「壊して生み出す役者になりたい」映画『下忍 赤い影』主演 寛一郎さんの野望【インタビュー】

映画『下忍 赤い影』寛一郎

「壊して生み出す役者になりたい」
映画『下忍 赤い影』主演 寛一郎さんの野望
【インタビュー】

キングダム』で鮮烈なアクションを魅せた坂口拓氏率いる日本最高峰のアクションチームと、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『菊とギロチン』で数々の新人賞を受賞した実力派俳優の寛一郎さんが初タッグを組んだ本格忍者アクション『下忍 赤い影』が10月4日(金)より、シネマート新宿ほかにて公開を迎えます。
幕末の江戸、忍者組織の最下層である「下忍」の末裔でありながら、あの勝海舟にスカウトされ「江戸に嫁がせた薩摩藩の姫・静を奪還して国に送り戻せ」という密命を授かる竜を演じた寛一郎さんに、本作の見所やアクションシーンの撮影についてたっぷりと語っていただきました。

―― 臨場感のあるアクションを楽しませていただきました。撮影を終えて、感想はいかがですか?

映画『下忍 赤い影』寛一郎

主人公の竜役・寛一郎さん

寛一郎さん
大変でした(笑)。梅雨の時期でしたし、アクションも沢山ありますし、決められたスケジュールの中で撮り切らなきゃいけないという、いろいろと制限された中だったので。いや~~、終わったなって(笑)たいていの作品はそうなるんですけどね。

―― むしろ安堵感という感じですね?

寛一郎さん
(無事に)終われて良かったなって。最後の日も、皆、厳しいスケジュールの中、ほぼ徹夜の撮影でした。

―― アクションとはいえ、俳優さんとしては汗も抑えなければならないとか、ありますよね?

寛一郎さん
汗かかないんです。

―― え!かかないんですか?

寛一郎さん
元々かかないです。生まれながらに、ただ単に代謝が悪くて。

―― それこそ俳優さんとしてこの世に生まれてきたような…(笑)

寛一郎さん
そう言われるとそう聞こえるかもしれないけど、ただ単に不健康なだけだと思います(笑)。
実際には、暑さよりも湿気だったり雨とか、そっちの方(が大変)でしたかね。

―― 今回は坂口拓さんがアクション監督でした。演技指導はかなり厳しかったのではないでしょうか?

寛一郎さん
坂口さんは物凄く優しかったです。
本当に強い人で、凄い力を持っているというのは分かっているのですが、持ち前の“気さくさ”と“胡散臭さ”が相まって、結果としていい意味でも悪い意味でも胡散臭い人に見えちゃう(笑)
本当に凄い人なんですけど、なんか胡散臭く見えるっていう、それも多分坂口さんの魅力なのかなと思います。

―― そこから醸し出す雰囲気で、皆さんの演技をサポートしているってこともあるのでしょうか?

寛一郎さん
なんか、楽しかったですよ。

―― 指導してもらっても、やり難かったり、初めての経験なので逆に面白いなとか、具体的にはどんな感じだったのですか?

下忍 赤い影

寛一郎さん
元々、アクションはやってみたいなと思っていました。勿論ケンカとかじゃなく、ちゃんとした刀とかを使うので、そこはちゃんと撮影前に練習させていただいて、ケッッコウ本当に難しいけど、すごい楽しかったです。メチャクチャ好きですねアクションは。
ただ、完成したものを見た時に「うわぁ~、全然動けてね~なぁ」とか、(自分の演技を)見て初めて分かるものもありました。でも、沢山のチームの人たちが本当に一生懸命教えてくれて、本当にみんな素晴らしい人達でしたし、初アクションがこの方々で良かったなと思いました。

―― ワイヤーアクションの様な派手なものをあまり使われてないなとも思いましたし、その分スピーディに動きを出さなくてはならないのは大変ではないかと思っていました。

寛一郎さん
使ってないですね。
僕はワイヤーアクションをやりたいわけじゃないし、かといって控えの人にやってもらうのもあんまり好きじゃないので。全部自分たちでやれたのは凄く良かったです。
そして、結木滉星くんですね。ずっと一緒に練習してきて、ずっと殺陣(たて)でのコミュニケーションをとっていましたし、彼とはやり易くて良かったです。

―― お二人のラストシーンが一番盛り上がりました。

映画『下忍 赤い影』

寛一郎さん
元々、滉星くんと僕が闘うシーンは撮影前から練習をしていて、だいぶもう入っている(気持ちも動きも出来上がっている)状態で、その日に入れられるもの(演技)もあったりはしたんですけど、(坂口)拓さんが、ふと「最後のシーン、ワンカットにしちゃおうか」みたいなこと、いきなりワンカットでやるってことを(本番の)2日前ぐらいに言いはじめて…。

―― 2日前にですか?

