注目の映画『ミスミソウ』内藤瑛亮監督インタビュー 伝説のコミックを実写化!!

Pocket
LINEで送る

人気漫画家・押切蓮介の代表作で伝説のコミック『ミスミソウ 完全版』が実写映画化されました。2018年4月7日(土)より新宿バルト9他、全国で順次公開されます。今回は本作品の監督で『ライチ☆光クラブ』『先生を流産させる会』など、少年少女を主人公としたクライムサスペンス映画の名手“内藤瑛亮監督”に映画『ミスミソウ』へ込めた想いを語って頂きました。
— 本作品が映画化されるまでの経緯を教えて下さい。
実はクランクインの一ヶ月前に急遽撮影が決まりました。もともと映画化への構想があって、別の監督も決まっていたのですが、色々な理由から撮れないことになり、突然プロデューサーから呼ばれて「内藤さん、撮影出来ませんか?」というオファーを頂くことになったんです。
— 原作はすでに知っていた!
以前から原作は読んでいました。というのも、ツイッターなどで「もし、ミスミソウを映画化するなら内藤監督で!」と何人かの方が書き込んでくれていたのです。それがきっかけで読み始めて、実際に映画化への企画があるという話を聞いた時に「監督は僕じゃないんだ・・・」と思い、でも結局は巡り巡って僕が撮影することになりました(笑)

原作自体は好きだったので、是非撮りたいという気持ちになっていたのですが、実際にオファーがあった時には既に準備期間が一ヶ月しかなかったので、そこだけが心配の種でした。

そういう状況の中で、プロデューサーから見て欲しいと言われた主演の山田杏奈さん(野咲春花役)のオーディション映像を実際に見ると、非常に演技が素晴らしく、単純に彼女を被写体として撮ってみたいという心境になりました。マイナス条件を覆してでも「撮ってみよう!」という気持ちになった大きな理由の一つはそこですね。

山田杏奈 主演映画『ミスミソウ』完成披露イベントレポート

山田杏奈 ©2017「ミスミソウ」製作委員会


— 原作を映画化する難しさはありましたか?
原作ファンの想いもあるし、確かに自分が好きな原作が映像化された時に「あれ?」と思うこともあります。ただ、脚色したけどこれはこれで良かったという時もあります。毎回悩みますが、結局は自分が面白いと思うようにしか撮れないと思っています。

普通は周囲からいろいろと意見を聞いて、企画開発をする期間があるんですが、今回は企画開発には関わっていないし、撮影の準備期間も極端に短かったので、意見を聞く時間的な余裕がありませんでした。だから結局は自分が思い描いた作品にすることが出来ました。

そういった意味では撮影を終えてとても清々しい気持ちになれたし、原作ともきちんと向き合えたと思います。助監督チーフが合流したタイミングは撮影一週間前でしたし、撮影自体ごった返していましたね(笑)。小道具がない、衣装が違う、頼んだものがない、撮影場所の伝達ミスなど色々と大変でした。でも、周りの雑音が少ない分、そんな混乱も楽しめるくらいの心のゆとりがありました。
— 映画を見ていて監督のやりきった感や勢いを感じました
そうですね、この手の映画は年齢制限がR-18までいってしまうと興行的な問題がでてくるので、制作側からすれば少なくともR-15やPG-12にして欲しいなど色々と要望が出て来るため、予めガイドラインが設けられています。

でも、最初にガイドラインを決めてしまうと人間の心理として、心のどこかで自然とブレーキをかけてしまいがちになり、監督のそういった心理状態は表に出さなくても現場のスタッフや俳優さんには伝わってしまいます。

今回の撮影では準備期間の問題で、ガイドラインも映倫に対する予備チェックもなかったので特に気にすることもなく撮影ができました。スタッフからは「これはR-18になるのでは?」と心配されましたけど。

そんな中、プロデューサーの方が「もしR-18になっても仕方ないよ!」と言ってくれたし、スタンスがそもそも「やりきってくれ」というものでしたので、僕ものびのびと撮影することが出来ました。そういうストレートな表現が出来たことは良かったですね。

