グミモン、出ています! 映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』 田口智久監督【インタビュー】

デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

グミモン、出ています!
映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』
田口智久監督【インタビュー】

デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆
世界累計800万個以上の売り上げを記録した大ヒット携帯型ゲーム「デジタルモンスター」を原案とするTVアニメシリーズ「デジモン」。1999年に始まった第1作「デジモンアドベンチャー」は、八神太一たち8人の子どもたちと、パートナーとなるデジモンたちが、“デジタルワールド”と呼ばれる異世界や現実世界の冒険を通して成長する姿が描かれ、当時の子どもたちの間で大人気となりました。

そして2020年、20周年を迎えた「デジモンアドベンチャー」の映画最新作にして、“八神太一たちの最後の物語”となる『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』がついに公開されます。

今回は本作の監督に抜擢され絶賛制作中だった田口智久監督に、デジモンとの出会いや監督の1番好きなキャラクター、大学生に成長した彼らを描く上でのポイントなど制作現場の生の声を語っていただきました!

―――― まず、田口監督とデジモンの出会いについてお聞かせください。

田口智久監督
デジモンとの出会いというと、小学生の頃に「デジタルモンスター」という合体させて通信して遊ぶゲーム、「たまごっち」の次に流行ったアレです(笑)。5、6年生の時に学校で流行っていて、そこから入りました。

―――― それからアニメの業界に入り、今回この映画の企画のオファーを受けた時はどんなお気持ちでしたか?

田口智久監督
その前にも『デジモンアドベンチャー tri.』シリーズをやっていたので、その地続き的なところの企画なのかなとは思っていたんです。ただ、色々な話を進めていくうちにこれはこれで単独の映画として成立するような作品にしたいというのを聞いて、一本の映画として成立するような形を目指しましょう、という感じでした。
画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

―――― 脚本段階では相当話し合いが重ねられた、繰り返されたというようなコメントがパンフレットにもあります。

田口智久監督
そうですね。やっぱり20年間の重みがあるというか、育っていっているキャラクターたちと世界観なので、それをどう描くか。太一たちが大学を卒業するぐらいの歳であろう時に、彼らでどういうことが出来るんだろうなというのを、かなり話した結果がこの作品です。大人になるというのはどうすればいいんだろう、どういう葛藤があるんだろうというところから広がっていきました。

―――― 本作にはオリジナルキャラクターが二人登場して、太一たちと融合することで非常に物語が広がっていて、まだまだシリーズが続くのではと早くも期待をしてしまいました。

田口智久監督
どうでしょうね(笑)。
気持ち的には、「太一とヤマトたちの話は完結させてやるぞ」みたいな意気込みではいます。彼らの物語としては最後という位置付けで、プロデューサーの木下さんとも会話をしています。

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

―――― 大人に成長した彼らの姿を見て凄く自然に入ることが出来ました。大人になった彼らを描きつつ、デジモンの世界観を上手く引き出す上でポイントにされたことはありますか?

田口智久監督
前回の『デジモンアドベンチャー tri.』もオリジナルも、結構、お台場とかのロケーションがあると思います。そういうところは大切にしたいなと思っていたので、今回もお台場と中野と阿佐ヶ谷とかはロケハンをして、現実に近い形で街並みを再現しよう思いました。
後は、今回スーパーバイザーで関弘美さんが入っていたので、関さんが「太一はこういう言い方しない!」とか、かなり細かく台詞の調整とかもしてくれているので、そういう部分が効いてるんだと思います。

―――― 昔のデジモンの記憶が蘇ってくるような感覚もあり、そういう細かい部分のこだわりがあったのですね。

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

田口智久監督
映画の限られた時間の中で思い出していただけて良かったです(笑)。

―――― デジモンの魅力についてですが、声優として参加された松岡茉優さんは「デジモンから優しさや強さ、痛みを学んだ」というコメントを寄せてくださっています。
長く愛されているデジモンの魅力を監督のお言葉でお伝えいただけますでしょうか。

田口智久監督
改めて前の作品などを観返して思ったことは、子供向けの作品としては異例なぐらいハードな部分があるというか、ヤマトの家族構成だったりとか、諸々含めて当時多分子供たちが抱えていたんじゃないかと思う子供自身の問題意識とか、そういうものが反映されて作られているんだなと、改めて思いました。

