映画『HERO 〜2020〜』西条みつとし監督インタビュー

西条みつとし監督,HERO2020
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映画『HERO 〜2020〜』
西条みつとし監督インタビュー

心温まるコメディ映画『HERO 〜2020〜が本日6月19日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次公開中です!本作は2年間限定の恋をめぐる大騒動の物語。果たして、“秘密”を抱えた主人公広樹(役:廣瀬智紀さん)の固い決意を変えさせることができるのか?

監督・脚本を務めるのは、国内外の映画祭で絶賛された斎藤工の初長編監督映画『blank13』(18)の脚本を手掛けた西条みつとし監督。芸人活動、放送作家やコント作家を経て、劇作家・演出家として活躍する西条監督自身が主宰する劇団TAIYO MAGIC FILM 公演作品「HERO」(再演タイトル「HERO~2019 夏~」)を自ら映画化し、長編映画監督デビューを果たしました。

今回は、舞台「HERO」が誕生した当時も振り返っていただきながら、エンターテイメントとヒューマンドラマを見事に融合させた本作に西条監督が込めた想いに迫りました!

西条みつとし監督,HERO2020

西条みつとし監督

小説や映画をイメージ

―――― 短編映画を制作し、映画『blank13』の脚本も担当されているので“デビュー”という感覚は監督の中にはないのかもしれませんが、長編映画のオファーが届いた時のお気持ちを教えて下さい。

西条みつとし監督
長編の監督が初めてだからと何か特別な意識はなかったです(笑)。

ただ、お話を頂いた時は、とても嬉しかったです。昨年、映画の撮影前に、今回の映画に出演いただいたキャストの皆さんで舞台もやっています。更にこの映画の内容自体は、8年間かけて何度も舞台でやっている作品なので、“映像だったらこうしたい!”とか作品に対してのイメージは映画化が決まってない段階から勝手に色々と想像していたんです。その中でお話をいただいたので、ありがたい状態でした。改めて考えることはそんなになく、自分にとってはイイ流れでお話をいただくことが出来ました。

―――― そうすると舞台作品の映画化ということに対しても、比較的すんなりと迷いなく挑むことが出来たのでしょうか?

西条みつとし監督
僕が劇団を立ち上げて9年目になるのですが、この作品は第1回公演の作品なんです。
当時は一度も舞台をやったことがないし、そもそも舞台はそんなに好きじゃなくて、小説とか映画が凄く好きだったんです。舞台を観に行くことはほぼなくて、誘われて嫌々行くくらい(笑)。

仕事の流れで舞台にたどり着いたものの、この作品を9年前に創った時は舞台をあまり知らなく、経験も知識もない中で“こういうことが舞台なのかな?”っていう感じで、映画や小説を参考にしながら、この「HERO」という舞台作品を創ったので、舞台作品の映画化に関しては、違和感なく挑むことが出来ました。

自分としては映画が好きだったので嬉しかったです。もちろん今は舞台も凄く好きですけど、これを書いた当時の状況を思い返すと“映画になっていくんだなぁ”と、感慨深いですね。

―――― 舞台と映画ではそれぞれ良さも違うと思うのですが、監督が一番難しいと感じた点やこれは映像にしたいとこだわった点など、舞台と比較した時のポイントはどの辺りになるのでしょうか?

西条みつとし監督
基本的には作品の内容は同じなので、映画でも舞台でも同じことを伝えたいと思うんです。ただ、舞台と映画では伝えられる量だったり、見え方だったりは全然違うと思うので伝え方や見せ方に関しては意識しました。映画だからこその伝え方にしようかな、などと。

映画,HERO2020

舞台はキャパもスゴイ大きいところでやらせていただいたので、心情とか、想いとかは表情では伝えきれないところがあったんです。なので動きに頼るしかなかった所を、映画では、役者の表情のアップを撮る事によって、台詞にない部分の心情が沢山伝えられて、この作品に関しては、映画の方が伝えやすかったです。

コメディの部分で言うと、舞台の方が公演中にお客さんの空気を感じながら“ああしよう、こうしよう”って役者と話し合えるので、“エンターテイメント”の部分は舞台の方が作り易いかなと。なので、舞台と比較した時のポイントは役者の表情になります。

映画,HERO2020

―――― 本作の中でもテンポのイイ掛け合いがあって、舞台発の作品ならではの醍醐味も感じとることが出来ました。映画館で上映される映画も観客がいて成り立つので、お客さんの反応が楽しみですよね。

西条みつとし監督
そうですね。

―――― 登場するキャラクターがレンタル人材屋の2人がいたり、おバカなカップルがいたり、ちょっと足りない友人がいたり、死神もいて、とにかくバラエティーに富んでいます。映画化する上で、キャラクターにもこだわりがあったのでしょうか?

