Netflix映画『彼女』廣木隆一監督インタビュー

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廣木監督「女同士の逃避行に凄く惹かれました」

4月15日(木)からNetflixで全世界同時独占配信中のNetflix映画『彼女。Netflixと廣木隆一監督が2016年のオリジナルシリーズ「火花」(総監督)以来、2度目のタッグを組んだ注目の作品です!

物語は、裕福な家庭に生まれ育ち、何不自由ない生活を送ってきた美容整形外科医の永澤レイ(役:水原希子さん)がバーで探し当てた男に酒を振る舞い、彼のマンションへ上がり、持参したメスを男の首に突き立てるというジェットコースターのような衝撃の連続から始まります。時は少し戻ってその前日、レイは、高校時代の同級生・篠田七恵(役:さとうほなみさん)と再会しており、七恵の夫こそレイが刺したその男だったのです…。

今回は、逃亡生活の中で刻々と変化するレイと七恵の感情を水原さんやさとうさんらキャスト陣と丁寧に紡いでいかれた廣木監督に、本作制作のオファーを受諾されたポイントから撮影で大切にされたこと、キャスト陣への演出などについて伺いました。

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Netflix映画『彼女』廣木隆一監督

―― 廣木監督が本作のオファーを受諾された決め手、この作品で表現したい、挑戦されたいと思われた点をお聞かせください。

廣木隆一監督
原作を読んだ印象としては、「この原作だったらロードムービーが出来るな」っていうのが一番大きいところではありました。僕自身ロードムービーが好きなので、女同士の逃避行に凄く惹かれました。

―― ストーリーについて脚本の吉川さんやスタッフの方々と共有された核心、「ここだけは絶対守っていこう」みたいなポイントがありましたらお聞かせください。

廣木隆一監督
ロードムービーなので色々な出会いを通じてストーリーが進んでいく時に、二人がどんどん変わっていくというか、芝居ではありますけど俳優二人がレイと七恵になっていく、そういうのは少しずつ見えればなっていうのは一番大きなところですし、凄く細やかなところだなという気はしました。なので、撮影もファーストシーンからラストシーンまで順番で撮影出来るようなスケジュールを組んでもらったし、二人の心情を大切にして描きたいと思っていました。

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―― レイの一途な愛の純粋さをとても感じたので、そういったところも大切に壊さないように作られたのかなとも思いました。

廣木隆一監督
そうですね、本当に迷惑なぐらい一途なんで(笑)
純粋な感じは水原さんから結構出て良かったなと思ってます。

―― 一方の七恵は家族愛に恵まれず、不幸な生い立ちというか独りぼっちで過ごしてきた。二人の共通点は心休まる場所がないことかなと感じたんですけど、二人について監督が特に拘った点を教えてください。

廣木隆一監督
育ちも違う、環境も違う二人が恋をしていく。それが旅の途中の行ったり来たりや、喜んだり悲しんだり喧嘩したりする部分で見えてくればいいなって思いました。

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―― しかも、二人の心情にぴったりなロケーションが映し出されています。海が見えたり、緑に囲まれた自然の中にいたり、音楽を掛けながらのドライブも素晴らしかったです。二人の心情と合わせた風景は、監督の頭の中に浮かんできたものを実現された感じなのでしょうか?

廣木隆一監督
リアルに考えると、「今どこに向かってるの?」ってツッコミどころ満載ですけど(笑)
開放感と閉鎖された小さい町、海が見える場所というのは最初から映画をやる前に想像してたところです。

―― 坂道を歩いて行くレイの髪が風でなびくシーンなどは、物凄く映画的な表現で美しいと感じました。監督が求めていたことに対してお二人の演技から感じたことや想像を超えるような瞬間があったら教えてください。

廣木隆一監督
順番に撮影しているので、毎日、シーン毎に彼女たちの表情がどんどん変わっていく。レイになっていくし、七恵になっていく。それは水原さんとさとうさんが純粋に役と向き合ってそういう表情が撮れたのはスゴイと思うし、さらけ出してくれた二人には本当に感謝です。きっと大変だったと思います。一人になって誰か相談できる人がいるわけではないですし、二人の距離感を保つのは結構大変だったと思います。

―― 例えば、水原さんから監督に「このシーンをどう演技すれば良いでしょうか?」というような相談はございましたか?