そういうところが松岡さんが仰っている「痛み」とかそういう部分に繋がってきているのかなと思うんです。今回の映画を作るに当たってもそういうところがちょっとあるといいなと思い、そこから作っていったのがメノア・ベルッチ(CV.松岡茉優さん)というキャラクターだったりするような感じはあります。

―――― メノア自体が誕生した経緯というか着想はどの辺りから生まれたのでしょうか。

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

田口智久監督
とりあえず闘わないといけないというのが、一番の理由。ストレートですけど(笑)。
太一たちが20歳を超えて何と闘うのか、何に立ち向かっていかなければいけないんだろうと考えた時に、今更、悪というか世界を破滅させようとしてる奴らとかでもないだろうという気がしたんです。それは最初のシリーズでやっていたりしますし。

今回、“デジモンとのお別れ”というコンセプトもあったので、過去の自分たちともちゃんと決別できるというか、きっちり冒険していた自分たちともケリをつけて大人になるみたいなことができる方がいいんじゃないかなと。
メノア自身は過去と決別が出来なかった人。それが段々こじれている人。そういう人間とぶつかるのがいいかなと思っています。

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

―――― メノアの言葉で太一たちが大人になることに向き合い始める。一方で、メノアの人生も同時に描かれている。オリジナルキャラクターのメノア・ベルッチと井村京太郎にも凄く魅力を感じました!

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

田口智久監督
本当ですか?お世辞でも嬉しいです(笑)。
ゲストキャラが魅力的というか、ある種今回の主役のようにも見えてくれないと、絶対に太一たちしか目立たなくなってしまうので、そこはどうやってキャラ立てをしていくか?みたいなのは、シナリオの時も絵コンテを作っている段階からも随分と意識していました。

―――― 本作では大人に向かっていくということで、子供と大人の違いというか、もしかすると違わないことに気が付くことが大人になることなのかもしれません。

田口智久監督
そういうことかもしれませんね(笑)

―――― 田口監督が考えている大人と子供の違いについては、どのように表現していただけますか?(笑)

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

田口智久監督
大人と子供の違い…、これは非常に難しいというか、大人と子供自体がかなり抽象的な概念になる気はしてるんです。
本編でも言っているんですけど、大人になるというのは、様々な選択をしていく中で、当然こぼれ落ちてしまった可能性もあるけど、その中で自分の未来を決めていっていることでもあると思います。
でも、それを大人だと言い切るのはまた難しいところなんですけどね、考えれば考えるほど。自分のことを自分で決めたりするのはやっぱり大人…そうですね、難しいです。社会通念的な大人というのと精神的な大人というのはまた違うところもありますし、ズバッとした答えがないものなのかも知れません。

―――― ありがとうございます。監督のお考えは凄く伝わってきました。
ところで、デジモンアドベンチャーと言えばOP曲「Butter-Fly」も欠かせないと思うのですが、本作でも当初から使おうと決めていたのですか?

田口智久監督
特に、今回の映画のAパートとBの途中まで、リングが登場して物語が動く直前までは、可能な限り昔観ていた作品の雰囲気を出したいと思いました。だから、進化のシーンも昔のままです。

―――― 進化のシーンは冒頭の部分からアグモン、グレイモン、メタルグレイモンと続き、ファンは間違いなく気持ちが高ぶりますよね。

田口智久監督
そうですよね、絶対に!あそこで別のものを見せられても、何だかなみたいになるだろうなって(笑)。これが20年間の重みじゃないかなと思いました。
デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

―――― 20年間の重みがあり、20周年の節目の映画になるわけで、プレッシャーも相当あったのではないでしょうか?

田口智久監督
20周年の冠が付くのか、とは思いました(笑)。
話をもらった時から、歴史のある作品をやる時というのはプレッシャーが、、、プレッシャーしかない。
ただ、あまり遠慮するというか、忖度し過ぎると、それはそれで良いことにはならないだろうと思ったので、プレッシャーが多いながらも自分のやりたいこと、こういうことやりたいんですというのことは率先して言わさせてもらいました。

―――― そんな監督に忖度なしに正直にお答えいただきたいのですが(笑)、キャラクターや選ばれし子どもたちの中で、監督が一番お好きなキャラクターを教えてください。

田口智久監督
「テリアモン」です(笑)。『デジモンアドベンチャー02』の映画に登場したキャラクターで、そこではグミモンでした。

―――― お好きな理由は??