寛一郎さん
そうなんです、「マジですか?」と。そこで「できないです」とも言えないんで、ビビリながらも「了解です」って。滉星くんと「やばいだろワンカット。俺ら全然アクションやったことないし」と。殺陣というか刀を二人で使うものは初めてだったので。
結構長回しでやるっていうので「入るのかな?」とか言いながら、当日にその振付が全部できて、当日に入れてもらって、メチャクチャ楽しかったです。アクションの中で一番楽しかったです。
今回やっぱり、滉星くんとの闘いは全部身体に入っていましたし、次にどう来るのか分かっていたんですけど、その時ばかりは5分ワンカットのアクション、(寛一郎さんのシーンではないところで)結構ミスっているんです。

―― エッ?気付きませんでした。

寛一郎さん
パッションで乗り切るしかないなと(笑)。ここで俺がミスったらまた一から撮り直しだなと思いつつ、5分ワンカットのアクション、僕はワンテイクしかやってないんです。あれ一発で。
僕のシーンに来るまでに何回かミスってたんですけど、僕のシーンで爆弾を投げたらもう(爆弾の)替えがないだろうなって、そこからもうミスれなくて。そんなワンカットアクションは本当に思い出に残りました。

―― それに、竜(役:寛一郎さん)が持っている武器の丈は短いじゃないですか。それを盾として、敵は刀でやって来ます。あの武器を操るのはとても難しかったのではないですか?

寛一郎さん
イヤ、刀の方がメチャクチャ難しいです。このぐらいなんですよ、“くない”って。ほとんどパンチと変わらないんです、切るんですけど。刀の長さとかは普段使っている人だったら分ると思うんですけど、距離感も分からないし、振り回し方も分らないんです。
“くない”の方がまだ自分の身体に馴染んだ感じがして、最後“くない”で良かったなって。
※くない:鉄製の爪状になっている両刃の道具

スタントマンの皆さんもワンカットの時に来てくれて、皆さんプロなので、ミスってもカバーしてくれる。本当に助けられました。
結構ミスがあるんですよ、沢山。それを面白がってやってくれていました。

―― ところで、趣味でスポーツって何かしていらっしゃいますか?

寛一郎さん
してないです。身体動かすの嫌いなんです(笑)

―― エーッ!身長も高いし、色んなスポーツでかなりの腕前を発揮されるのではないかと、、、

寛一郎さん
いやぁー。休みたいですよね(笑)
でも、今回アクションをやって、“身体動かすの好きじゃない、好きじゃないって言ってるけど、意外と嫌いじゃないんだな”っていうのは感じました。

―― 話は忍者に変わりますが、忍者って、中々イメージらしいイメージがないじゃないですか。忍者を実際演じてみて、忍者ってこうなんだ!みたいな驚きはありましたか?

映画『下忍 赤い影』寛一郎

寛一郎さん
忍者を調べると、あんまり残ってないんです。忍者の記録が残ってたら忍者じゃないのかもしれないけど。“めんどくせーな、忍者”(笑)って思いながら、でもあくまでフィクションですし、これはリアリティを求めた作品でもなかったので、まぁ忍者ってこうなんだろうなとか。あんまり忍者っぽい忍者の映画ではないと思います。もしかしたら、いいフィクションだと思うんです、そこは。
でも、自称現代忍者の坂口さんがアクション監修としてついてくれてたんで。“昔の忍(しのび)はこうやってた”とか、“ホントか?”と思いながら(笑)。
実際やってくれて「わぁ、スゲェ!!」ってなるんです。胡散臭いけど技で説得してくれる拓さんって、僕は好きでした(笑)

―― 山口監督からのデレクションはどうでしたか?

寛一郎さん
監督はシャイな方だと思うんです、多分。
撮影現場の中で(監督は)悩んでいる感じがあって、だから、監督の気持ちを汲み取って、監督のやり易いように出来れば良かったんですけど、あんまりそういうコミュニケーションはとらずに自分勝手にやらせてもらいました。
勿論、監督と最低限のディスカッションはあったんですけど、細かい部分まで話し込んだというのは実はそんなにはなかったんです。

―― ところで、山口まゆさん演じる姫・静との恋はあるのかなと期待して観ておりましたが(笑)、寛一郎さんから見た山口さんはどんな方ですか?

映画『下忍 赤い影』

寛一郎さん
山口さんは若いんですよねぇ、僕が言うのもなんですけど。18歳ですかね。
犯罪だっつーの(笑)

―― (笑)実際の年齢よりもちょっと大人に見えますよね、着物と髪型もありますし。

寛一郎さん
ちょっと大人っぽい、18歳にしては大人っぽいし、喋っていても大人っぽかったんですけど、段々打ち解けていくうちに、「ああ、18歳らしいな」という部分も見れたので、図らずとも(劇中の)竜と静の二人の関係性みたいなものは現場で作ることが出来ました。

―― 撮影は順撮りで?自然にお二人は打ち解けられた感じですか?

寛一郎さん
順撮りではなかったです。でも、大きくバラバラではなかったですし、ラストシーンから撮るとかではなかったですね。

―― どんなところで18歳らしい山口さんを感じましたか?

