三池崇史監督,劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像

『劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ! ~怪盗からの挑戦! ラブでパパッとタイホせよ!~』
公開記念インタビュー

近日公開予定の『劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ! ~怪盗からの挑戦! ラブでパパッとタイホせよ!~』は、2017年よりテレビ東京系で放送されている人気の特撮テレビドラマ『ガールズ×戦士シリーズ』の劇場版です。

今回はこれまでの全4作の総監督を務め、本作でも指揮を執った三池崇史監督に、【ガールズ×戦士シリーズ】のこだわりやキャスト陣の魅力、撮影エピソード等を語っていただきました。インタビューの最後には監督の“ラブ”エピソードもご披露いただきました!

三池崇史監督から動画メッセージはこちら!

三池崇史監督,劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像

三池崇史監督

―― 「ラブパト」は【ガールズ×戦士シリーズ】シリーズ4作目ですが、今回の劇場版で新たに挑戦されたことがあればお聞かせください。

三池崇史監督
映画版だとちょっと頑張っちゃうんですってなると、「テレビの番組は頑張ってないの?」ってなっちゃうし、「ラブパト」観に来たのに“何か違う…”ってなったら子どもたちはガッカリだろうし、だから基本的なノリは一緒(笑)映画だからといって「映画版だよ」みたいな気負いは無くそうというのがスタッフとの間で決めたこと。ダンスシーンとかいつものプラスα1つ、2つあるぐらい。(子どもたちが)知っている、普段応援している「ラブパト」がそのまま劇場版になっている方がいいかなと。

普通はせっかく映画なのでスケールでっかくしたりとか。一応、お話としてはラブがなくなるとお尻のように地球が割れてしまうのを阻止する映画だよって(スケールが大きい映画だと)言えなくもない(笑)「ラブパト」らしく、子どもたちに楽しんでもらえればなと。

本当は子どもたちと呼吸みたいなものが合って、毎日応援上映が出来るといいねっていうのが元々の映画化で、他の映画と見方を変えるというか。

気持ちの中でストレスを感じず観られるもの。理想を言えばさらに面白いものになっているといいなということですよね。気負いが通用しない。子どもが「おっ、さすが映画版だね」って思わないじゃないですか(笑)「お金かかってるね!」とか(笑)

色んな面で開放してくれますよね、この企画は。僕らが持っているものが通用しない。だからこそ、伸び伸び自由にやれますよね。

【ガールズ×戦士シリーズ】のルール

―― 戦隊シリーズなら変身してすぐ闘いが始まりますが、「ラブパト」は戦闘前に歌を歌ったり、踊り出します。まるで闘うことを忘れているかのように楽しくその場の雰囲気を盛り上げちゃう(笑)この発想、展開について監督はどのようにお考えで、脚本家・加藤さんとはどんなお話をしたのでしょうか?

劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像

三池崇史監督
加藤さんが脚本家としてシリーズに参加する前、1本目の「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」の時からの一つの基本的なルールとして、暴力で解決しない。便宜上メリハリがつかないので、皆で光線らしきものを出すんですけど、それは別に痛いものでもなくて。歌の愛情とかそういうもので包んで癒やす。バーンと殴ってねじ伏せるんじゃなく、歌とダンスとかで心がフニャフニャになって、悪いことをしてる人の中にも良心、優しさもあれば皆同じ。逆に今優しい人でも、心のどこかにいけない心があって、そこを利用されて一旦悪者にされたら元のピュアな自分に返してあげる。

逆に言うと、それは子どもにとってあまり刺激がなさすぎる。一緒に観てる大人にとって癒やしにはなるけど、果たして癒やすっていう感覚が、どれほど子どもたちに伝わるのかなっていう懸念はあったんです。悪い事やってる奴らも、人を殴り倒したり、暴力っていうのはほぼゼロ。シリーズを通じて一切出て来ない。

癒やす、それが彼女たちの闘い方。元々からそういうルールがあると必然的に他の作品とも違ってくるよねって。暴力を振るっておいていくら「正義」と言っても、「力でねじ伏せましたよね?」って(笑)それをやるキャラクターは過去に色々あったし、それが引き継がれて主に男の子に人気の特撮作品で残っているので。昔、何本かあった女の子が主人公のヒロイン物が実写では無くなってしまったので。それを復活させるわけじゃないですけど、「今の子どもたちは明らかに踊れるし歌えるよね。日本人ってこんな表現が出来るんだね」って。僕ら世代だと運動会はフォークダンスだったわけです。本当は嬉しいのに嫌々やってるみたいな、照れるわけです。それが今の子たちにはないので、もうすぐ踊れちゃう。

その中でもちゃんと学んで、キレキレに踊れる子たちは、小さい女の子たちから見ても憧れ。彼女たちは口で何かを言ったり、暴力使ったりではなく、歌とダンスでフニャフニャっと元に戻してあげる。そこは変わらず、加藤さんにも引き継いでもらって作り続けている。それがいつまでシリーズとして続くのか、色々と変化していくものだとは思うんですけど、ただ守るべき点なんだろうな、と。

ズバリ、4人のラブパトリーナの成長は?