田口智久監督
か、か、可愛いからです(笑)。
『デジモンテイマーズ』ではレギュラーの座を獲得して、「無問題(モーマンタイ)」ってずっと言っているのが愛らしい奴だなって。
デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

―――― 可愛いとかカッコいいが一番ですよね。実は本作にもチョロっと登場してはいないですよね?

田口智久監督
出ています。
本当にスクリーンに小さく。ちゃんとグミモンとチョコモンが出ています(笑)。
デジモンの映画の中では『デジモンアドベンチャー02』が一番好き、素晴らしい作品です。

―――― 是非ファンに探していただきたいですね!
今回、作っていく中で難しかった、議論が分かれた部分というのはあったのでしょうか?

田口智久監督
物語の結末とか顛末自体は最初の段階で決まっていたので、お話作りでメッチャ苦労したことはないです。
ただ、「こいつが犯人だろう」というのが丸見えでは困るので、シナリオ段階で脚本の大和屋さんにお願いをして、ミスリードできる奴がいた方が良いとキャラクターを加えてもらいました。
だけど、どうしても犯人はそれなりに怪しく見えちゃう(笑)それを「ひょっとしたら、あいつが犯人って可能性もあるな」って言う風に見せなきゃいけないと思ったので、その辺をどう動かすと効果的なのか、あれ怪しく見えます?

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

―――― 「アイツを追え!」となった時に「そうだよね」という気持ちで、「選ばれし子どもたちと一緒に暴いてやろう!」という気持ちになりました。

田口智久監督
じゃあ、ダイジョブです!
後は『02』のメンバーを出したかったので、それをどう活躍させるか。流石に独立したゲスト出演、ポッと出みたいな感じにならないように、何とか本編の太一やヤマトたちのラインにも絡めつつ、かつ合流しちゃうとそれはそれで話が複雑になっていきそうだったのと、今回はあくまでも太一とヤマトが主役で、そのW主演は決まっていたので、その脇というか、別ラインでかつ目立つというか、活躍できるにはどういう方法があるのかは結構模索しました。

―――― 主役の太一とヤマトが焼き肉を食べながらビール飲んでるシーンもグッときますね!

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

田口智久監督
あれは花江さん(花江夏樹さん)と細谷さん(細谷佳正さん)の演技も合わせて凄い大学生っぽい(笑)。メチャクチャリアル!

―――― 最後にデジモンファンから今回初めて劇場で観たいと思っているファンまで、公開を楽しみに待っているファンに見所も含めてメッセージをお伝えください。

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

画像,デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆

田口智久監督
最初のデジモンアドベンチャーからの地続きな作品なので、それを知った上で観てもらうのが一番話にも入りやすいでしょうし、でも、キャラクターが分からなくても映画を観ているうちに「こいつはこういうキャラなんだ」と分かるようには作ってきたつもりなので、初めて観る人でも楽しめる作品になっていると思います。肩ひじ張らずに、いちげんさんお断りなんてこともないですし。

「別れ」というところが一つ大きなテーマで、普遍的なテーマを扱っていると思いますので、その辺りも含めてしっかり観てもらえる作品になっているんじゃないかなと思います。

―――― ありがとうございます!!


2.21.FRI
デジモンと共に歩んだ、全ての“子どもたち”へ

■予告動画

■キャスト
花江夏樹 細谷佳正 三森すずこ 田村睦心 吉田仁美 池田純矢 榎木淳弥 M・A・O 坂本千夏 山口眞弓 重松花鳥 櫻井孝宏 山田きのこ 竹内順子 松本美和 徳光由禾 片山福十郎 ランズベリー・アーサー 朝井彩加 山谷祥生 野田順子 高橋直純 遠近孝一 浦和めぐみ
小野大輔 / 松岡茉優
■スタッフ
原案:本郷あきよし
監督:田口智久
脚本:大和屋 暁
キャラクターデザイン:中鶴勝祥
デジモンキャラクターデザイン:渡辺けんじ
総作画監督:立川聖治
音楽:富貴晴美
スーパーバイザー:関 弘美
オープニング曲:和田光司
挿入歌:宮﨑 歩
エンディング曲:AiM
アニメーション制作:ゆめ太カンパニー
配給・宣伝:東映
製作:東映アニメーション ©本郷あきよし・東映アニメーション
公式サイト:http://digimon-adventure.net/
公式Twitter:@Digi_advntr20th
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