話題の映画『ミスミソウ』内藤瑛亮監督インタビュー 伝説のコミックを実写化!!
— 監督の特殊メイクや造形に対する感覚(原点)はどこから得たものなのですか?
親がホラー映画好きなのでそこから入った感じですね。特に“デヴィッド・クローネンバーグ監督”の『ザ・フライ(1986年)』などが好きでした。体の一部が変わっていくものなど、肉体の変容やグチョグチョネチョネチョしたものが好きになりました。気持ち悪いけど見たくなるような感覚です。

母親から最初に薦められた映画が“デヴィッド・クローネンバーグ監督”の『ザ・ブルード 怒りのメタファー』という作品で、とてもインパクトがある映画でした。暴力的な奇形殺人鬼を次々と産む女性と、その女性を夫が絞め殺すというハードな内容で、母がどういう意図で僕に勧めてきたのか今も不明です(笑)
— 百武朋(ひゃくたけとも)さんによる特殊メイクや造形について
篠崎誠」監督から紹介してもらったのがきっかけで、実は百武さんとの付き合いは長いんです。知人が制作している自主映画にスタッフとして参加している時に、探していたものを百武さんが貸して下さったんです。商業映画を撮れるようになって、百武さんにお願いするようになりました。

わかりやすく言うと、イメージで「こんな感じ」「あんな感じ」と伝えるだけで何となく伝わるんですよね。”共通言語” があるというか・・・。感覚的な描写を分かってくれるといったところでしょうか。ちなみに百武さんの家でのクリスマスパーティーに呼んで頂いたこともあります(笑)
— キャストの方々の印象について
最終的にはオーディションでキャストを選べたところが大きいと思います。名が売れた人や宣伝を考えたキャスティングではなく、ちゃんと題材にあった人物を選び、被写体として魅力的であるという部分を大事にしました。技術的に巧いかどうかよりも、そのキャラクターに合った人物であること、また、単純に自分が撮ってみたいと思える人を選びました。

そういった意味では、オーディションで「大友一生(おおともかずき)」君が特に印象的で、ピンポイントで真宮裕明役(イジメグループの1人)をやりたくてオーディションに来ていました。本来は全員の役の台詞を覚えてもらってオーディションをやるのですが、大友君に関しては「真宮役をやりたいので真宮の台詞しか覚えてきてない」と言われました。

スタッフにどうしますか?と聞かれたので一応見てみたら、実は真宮の台詞も覚えてなかったんです(苦笑)。そして「すみません!」と大きな声で言われて、その印象が強くて忘れられなくなってしまい、逆に大友君自体が真宮役に近いなと思ってしまったのです。

彼はモデルガンを持っていて、サバゲーもやっているので、操作にも詳しかったです。撮影中にガスガンが故障して動かなくなった時も彼が直してくれました。あるワンシーンで「ここで何かやっている仕草があったら」と考えていたら大友君が「ガスガンのメンテナンスはどうですか?」と言ってくれて、その場面は彼の案で演技の指導もしてくれました。

山田杏奈 主演映画『ミスミソウ』完成披露イベントレポート
— 今後はどのような作品を手掛けて行きたいですか?
少年少女が抱えている闇に対し、大人はどう向き合えばいいのか、というテーマに関心があります。罪を犯す少年・少女がいて、それと向き合う大人たちという構図です。今回の作品『ミスミソウ』でも、そういったテーマを織り込めたと思っています。現在は、『許された子どもたち』という作品を製作中で、これは山形マット死事件や川崎市中一殺害事件等いじめによる死亡事件を題材にした映画です。事件を起こした少年に対する大人や社会に対する向き合い方を描いています。『ミスミソウ』はフィクション度が高いですけど、リアリスティックなタッチでもこのテーマを追求したいと思っています。
— 映画ログ会員に一言お願いします
すごく暴力的で陰惨な内容なんですが、その暴力の背景には彼らの感情や彼らが抱えている問題などがあって、それが繊細に描かれている映画です。彼らの暴力は、ある種の自傷行為に近いものだと思っていて、届けたい気持ちが届かない、閉塞的な田舎の環境に苦しんでいる、家庭環境に失望している、分かってもらいたい気持ちを分かってもらえない。そういった感情を暴力という手段で吐き出しているが、実際に傷ついているのは自分自身なのだと思います。

