映画『星屑の町』小宮孝泰さん、渡辺哲さん、でんでんさん、有薗芳記さん、菅原大吉さん【インタビュー】
普通なのがいい。深みがなさそうで、ある。
―――― 一方で、若い方にメッセージを伝えるとしたらどんなことですか?
小宮孝泰さん
幾つになっても夢を捨てるな、でしょうか。
菅原大吉さん
ホッコリしてもらえれば一番いいです。世知辛い世の中ですから。コンプライアンス的に色んなことで世知辛い。のんびりして欲しい。
小宮孝泰さん
温泉に浸かってるみたいな。
菅原大吉さん
そうね、そういう感じで安心してもらえれば。
でんでんさん
「喜劇!」っていうんじゃなくて「楽しい映画」って感じで。
小宮孝泰さん
歌も分かりやすい歌が多いので気楽に。
渡辺哲さん
普通なのがいい。
でんでんさん
仲良しグループが楽しくっていうような映画だからね。
渡辺哲さん
現場が楽しいのがそのまま映っていればね、それを感じてくれれば一番いいです。
菅原大吉さん
誰かに観せられない映画じゃないですし、誰が観てもいい映画ですからね(笑)。「絶対に観ろ」って映画でもないですし。
でんでんさん
深みがなさそうで、ある。
これが作品化されたということにもメッセージがあると思います。
菅原大吉さん
この世の中で、この時代に映画化になったことがこの作品の凄いところなんですよ。
小宮孝泰さん
普通は尖がったものが作品になりますから。
―――― 昭和歌謡をテーマにした作品ですが、昭和ももう30年以上前になります。昭和の思い出や懐かしさはございますか?
渡辺哲さん
自由でしたね。何をやっても良かった。今は出来ないことも多い。
小宮孝泰さん
「FRIDAY」もなかったですし。
菅原大吉さん
「社長シリーズ」なんかあれだけヒットした作品を観ると、セクハラの嵐でしたからね。でも面白いですからね、男は男らしくて、女性は凄く女らしくて。そういうのがハッキリしていて、そのクロスしたところが笑いになったりお芝居になったり。昭和の作品って素敵だと思いますね。
渡辺哲さん
今、あまりないですよね。
菅原大吉さん
この作品がそのテイストを幾分かは持っているんじゃないかなとは思います。
―――― でんでんさんがデビューされた頃のバラエティーの現場はどんな雰囲気でしたか?
でんでんさん
何て言うのかな。他の出演者とか、もう戦みたいな感覚でした。お笑いスター誕生の時なんかに、ダウンタウンが控え室に戻る時、負け戦の兵士みたいな感じで、次の作戦を練っていて。「スゴイなコイツら」って。採点を聞く前から「今日は負けだ、出直しだ」とか。ガチでしたね。
その代わり、本番中でも昼飯の時にみんなランチビールは飲んでた(笑)。そういうの平気だったんだよね。
―――― なかなか自分の居場所が見つけられないような所も世の中にはあると思うのですが、この業界を生き抜くために大切にされてきたことをお聞かせいただけますか。
小宮孝泰さん
この芝居の最初の頃は、そもそも先輩方もいるのに僕がリーダーの役とか、精神的に大変な部分も色々ありました。要するに、上手くやろうという意識があったんだけど、やっていくうちに気付いたり、他の作品に出演して気付いたのは、芝居に限らず人生もあまり自分を良く見せようとか思わず、「いいや、失敗したら失敗で仕方ない」って思えると、とっても気が楽になる。尚且つ、人が言っていることが良く聞こえるようになります。
過小評価したらダメだけど、なるべく自分を過大評価もせずに、良いとこ見せようとかせず、失敗を恐れずやると、それに気が付けると1番人が見えてきて、聞こえてきて、うまく動けるんじゃないですかね。逆に一番自由になれる。ダメなとこ見せたくないと思って守っちゃうと固くなってしまうので。
渡辺哲さん
委ねられるんですよ。だから楽なんですよ、「星屑の町」は。誰かが助けてくれますから。
小宮孝泰さん
このメンバーは舞台で何かを落としてしまってもみんな上手いこと拾ってくれるんです。拾える人が拾ってくれる(笑)。
菅原大吉さん
ここに出ているメンバーは、映画の中で皆好き勝手に言うじゃないですか。今そうやって言うと怒られちゃうじゃないですか。若い人たちって相手に気遣って喋っているじゃないですか。そういうのじゃなくて、本当にこうやって人と人がぶつかって、常に余裕持って。会えば会ったで仲良くやって。そういうところが今の時代にもっとあればいいのになって。
渡辺哲さん
楽になれるところがある人は幸せですよ。
■予告動画
オフィシャルサイト:hoshikuzu-movie.jp/
Twitter:@hoshikuzu_movie
キャスト:大平サブロー ラサール石井 小宮孝泰 渡辺哲 でんでん 有薗芳記 のん / 菅原大吉 / 戸田恵子 小日向星一 相築あきこ 柄本明
■監督:杉山泰一
原作・脚本:水谷龍二 製作:「星屑の町」フィルムパートナーズ 配給:東映ビデオ
©2020「星屑の町」フィルムパートナーズ
2019年/102分/カラー/シネスコ/5.1ch
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