映画「ゴッホ ~最期の手紙~」画家・古賀陽子さんが語るゴッホの魅力

2月のおすすめ映画『ゴッホ~最期の手紙~』はいかがでしたか?今回は125名の画家による62,450枚の油絵で構成されている本作品に、日本人で唯一の画家として参加した古賀陽子さんにお話を伺いました。
人々を強く惹きつけるゴッホの魅力とは
―― この作品からは、ゴッホは、幼少期での親からの愛情不足を原因として承認欲求をかかえ、画家として大成することでその解消を図ろうとしたかの様にも思えます。画家として天賦の才がベースにあったことは歴史が証明しているとはいえ、絵に対する情熱のエネルギーになったと同時に、多くのトラブルを抱える原因にもなったとも思われます。古賀さんから見るゴッホ像を教えてください。

私に写るゴッホ像はとにかく“ピュア”です。自分にも周りの人間にも嘘を付いたり、上手く立ち回れない不器用な面を持っていて、生きにくさを感じていたのではないかと思います。ゴッホは作品自体の魅力もさることながら、彼の人生も含めて人に感動を与えているのだと思います。
ただただ幸福であるよりも、挫折の繰り返し、絵も売れない、精神疾患など…不幸な人生に人は自分を重ねて、共通点を見出した時に感動を覚えたりするのではないでしょうか。ゴッホはそういう面でも人を強く惹きつけるものがあると思います。

『ゴッホ~最期の手紙~』映画予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」
画面を越え迫ってくる燃えるようなゴッホのエネルギー
―― ゴッホの描く星や月は、人間の感情の奥深くに眠っている、「寂しさ」や「孤独感」を覚醒させるような表現力が備わっているかの様です。古賀さんから見た「星月夜」「ひまわり」の感想を聞かせて下さい。

『星月夜』は精神疾患を患いながら描いたというのに、絵から伝わってくるものは必ずしも重たく暗い負のオーラばかりではない気がします。不安定な精神状態が見事に表現された空気感、星々の煌めきの純粋な美しさなど、絵を超えてこちらに向かってくるエネルギーを強烈に感じる素晴らしい作品だと思います。

『ひまわり』は希望に満ちた時期に描かれたもので、ゴッホの絵にかける情熱をもっとも強く感じる作品の一つだと思います。技術をいくら磨いても表現力が伴わない画家はごまんといますが、ゴッホの絵の画面を超えて迫ってくる燃えるようなエネルギーに驚嘆します。

ゴッホのタッチは大胆で勢いがありますがランダムなように見えて、ある程度規則性があり、でも規則正しくなりすぎない、退屈にはならないリズムがある。その卓越したバランス感覚、色使いの素晴らしさに改めてゴッホの凄さを再認識しました。


「後世に残るものを生み出したい」画家・古賀陽子の誕生
―― 画家を志した経緯や油絵に携わるきっかけなど、古賀さんと絵画の出会いを教えて下さい。

私は物心ついた頃から絵が好きでした。少し成長すると、生きている意味や価値を自問することが多くなり、幼い頭の中で何となく、「自分が死んだ後も後世に残るものを生み出す事」に意味があるという答えを出していました。そこで画家になりたいと思うようになりました。
幼い頃から両親と美術館に行って昔の巨匠の油絵をまじまじと観ていたそうです。その頃はルネサンス期やリアリズムの絵が好きで「こういう絵が描きたい」と思い、油絵を意識するようになり、学生時代にデッサンから入り、油絵を学ぶことになりました。

「ゴッホ ~最期の手紙~」制作風景(写真提供:古賀陽子さん)

人物を描く基礎知識として解剖学を学ぶ
人物を描く際に必要な基礎知識として解剖学を学びました。(医学のそれとは異なります。)
皮膚の下の骨格や筋肉を把握し、意識して描くことで、正確で説得力のある表現になります。絵を簡略化したり、崩したりする画風の際でもどこを強調すべきかを意識するポイントとなりますので、大変重要だと思います。
「古賀陽子 個展」開催中!!
京都で3月4日(日)まで個展を開催しております。多くの方々にお越しいただければ幸甚です。
京都 2018年2月21日(水)〜3月4日(日)
場  所|GALLERY TOMO
京都市中京区下御霊前町633青山ビル1F

最寄り駅|京阪電車 神宮丸太町駅より徒歩5分
地下鉄烏丸線 丸太町駅より徒歩7分
地下鉄東西線 市役所前駅から徒歩7分

営業時間|12:00〜19:00 ※日曜日は17:00まで

休 廊 日|2月26日(月)、2月27日(火)

作家在廊日|2月21日(水)、23日(金)、24日(土)、25日(日)、3月2日(金)、3日(土)、4日(日)

詳細は公式HPをご確認ください。https://yokokoga.jimdo.com/exhibitions/

古賀陽子作「Mの肖像」(写真提供:古賀陽子さん)

今年は制作活動に集中して自分独自のスタイル、世界観の確立へと近づけるよう精進して参ります。下半期にはどこがで作品を発表できる機会を持てたらと思います。


編集部より

ゴッホの絵画が動き出す衝撃を与えてくれた本作品。世界中から集まった画家を惹きつけたのもまた人間・ファン・ゴッホの魅力に圧倒されているからではないでしょうか。ゴッホの作品や本プロジェクトから多くの刺激を受け、映画ファンや絵画ファンからの注目度も増している古賀陽子さん。彼女の独自スタイル追求への長い旅を応援しています。古賀さんありがとうございました。

■ 予告編



■ コピーライト
© Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.

■ 公式ホームページ
www.gogh-movie.jp

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