相手を攻撃したからといって自分が救われる訳ではなく、それを彼らも分かっている。それは春花も同じで、復讐したからといって亡くなった家族は喜ばないと思う。それでもやらざるを得ないと自分を追い込み、結果傷ついているのは自分の心ではないのか、と。自分を傷つけるために他人を傷つけてしまうという、その苦しさ悲しさ切実さが伝われば良いかなと思っています。

話題の映画『ミスミソウ』内藤瑛亮監督インタビュー 伝説のコミックを実写化!!
— 経歴
愛知県出身。映画美学校第11期フィクション・コース高等科修了。初等科の卒業制作で制作した15分の学園ホラー短編映画『牛乳王子』が、「学生残酷映画祭2009」のグランプリを受賞し、スラムダンス映画祭2010などの映画祭に招待される。卒業後も社会人として働きながら自主映画を制作し続ける。2012年、愛知県で2009年に起こった事件をもとにした映画『先生を流産させる会』を発表。

衝撃的なタイトルやその内容からインターネットを中心に論争が起き、マスメディアでもとりあげられた。2013年、短編映画『救済』のほか、未来穂香主演のホラー映画『高速ばぁば』を監督する。2014年、夏帆主演のサスペンス映画『パズル』を監督する。造形家の百武朋とは、自主制作時代に映画監督の篠崎誠からの紹介で知り合い、『高速ばぁば』で再会して以来、造形は百武に依頼している。
— 内藤瑛亮監督の作品
長編映画
先生を流産させる会(2012年)
高速ばぁば(2013年)
パズル(2014年)
ライチ☆光クラブ(2016年)
ミスミソウ(2018年)
・許された子どもたち(公開待機)

短編映画
・牛乳王子(2008年)
・土竜の祭(2010年)
・お姉ちゃん、だいきらい(2011年)
・廃棄少女(2011年)
・お兄ちゃんに近づくな、ブスども!(2012年)
・救済(2013年)
・Beautiful Chaser(2015年)
— 編集部より
少年少女が持つ闇と、それに向き合う大人たちという社会派映画を今後も手掛けるという内藤監督、今後も益々のご活躍を願っております。


私は、家族を焼き殺された。
卒業まであと2ヶ月、私ね、人を殺したの。
【イントロダクション】
今、最も勢いのある女優として注目を集めている若手の一人・山田杏奈が映画初主演を射止めた!主人公・春花を学校で支えている唯一の味方・相場晄役を、映画「渇き。」、「ちはやふる 上の句/下の句」など、話題作に立て続け に出演している大注目の若手俳優・清水尋也が演じる!

映画『ミスミソウ』押切蓮介代表作、伝説のコミックを実写映画化 予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」

「ライチ☆光クラブ」「先生を流産させる会」など少年少女を主人公としたクライムサスペンスの名手・内藤瑛亮監督の最高傑作! 雪に覆われた過疎の町。逃げ場のない抑圧された環境の中、虐待、いじめなど様々なトラウマを抱えた人々の感情が複雑に交錯し、ある日、壮絶な悲劇が起きた―。

映画『ミスミソウ』押切蓮介代表作、伝説のコミックを実写映画化 予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」
【ストーリー】
東京から田舎に転校してきた主人公・野咲春花(山田杏奈)は“部外者”として扱われ、壮絶なイジメを受けていた。春花の唯一の味方は、同じように転校してきたクラスメイトの相場晄(清水尋也)。彼を心の支えに必死に耐えてきた春花だが、クラスの女王的存在、小黒妙子(大谷凜香)の取り巻きのイジメグループによる嫌がらせは日に日にエスカレートしていった。

映画『ミスミソウ』押切蓮介代表作、伝説のコミックを実写映画化 予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」