寛一郎さん
彼女も最初はあんまり喋らなくて、僕より多分この仕事は長いし、なんとなく現場での話し方とかも大人っぽいなと思ったんです。けど、プライベートのことを話してる時ですね、「好きな音楽は何?」とか、そこでは年齢は感じないんですけど、随所随所になんか、ジャンルが子供というか(笑)、ちょっとあどけないところがあって、彼女の中にそこを見れたのは嬉しかったです。

―― なるほど。エンディングにかけて自然に距離感が縮まっていくように見えました。
一方で、津田寛治さんとはどのような会話がありましたか?

寛一郎さん
津田さんとは、今回初めてお会いしたんです。でも、津田さんは本当に気さくな方で、凄く優しくて。空き時間は津田さんの息子さんが反抗期だという話をずっとしてました。僕にもありましたので「大丈夫だと思います」とか。「一番下の子のあだ名が津田寛治なんだよ」って。「エッ?お父さんの名前で呼ばれてるんですか?」みたいな話をして、ほとんど親子ぐらいの年齢差もありますし、そういう話で津田さんとは喋り易くしていただきました。

―― ところで話題は変わりますが、目指す俳優像という点については、どのようにお考えですか?

映画『下忍 赤い影』寛一郎

寛一郎さん
(目標となる様な)固有名詞を出すのもちょっとあれだし、そこを目指しちゃったらそこまでにしかなれないみたいなところってある。
どういう役者になりたい?んん、、、なんか、壊して生み出す役者になりたいですね。
というのは、仮に僕がこの先、アカデミー賞で主演男優賞を獲ったとします。もちろん凄いことです。でも別に、僕からしたら特に驚かないんですよ、もちろん今じゃ当然無理です。驚かなくて、、、それは親父も三國もとってきたけど。でも、それをやったところで、革命にはならない。だから、それをなんか「うわ、こいつやったな」ということを自分でも思えるし、人からもそう思われる役者になりたいなぁと思うんですけどね、っていう野望ですね、それは。
僕は、今の映画じゃ無理だと思っていて…、アナーキズムにいきたいですね、そこは。

―― 今の枠にとらわれない。

寛一郎さん
そういうことができればなと思っています。

―― ありがとうございます。
最後に、この作品『下忍 赤い影』の見所について、映画ファンに向けて一言いただけますか。

寛一郎さん
観て欲しいのはやっぱりアクションです。もちろん、ストーリーという意味では、要するに日の目にあたらない人間たちの葛藤みたいなものがあると思います。この時代で言えば新選組とか、そういった人たちがフォーカスされるけど、その裏にいた人たちはこうやっていたかもしれない。(新選組など)彼らが日の目を浴びたのは、こういう忍びがいたからかもしれない。それは今の世界でもどこにでもある。決して自分たちの力だけじゃないってこともあるかもしれない。そういう物語は別として、ただ単にアクション観て楽しんでくれたらなと思います。そういう映画なんで。難しいことは考えずに観て欲しいです。

―― この作品の次は『下忍~青い影』ですね。こちらは結木さん演じる尚の過去から始まるストーリーですが、そちらについても一言いただけますか。

『下忍 青い影』

寛一郎さん
『青い影』の方は、ストーリー性がより強いと思う。最後、滉星君がワンカットアクションを一人でやってて、大変だなっ!!て(笑)こっちでもワンカットアクションやって、一緒に闘って。『青い影』では一人でやって大変だなぁって(笑)。

―― 滉星さんに伝わるように盛り上げていきたいところですね(笑)

寛一郎さん
結木滉星いい奴ですよ(笑)ありがとうございました!!

映画『下忍 赤い影』寛一郎

衣装:シャツ¥56,000(ヨウジヤマモト/ヨウジヤマモト プレスルーム)、その他/スタイリスト私物
問い合わせ先:
ヨウジヤマモト プレスルーム
TEL:03-5463-1500
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■あらすじ
武士による統治が終わろうとしている幕末。忍者と呼ばれるものは、もはや時代遅れとなっていた。竜(寛一郎)は、忍者組織の最下層である「下忍」の末裔であるが、今や抜け忍となり江戸で暮らしている。そんなある日、竜はその出自を見抜かれて勝海舟(津田寛治)にスカウトされて密命を授かる。それは、「江戸に嫁がせた薩摩藩の姫・静(山口まゆ)を奪還して国に送り戻せ」というものだった。やがて薩摩藩からの追っ手として謎の琉球武術の遣い手・尚(結木滉星)が放たれた。追われる二人と追う男、それぞれの思惑が絡み合いながら戦いの旅が始まった・・・。

■ キャスト
「下忍 赤い影」出演:寛 一 郎 山口まゆ 結木滉星 中谷太郎 行平あい佳 PANTA(頭脳警察) 榊英雄 津田寛治
「下忍 青い影」出演:結木滉星 寛 一 郎
■ 監督
山口義高

■ 公式ホームページ
https://genin-movie.com/

■ コピーライト
(C)2019「下忍」製作委員会

「下忍 赤い影」10月4日(金)より
「下忍 青い影」11月15日(金)より
シネマート新宿・心斎橋ほか公開

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