――文学館の成り立ち
『沈黙』執筆のための取材旅行で長崎のキリシタン関係の地を巡っていた遠藤は、かつて多くのキリシタンが潜伏した場所であり、現在までかくれキリシタンの信仰が続く土地である「黒崎」(現在の外海地区)を訪れました。外海地区の歴史と風景を愛した遠藤は、黒崎と周辺をモデルにして、『沈黙』の中のロドリゴが上陸する〈トモギ村〉という架空の村をつくりました。そうした『沈黙』と縁の深いこの場所に、昭和62年に「沈黙の碑」が、平成12年には「遠藤周作文学館」(当時は外海町立)が建てられました。

遠藤周作文学館
http://www.city.nagasaki.lg.jp/endou/
長崎県長崎市東出津町77番地

沈黙の碑。遠藤周作が特別に著した文章「人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです」が残されています。

文学館から秋の夕陽の風景。この美しい景色と映画の中の海での拷問シーンは対照的ですが、強く心に残ります。


――遠藤と長崎の繋がり
遠藤『沈黙』執筆後も長崎のことを〈心の故郷〉と呼び、度々訪れました。長崎への恩返しのつもりで書いた作品に『女の一生 一部・キクの場合』『女の一生 二部・サチ子の場合』という本があります。どちらも長崎の歴史を題材とした作品で一部では「浦上四番崩れ」について、二部では「戦争」「原爆」について描かれています。とても読みやすく、遠藤文学の〈愛〉のメッセージが込められた素敵な作品ですので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

女の一生 一部・キクの場合

著者:遠藤周作
出版社:新潮社
内容:幕末から明治の長崎を舞台に、切支丹大弾圧にも屈しない信者たちと、流刑の若者に想いを寄せるキクの短くも清らかな一生を描く。

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http://www.dokusho-log.com/b/4101123233/

女の一生 二部・サチ子の場合

著者:遠藤周作
出版社:新潮社
内容:第二次大戦下、教会の幼友達修平と、本当の恋をし、本当の人生を生きたサチ子の一生。

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http://www.dokusho-log.com/b/4101123241/

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