―― 監督はTVシリーズと同じ雰囲気を出したとのことですが、4人のラブパトリーナは劇場シリーズということで、逆に力が入ってしまったところもあったのではないですか?(笑)

劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像 劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像

三池崇史監督
同じスタッフで撮ってるし、そういう緊張感を感じないように。むしろほぼ1年やり通した、その役をやれば自分が本物なんです。その自信というものが、確固たるものを持っているのではなく、やったという事実、この役は私の性格を通して演じればいいんだって分ってるので、むしろいつもと何も変わらないようにやれる雰囲気を作って。その必要もないぐらい堂々としてますよ、彼女たち。1年間やってきてるわけだから、大したもんだなと思います。

―― 1年の間で、ここが成長したと感じた部分はありますか?

三池崇史監督
プロの現場の進み方に体が馴染んで、前の(シーンの)感情を繋げたり、自分で出来るようになってはいるんです。毎回そうなんだけど、確かに身長も凄く成長する頃だし、大人の現場での立ち振る舞いとかやり方、ルール、何かを繋げていくとか集中してやるとかは成長してるんですけど、根っこにあるキラキラした部分があんまり最初と変わらないというところが、やっぱり一番凄く良い意味で成長しない魅力、失わない魅力。何かを学んで身についちゃうと大事な何かがちょっと薄れてきちゃうものなんですけど、全然。それは本人たちが魅力と気付いてないんですよね。はにかんで笑う時の一瞬がイイんだよねっていうのを本人は意識してない、知らないんです。そういう無垢なものと、そこから抜け出そうとして次の大人になろうとしてるっていう両方持っている。

もう1、2年年齢的に上がるとドンドン最初のところが消えていって、どうやって女優として表現するか、ドンドン上手くなっていくと思うんですけど、それも寂しいですよね(笑)1年間それを変わらず続ける、集中してやるっていうのは普通だと出来ないよなって。

―― 知識がつくと意識してしまうことってありますものね。

三池崇史監督
逆に言うと、LDHというプロダクションに入って、先輩たちを見たり歌のトレーニングを受けたり、リハーサルして、どこまでも先生がいるわけですよね。その中で、僕らから見るとよく踊れてるなと思っても、本人たちは全然まだまだだと思ってたりとか。僕らよりもそういう意味では厳しい。撮影しながら次の主題歌の振り付けも全部覚えていってるから、“へえー、スゴイもんだね”って。

そういう僕らが彼女たちに対してリスペクトする気持ちを、スタッフがみんな持っているので、その輝きは保たれているってことが言えるかもしれないですね。

ゲストの加藤清史郎さん、柳沢慎吾さんを語る!

―― 4人の女の子たちがとっても可愛かったです。そして、ゲストとして加藤清史郎さんと柳沢慎吾さんが出演されています。この2人が加わったことで、作品にどんな効果がありましたか?

劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像

三池崇史監督
そうですね。柳沢慎吾さんは普段から明るく親しみやすい方なので、彼女たちにいかに凄い人なのかを説明しないといけないわけです。

加藤清史郎も加藤清史郎とは何者であるか、加藤清史郎らしさを彼女たちはほとんど知らないわけです。でも、いずれ彼女たちも大人になっていくし。本来だと女の子に人気の作品だからもうちょっと若い女の子とか話題のイケメンとか。清史郎もイケメンの部類に入ると思うけど、それって、もう既に“女児が気に入るように”という発想に囚われちゃってるような気がして。少なくともキャスティングにはあまり持ち込まないように。むしろ、ギャップがあっていいんじゃないかな、と。

前作『劇場版 ひみつ×戦士 ファントミラージュ! 〜映画になってちょーだいします〜』でも、悪くなる敵が【黒沢ピヨシ】って監督で、それは黒沢清をモジった変化型なんですけど、【黒沢ピヨシ】って言われたって「ピヨシ?」ってビックリするんだけど、本当の意味は分からない(笑)ご機嫌を取らない、「皆さんこういうのが面白いですよね?」って甘く見ないというか、対等にぶつけていく。それはやっぱりキャスティングであり、お話の展開なのかなって。映画版は普段(のTVシリーズ)よりもちょっと色濃くその辺が出るっていうだけで、シリーズを通して狙いとしては同じ方向だと思います。

やっぱり脚本家の加藤さんが柳沢さんの大ファンなんでしょうね。最初の第一稿から【シンゴ署長】って書いてありました。 “これはキャスティングしたいってことなのかなぁ”って。無事、出演が決まって本当によかったです。

―― 加藤清史郎さんは現場ではどのような雰囲気でしたか?