西条みつとし監督
舞台だからとか映画だからとかってことではないのかもしれないですけど、僕が単純にエンターテイメントも好きだし、人間ドラマのリアリティも好きなんです。
だから、もし2時間という時間があったら、エンターテイメント的に笑って楽しんでもらいたいし、共感したり、教訓になったり感動とかも与えたい。

単純に欲張りなのかもしれないですけど、脚本を書いていく時に出来るだけかけ離れたキャラクターを登場させることが、お客さんに色々な事を与えられるかなと考えています。

7分に1回驚きを!その理由は?

―――― 色んな登場人物がいることで主人公の存在も浮かび上がって届いてくるような感覚を持ちました。加えて、伏線の多さも監督の作品の特徴になるのかなと感じました。

西条みつとし監督
この作品に限らず、自分の作る作品は、よくそういう風には言われます。

多分、自分が観る側の時に、好きか嫌いかで言うと伏線が回収されていく感覚が好きなんです。“やられたぁ”とか“わぁ!!”ってなるような。それは小説の影響があると思うんです。小説は映像になっていないから一番トリックを作りやすくて、読んでいる人を騙すというか。作者は騙す嘘はついてないのに、読者が勝手に騙されてそう思い込んでいくっていう仕掛けに、僕は心が動かされていたんだと思います。

小説を沢山読んでいた当時は、舞台作品を書いてなかったんですけど、その影響がどこかにあって騙したいというか、“驚かせたい!”というのが常に僕の中にあるのかもしれないです。

後は、僕は舞台も映画も観てるとよく寝ちゃうんです(笑)。有名なキャストが出てたり、応援している人が出ていたりしたらファンの方は内容に関係なく“ワァー”って盛り上がるけど、舞台を始めた当初は豪華キャストが揃う訳もなく、ストーリーで引っ張っていくしかなかった。

その時に「エッ?」「ハァッ??」っていう驚きがあると眠気が覚めるなって。自分の中で7分に1回は驚かせる、騙すっていうのは当初よく意識して考えていました。

西条みつとし監督,HERO2020

―――― なんで7分なんですか?(笑)

西条みつとし監督
自分が観客だとした時に、7分同じ場面が続くと大体眠くなってくるなって(笑)

廣瀬智紀は本当に上手い!

―――― 出演キャストについて、まず主人公・広樹役の廣瀬智紀さんの演技がとても“上手い!”と感じました。廣瀬さんとは舞台も一緒にやっているとのことですが、今回の撮影で廣瀬さんはどの辺りを工夫されながら演じていて、監督にはそれがどのように映っていましたか?

映画,HERO2020

西条みつとし監督
彼がどう工夫していたかは分からないですけど、撮ってる時も編集してる時も最終的な出来を見ても、廣瀬智紀が舞台よりもさらに良く見え上手いなと思いました。

8年前ぐらいから舞台ではちょこちょこ一緒にお仕事しているので、勿論成長も感じます。ただ、舞台でしか関わったことがなかったので、今回初めて映像でご一緒して、僕自身お客さん目線で“上手いなぁ!”って思いました(笑)。

関連記事:廣瀬智紀、北原里英コメント到着!映画『HERO〜2020〜』

―――― 純粋に上手だなと感じましたが、監督も一緒だったのですね!
広樹の恋人・浅美役の北原里英さんはいかがでしたか?

映画,HERO2020

西条みつとし監督
北原さんも同じで、舞台もそうですけど、映像を見てさらにイイなぁと思いました。表情の芝居が2人共凄く良かったです。

―――― そして、斎藤工さんが友情出演されています。他作品の共演者の方がビックリする様な演技で存在感を放っていたと聞き及んだのですが、監督が斎藤さんの演技に驚かされたエピソードなどありましたか?

映画,HERO2020

西条みつとし監督
自分が書いてる時、この役はこうだろうな、こういうシーンになるだろうなって思っていたイメージがあって、斎藤さんは、最初にテストを回している時はそのイメージ通りの芝居をして下さった感じだったんです。

ところが、本番は、その10倍ぐらい狂った感じで(笑)。それはそれで気持ち悪くていいな、面白いなって。この台本からあの感じがどうして?というのはスゴイ驚きました。驚くというか、面白かったです。

そんなことをやる前触れもなく急にやるから余計に驚かされるみたいな(笑)本作の中ではそのまま使ったシーンもありますし、戻してもらったシーンもあります(笑)。

―――― キャストの演技も良かったということですが、監督が一番好きなシーンはどのシーンですか?