そして、ある日、激しく燃え上がる炎が春花の家を覆い尽く。春花の妹・祥子は大火傷を負いながらも助かったが、両親は命を落としてしまった。思いもよらない悲劇に遭遇した春花の心は、崩壊する── 。

やがて事件の真相が露見することを恐れたイジメっ子達は春花に自殺するよう強要するが、それがきっかけとなって春花は事件の真相を知り、家族を奪ったイジメっ子達に己の命を賭けた凄惨な復讐を開始するのだが…。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花、三角草(ミスミソウ)。春花はミスミソウのように厳しい冬を耐えて、きれいな花を咲かせることができるのか…。春花が選んだ道とは・・・。
■ 映画 ミスミソウ 予告動画



■ 監督
内藤瑛亮
■ キャスト
山田杏奈
清水尋也
大谷凜香
大塚れな
中田青渚
紺野彩夏
■ 原作
押切蓮介 『ミスミソウ 完全版』(双葉社刊)
■ コピーライト
©2017「ミスミソウ」製作委員会
■ 公式ホームページ
http://misumisou-movie.com/
■ 公開表記
2018.4.7 [土] より 新宿バルト9ほか全国ロードショー!


【原作】


ミスミソウ完全版 作者名:押切蓮介
BookLive!


電子書籍ストアBookLive!で試し読み

 


■ 映画『ミスミソウ』から山田杏奈・清水尋也・大谷凜香、原作者押切蓮介さんのコメントをご紹介!!
http://tokushu.eiga-log.com/new/4811.html

■ 山田杏奈 主演映画『ミスミソウ』完成披露イベントレポート
http://tokushu.eiga-log.com/new/5616.html






※映画ログ会員の評価・感想※
・この映画を観てすぐに頭に浮かんだ言葉が「人間失格」でした。かつて、ここまで「残酷」で「凄惨」な”イジメ”を表現した映画を観た記憶がありません。

自分にのみならず、自分の家族にまで及ぶ悪質で残酷なイジメは、ついに最悪の結末を迎えてしまう。ここから始まる少女(主人公)の報復は、彼女が負った深く激しい怒りの現れだろう・・。あまりに激しい報復行為にどこまで目を開けていられるでしょうか。そして、目をそむけずに観ていられるでしょうか。

学校は”こと”なかれ主義、誰かを頼ることも出来ない移住家族、そして閉鎖的で外の人間を受け入れない、地方ならではの体質。(映画の設定上)さらに味方だと思っていた唯一の人物の思わぬ変貌と展開・・。

どんどんエスカレートするイジメの果てに両親まで焼き殺されてしまう彼女の気持ち、、怒り。相応しい言葉が見つからない程、インパクトの強い映画「ミスミソウ」は、イジメ体質をもう一度考え直す良いきっかけになるのではないでしょうか。

この映画の星の数と感想を映画ログでチェック

映画『ミスミソウ』押切蓮介代表作、伝説のコミックを実写映画化 予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」


関連記事

コメントは利用できません。

9/1公開『寝ても覚めても』

注目映画

  1. ■イントロダクション 新世代の才能と、日本屈指の実力派スタッフ・キャストが集結し、鮮やかに描き出す…
  2. ■イントロダクション 二人の同じ顔をした男とその間で揺れ動く女の物語である映画『寝ても覚めても』。…
  3. ■イントロダクション 2017年マンガ大賞受賞の超話題作、待望の実写映画化!! 映画の原作となる…
  4. 【イントロダクション】 ~「フェイクニュース」全盛時代を生きる私たちへ~ 近年、報道のあり方につ…
  5. ■ イントロダクション 監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールのシネマプロジェクト第7…
  6. ■イントロダクション 土屋太鳳×芳根京子。NHK朝ドラ主演も務めた若手屈指の演技派女優二人が初共演…
  7. 国民が立ち上がり、国と闘った韓国民主化闘争の衝撃の実話を描いた映画『1987、ある闘いの真実(1987 When the Day Comes)』
    韓国国民が国を相手に闘った民主化闘争を描く衝撃の実話 その時、歴史を変えたのは、普通の人々の信念だ…

ツイッター

Facebook




ページ上部へ戻る