風刺画家の方なのですけど、頑張ってリハビリをしていき、手も動かせるようになって、両手でペンを持つことで描けるようになる。その風刺画家になっていくまでの物語もそうなんですが、アルコール中毒を治していくまでのお話も一緒に連動していきます。

アルコール中毒を治すために、同じようにアルコール中毒に苦しむ人たちが参加するカウンセリングに通って、「今日は何日目ですか?」「お酒を飲まなくなって 1 年半が経ちました!」とかそういう会話のシーンがあったりするんです。いくつかのフェーズがあって、まず一番最初はお酒を断つところ、次は自分がどうしてお酒を求めるようになってしまったのか、そういう風にちょっとずつ段階を踏んでいくんです。そして最後に、どうして自分がそうなってしまったのかということに対して、自分を許す前にまず他人を許してあげるみたいなところに辿り着くんです。

そこで、ずっと心の中にあった運転していた友達、アイツが運転さえしなければ自分はこういう体にならなかった…という気持ちと向き合う。だけど友達もずっと悩み続けていたんです…。その友達に会いに行くシーンはとても感動しました。

© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

物語が始まった時のキャラハンは絶対にそんなことが出来るタイプじゃないんです(笑)。そんな彼が人間と人間が出会うことによって少しずつ性格も変わっていき、自分の周りの環境も変化し、人間として成長していく。そうやって人と人との繋がりが何かを起こすみたいな映画は私は好きです。

「考え方が一つ変わるだけで、こんなにも前向きに生きていけるんだ!」とか、映画からはそういう生きていくためのヒントを貰っています。


作品には色々な側面があり、受け止め方次第で色々な感じ方が出来ます。松本若菜さんの感動ポイントをお聞きしていたら凄く伝わってきましたし、是非鑑賞したいと思いました。
いよいよ、次回は松本若菜さんの出演作について伺いましたのでお楽しみに!

■松本若菜さん最新情報
佐々部清監督作品『この道』9月4日(水) Blu-ray&DVD 発売!

【Amazon.co.jp限定】この道 豪華版(非売品プレス付) [DVD]

■この記事で紹介した作品
『アメリカン・アニマルズ』

【Amazon】アメリカン・アニマルズ [DVD]
『オアシス』

【Amazon】オアシス デジタルリマスター版
『ドント・ウォーリー』

【Amazon.co.jp限定】ドント・ウォーリー[DVD](ポストカード付き)

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