西条みつとし監督
映画化した中のシーンですよね?そうですね…(笑)

やっぱり広樹のお父さんが子ども助けるところですかね。

―――― 一緒です!!(笑)

西条みつとし監督
あそこのシーンは舞台の方では台詞だけで廣瀬智紀君が語ってくれていたんです。でも、舞台の稽古中も僕の頭の中には、あのお父さんの助ける画がずっとあったんです。なので、今回映画でそれを画にしたいと要望して、ほぼほぼイメージに近いものが撮れて、とても満足しています。結果、流れで見てもなんかいいなぁって(笑)。自分で言うのもアレですけど。

―――― モーションもかかっていましたし、松尾諭さんがメチャクチャ格好良かった!ギャップも凄かったです!

西条みつとし監督
格好良かったですね(笑)

映画,HERO2020

九十九里浜の思い出を念願の映像化!

―――― 監督も幼少期に溺れたところを助けられた経験があるとのことですが、あの映像と近いものがあったんですか?

西条みつとし監督
自分の時は海で夏休みに九十九里浜で人だらけのとこだったんですが、家族で海に行き、同じような状況でした。僕が溺れ死にかけ、その僕を助けてくれた人は、本当にカッコイイなぁと思ったのを覚えています。しかも、映画と同じように当時の僕と同じ歳くらいの子供がいて、お父さんを誇らしく思っているだろうなぁと思ったのを覚えています。

―――― 映画の制作を経験された監督にお伺いしたいのですが、映画制作にもっと欲しいものがあれば教えて下さい。

西条みつとし監督
欲しいもの…ですか!?

―――― 何か足りないと感じたものがあれば、ズバリ“お金(資金)”でも(笑)

西条みつとし監督
難しいなぁ…。
あるんですけど、具体的にとなると、中々…。“時間”ですかね。

これは自分の時間もそうだし、撮影する時間もそうだし、舞台は納得いくまで稽古が出来るんです。でも、映画やドラマは決まった時間で撮り終えなきゃいけないし、自分の「もう1回やろう」という一声でそれに付き合わなきゃいけない人たちが舞台と比べ何十倍も増える。

舞台の時はプロデューサー的な立場もやっているので、ここで終わらないといけないとか、こうしなければいけないとか時間のことを分かっているつもりなんですけど、監督という立場のクリエイターとしては、納得できるまで時間を使いたいと思ってしまう。どれだけ僕が大御所になったら時間を気にせず撮影を出来るのか知らないですけど、そんな時がもし来たら、迷惑を被る人は出てくるけど、やはり、楽しいだろうなとは思います。

西条みつとし監督,HERO2020

―――― 黒澤監督の演出へのこだわりも有名ですものね。

西条みつとし監督
そうですね。それを聞いた時はなんか羨ましいし、作品作りとしては楽しいだろうなと思います。

―――― 作品の見所を含めながら映画ファンに監督からのメッセージをお伝えください。

西条みつとし監督
本当に今こういう時期ですけど、シンプルにコメディ要素が沢山あるので、エンタメとして楽しんでもらいつつ、自分が勇気を持つことが人の幸せにも繋がるというメッセージもあるので、ただ楽しんで終わりにはならなく、胸に刺さる映画ですので、是非観ていただきたいです。

更に驚かす仕掛けもあるので、一度だけじゃなく、全てを分かった上でそれを踏まえて二度、三度観ていただけたら更にグッとくるので、2度3度劇場へ足を運んで頂けたらなと思っています。

―――― 相手と自分との関係の中で、自分の心が見失われた時に、やっと自分の気持をもう一度確認出来るような、そういう心の在り方を描いているような素晴らしい作品でした。ありがとうございました!

西条みつとし監督動画メッセージ

『HERO ~2020~』作品情報

キャスト

廣瀬智紀  北原里英
小松準弥 前島亜美 小早川俊輔
松尾諭 斎藤工(友情出演)

監督・スタッフ

原作:TAIYO MAGIC FILM 第1回公演「HERO」
監督・脚本 西条みつとし

配給:ベストブレーン
公式HP:www.mmj-pro.co.jp/hero2020/  
Twitter:@HERO2019summers

「HERO」~2020~製作委員会
日本語/カラー/100分

映画,HERO20206月19日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次公開中!

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