廣木隆一監督
真木よう子さん演じる大江美夏と電話するシーンは、何度もやってもらったし、何回も泣いてもらいました。泣くお芝居だけがあればいいわけではなく、そこにちゃんと気持ちも入ってないといけなんですけど、(電話だから)離れてるので美夏の顔が見えるわけではないし、真木さんの芝居が見えるわけではありません。それを想像しながらあの芝居が出来たというのは、本人はメッチャ大変だったと思います。雨も降らされてますしね。

―― まさに、電話越しの二人の間合いが観ているこちらに温度感として伝わってきました。

廣木隆一監督
結構辛いシーンになって欲しいとは思いました。真木さんといい鈴木杏さんといい、達者な芝居に凄く助けられました。二人がそれぞれのシーンを本当に締めてくれました。

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―― 逃亡中、レイが手をあげてしまうシーンのように感情が爆発する部分はとても難しいシーンだったのではないかと感じました。愛憎という意味で言うと愛の裏側ですよね。お二人にはどんな演出をされたり、会話をされたりしたのでしょうか?

廣木隆一監督
(七恵の)夫と同じような暴力を振るってしまったとレイが謝るシーンに繋がるような喧嘩なので、夫と同じようにキレるシーンになってくれれば良いなっていう計算です。二人とも誰かを殴ったことも蹴ったこともないでしょうから、それをあえてやってもらったことで本人たちの芝居も逆に思い切って出来たんじゃないかなっていう気がします。

―― ―― 七恵とレイの回想シーンをそれぞれ南沙良さんと植村友結さんが演じていて、特に南さんはレイにそっくりでした。南さんと植村さんにはどんなことを監督からお願いされたのでしょうか?

廣木隆一監督
南さんも植村さんも二人がどんな芝居をするかではなく、二人が感じてくれたままにやってくれた方がいいと思いました。本当はそんなに似てないですが、似てることを求めてないんです。ただ、見てると南さんは水原さんに見えてくるし、植村さんはさとうさんに見えてくるのは、強いというか…。

あんな台詞を平気で言ってくれたっていうのが、、、スゴイ台詞でしたからね(笑)

―― 二人がそのまま高校時代に戻ったかのように見えて不思議でした。

廣木隆一監督
なんでしょう…、それも映画の面白さなんだと思います。

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―― しかも、二人の出会いのシーンでは微妙な表情で気持ちを表していたわけですけども、七恵の笑顔の表情に隠された複雑な心情と、レイの心の変化ですよね。とても印象的なシーンでした。

廣木隆一監督
スマイルはもう一つのテーマだったので、笑うのはちょっと意識してやってもらいました。

―― 加えて、そのシーンは日差しがオレンジで温かく包まれているように見えました。この辺りは撮影の時に工夫されたポイントだったのでしょうか?

廣木隆一監督
夏の終わりの撮影だったので、日差しは凄く大切にしました。終盤のシーンで朝焼けが綺麗に撮れたことが一番嬉しいです。

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―― 全部のシーンということになるとは思いますが、監督が特にお気に入りのシーンを挙げていただくとすればいかがですか?

廣木隆一監督
本当に全てなんですけど、最初の『彼女』のタイトルが出るところです。長回しのシーンが基本好きなんで(笑)

空撮のパイロットさんが上手くて、車の横にピタッとつけてそのままヘリでずっと追いかけてくれるので、一発でOKになりました。
後は普段は使えない音楽を使えたので、そこが一番大きいです。

―― 音楽もビッタリでした。この作品や登場人物を通じてどんなことを感じて欲しいですか?

廣木隆一監督
ラストは希望を感じてくれればいいなと思って作りました。全体的に死に向かっていく流れですけど、最終的には家族という希望の映画になればいいなっていう気はします。

―― 最後に、監督から映画ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

廣木隆一監督
是非、色んな人に観ていただいて、色んな感想を聞きたいと思ってます。今の時代、失くしてしまったものをこの映画の中に少しテーマとして置いてあるので、是非それを感じてもらえると凄く嬉しいです。

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―― ありがとうございました!

Netflix映画『彼女』

監督

廣木隆一

出演キャスト

水原希子 さとうほなみ

新納慎也 田中俊介 鳥丸せつこ 南 沙良 植村友結 / 鈴木 杏 田中哲司 / 真木よう子

稲葉 友 PANTA  真魚 中原和宏 古谷佳也 松永拓野 日向寺雅人 竹口龍茶 松岡依都美

山田キヌヲ 河井青葉

エグゼクティブ・プロデューサー:坂本和隆(Netflix コンテンツ・アクイジション部門ディレクター)
プロデューサー:梅川治男

原作

中村珍「羣青」(小学館IKKIコミックス)

脚本

吉川菜美

テーマ曲

細野晴臣

音楽:森山公稀(odol)
制作協力:ザフール
企画・制作プロダクション:ステューディオスリー

Netflixにて全世界独占配信中

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