映画『星屑の町』小宮孝泰さん、渡辺哲さん、でんでんさん、有薗芳記さん、菅原大吉さん【インタビュー】
のんさんは国民的なスター!
―――― 初演から25年が経過していますが、94年に下北沢ザ・スズナリでやった時のことや当時の稽古のことは覚えていますか?
でんでんさん、渡辺哲さん
大体覚えていますよ。
小宮孝泰さん
お客さんが物凄い来ちゃった。スズナリは150人ぐらい入るのですが、最初は50人から100人ぐらい。1週間公演をして、最終日はもう入りきれないぐらい。まだSNSがない時代に口コミで。
渡辺哲さん
舞台では大きな机が一つあって僕がその真ん中に座ってそこから立たないんですよ。楽日(らくび:興業の期間の最後の日)に平田満さんが一番前のど真ん中で観てくださっていて、ずっとステージで目が合うんです。
有薗芳記さん
お客さんが溢れている中、正面に平田さんがいらっしゃるんです。平田さんも申し訳なさそうに(笑)。
小宮孝泰さん
ど真ん中の席にいかりや長介さんがいらっしゃったこともあったよね。
三木のり平先生もいらっしゃって、ダメ出しとともに朝3時まで呑みました。
有薗芳記さん
だから昔は客席の方が豪華だったんですよ。前川清さんとか、さんまさんとか。
小宮孝泰さん
戸田恵子さんも最初はお客さんでした。
でんでんさん
それほどの話題作なのに、25年経ってもね…(笑)。
―――― のんさんの役作りに関して、皆さんからアドバイスというか、お願いしたことなどはあったのでしょうか?
小宮孝泰さん
それって本来役者がそういうことをしてはいけないんです。相手役にこうして欲しいとかあり得ないです。僕らはそれを元々しないし。相談をしてこっちがいいんじゃない、あっちがいいんじゃないって言うことはありますけど。だから、起きたことに対してそのまま正しいリアクションをしていく。
有薗芳記さん
監督もあまり何も言ってなかったよね?
渡辺哲さん
言ってないね。
有薗芳記さん
現場ではほとんど指示していなかったです。
―――― のんさんが加わることに対して撮影前にイメージされていたことと、実際に作品に入っていただいた時に感じたことに違いはありましたか?
小宮孝泰さん
でんでんさんと菅原さんは元々朝の連続テレビドラマで共演して知っているから、それもあってスムーズでした。それはのんさんにもあったと思います。
渡辺哲さん
やっぱりこんなに可愛いんだって。国民的なスターですよね。
でんでんさん
良い子だって分かっていたからね。そういうくだりがあるからお互いパッと会った時に、スーッとうまい具合に出来ました。
渡辺哲さん
すぐに慣れましたね。
外で「シャボン玉」の撮影をしていた時に週刊誌が来ていて、その時にのんちゃんが来て、「ごめんなさいね」って。そんなこともありました。
小宮孝泰さん
宿命ですかね。でも、彼女がこの映画で僕らの人生を変えてくれるかもしれない。台詞にもあります。「おら、あんたたちの人生変えるかもしれねぇよ」って。お願いしますって感じです。
―――― のんさんは勿論、戸田恵子さんや相築あきこさんも素敵な演技をされていましたが、今回の女性陣に対しての印象などをお聞かせください。
小宮孝泰さん
戸田さんは舞台を見に来てくださって、「出演したいです」とラブコールをいただき、有難いですよね。2006年の「星屑の町~東京砂漠篇」に出演していただいたんです。
歌も演技も上手な方がこんなメンバーと一緒に歌っていただいて(笑)。彼女は(原作・脚本の)水谷龍二さんを尊敬しているし、こういう舞台が好きなんですよね。
有薗芳記さん
僕らの前で歌うのは大変だと思いますよ(笑)。
小宮孝泰さん
最初に戸田さんがこの舞台に出た時は、ちょっと色っぽい役で男の子を漁ったりするみたいな役だったので、水谷さんが女としての自分を書いてくれているからとても嬉しかったですと仰っていました。
今回も嫉妬したり、怒ったりする女性的なところが出ているから、喜んでいただいているのではないかと思います。
―――― 色々な角度から女性の魅力が描かれている作品ですよね。のんさんのお母さん役の相築さんについては、菅原さんとのシーンが多かったと思いますがいかがでしたか?
菅原大吉さん
初対面で、お芝居をご一緒するのも初めてでしたけど、短い時間だけどオープンにしていただいて。息子役の小日向星一君と3人で飲みに行ったりもして。凄く優しい方でした。
星一君も素直で凄く良かったです。
―――― 大平サブローさんの歌も素晴らしいですよね。
全員
物凄く上手いです!!
小宮孝泰さん
そもそも「星屑の町」をやるきっかけになったのは、水谷さんとか僕とかでんでんさんとかラサール石井さんが仲良しで、お芝居をやっていた時に、次の芝居はムード歌謡コーラスグループの話にするっていう話があったんです。それで、哲さんとか菅原くんを誘って、みんなで歌ってみたらボーカルが足りないんじゃないかっていうことになり、ある冬にカラオケ大会をやったんです。それがオーディションみたいなもんなんだけど、サブローさんにそれは言わずに忘年会だということで。
歌を聴いてみたら、「恐れ入りました!」って。
―――― そもそもコメディのお芝居というより、歌で入られていたのですね。
有薗芳記さん
そうですよ。サブローさんはこのお芝居でコメディ部門は一切やっていないです。二枚目の役ですから。
小宮孝泰さん
ステージ上では漫才をやるけど。
そういう意味では僕らが持っている持ち芸はかなり出しています。本職が本職をやっているわけです。
菅原大吉さん
ラサール石井さんとサブローさんの漫才がメッチャ面白いんです。
渡辺哲さん
今回の映画はほとんどないですが、本当はもっとあるんですよ。見事なんです。
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