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三池崇史監督
清史郎は子役の時から色んな環境に合わせて、その場所で自分の思っているものをきちんとやっていく。

例えば、2年に1回ぐらい市川海老蔵の歌舞伎舞台を演出してるんですけど、その第1弾の時に(清史郎さんは)ゲスト主役でしたから。ちょっと変則的な歌舞伎ですけど、歌舞伎様式の中でも平気で、まもなく(市川)團十郎となる市川海老蔵と歌舞伎の舞台の上で平気で共演してタメを張って。本人も努力しましたし、海老蔵氏も可愛がって色々教えたりしてました。大人の作った環境に自分が合わせて、自分の求められているお芝居をやるというのは天性の才能がある。それが今は子役ではなく、役者として。子役のキャリアは勿論否定はしないけど、その延長戦上に今があるのではなく、ロンドンの方に留学して、一人の成長した男の子として日本に戻って来て、役者として腹を決めたんだなって。

市川海老蔵氏とかに相談してましたからね。やっぱり市川海老蔵と舞台で1対1で共演して、共演者から見た市川海老蔵の外連味(けれんみ)というか美しさを経験する人ってそんなにいないわけですから。しかも対等なぐらいの役で。それを子どもの頃にやった、海老蔵氏から学んだ。“すげーな。役者ってすげーエネルギーがあるんだな”って思う。僕らでは理解出来ないものをやっぱり経験してるな。

その結果、独自のポジション作るんじゃないかなって。浮ついてないですよね。人間として普通にちゃんと常識を持って、お芝居はその役柄が決めていくっていう。真っ当ですよね、浮ついたところがなくて。

―― シンゴ署長は現場を相当盛り上げてくださったのかなと思うのですが(笑)

劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像

三池崇史監督
ずっと変わらずです(笑)
帰り際まで、「お疲れ様でした」って帰って行く姿も、ラブパトの4人は興味津々でした(笑)

―― 柳沢さんは新ネタを披露したりしていましたか?(笑)

三池崇史監督
やっぱりアドリブ好きなんですよ。やることをやって、台本上必要なことをやって、プラスαどうしても修正としてやり始めるわけです。流石にちょっと満足したかなぐらいでカットをかけて、それで言うわけです。「僕が編集の権利を持ってるんで(笑)良いところで切りますから大丈夫ですよ、好きにやってください」って(笑)

―― (笑)柳沢さんならではの撮影スタイルですね。

三池崇史監督
エンターテイナーというかサービス精神なんです。要は、映る物に対して何かするのではなくて、その場にいる人たちに対して一緒にいる空間が楽しい時間になればいいっていう。本当にピュアな。だから、最初に会った衣装合わせの時からそんなですから。話が合うんです、世代的に。

最近、三池監督が“ラブ”に触れた瞬間は?

―― 最近、監督がラブを感じた瞬間を教えてください。

三池崇史監督,劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像

三池崇史監督
非常にプライベートなことなんですけど、家族の体調のことで病院に通うことが多くて、お見舞いですよね。昨今の情勢で中々病院にも行けないけど、そう長くはないという中で、何となく医者や看護師さんたちも気遣ってくれる。その状況の中で非常に患者本人にも優しく接してくれて、凄い仕事だなぁと感じました。良い病院で良い先生と良い看護師さんに出会えて本当に良かったなって。

医療とは?って今まさに問われている、医者とは何だ、看護師とは何だ、その使命とは何だっていう問われている部分に対して、非常に希望があるんじゃないかって。凄い人たちがいる、っていうのはちょっと感じましたね。

寿命を延ばしたりするとか、命を助けたりすることだけではなくて、可能性のあるお仕事だよなって。後は学校での教育。大学の医学部ではなくて、お医者さんというのはこういう役割を担っているんだよって。昨今の情勢によって、ウイルスのことと、会社のこと、生活のことと、医療のこと、何が一番大事なのかが絞られてくる。問われているから、皆そこに気づいて変わってく、より良くなっていけばいいなという風には思います。

三池崇史監督,劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!,画像

―― ありがとうございました!

三池崇史監督から動画メッセージ

『劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ! ~怪盗からの挑戦! ラブでパパッとタイホせよ!~』

キャスト

渡辺未優、山口莉愛、山下結衣、杉浦優來
加藤清史郎、柳沢慎吾、菱田未渚美、山口綺羅、原田都愛、石井蘭
やしろ優、BOB、田中穂先、川原瑛都、上條沙恵子(CV)、
豊永利行(CV・ナレーター)、冨士原生
小田柚葉、隅谷百花、鶴屋美咲、小川桜花、増田來亜 (Girls2)
黒木啓司(EXILE/ EXILE THE SECOND)

監督

三池崇史

脚本

加藤陽一

【制作プロダクション】OLM
【掲載】ぷっちぐみ 幼稚園 めばえ(小学館)
【原作】タカラトミー・OLM
【配給】KADOKAWA/イオンエンターテイメント
© TOMY・OLM/劇場版ラブパトリーナ製作委員会
【公式サイト】https://lovepatrina.jp/movie
【公式twitter】https://twitter.com/girls_heroine

近日公開

ラブパトリーナ

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