映画ゼニガタ綾部真弥監督
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2017年公開『人狼ゲーム マッドランド』、2018年公開『人狼ゲーム インフェルノ』の監督/脚本を手掛けた綾部真弥監督の最新作 映画『ゼニガタ』が、来週5月26日(土)より公開となります。本作品は、表向きは居酒屋「銭形」を営む大谷亮平さん演じる銭形富男(主人公)と、小林且弥さん演じる弟の静香が深夜0時から金貸しになるという物語。地方のある街で違法な高金利でお金を貸して暮らしている富男と静香。彼の周りには買い物中毒のOL・珠(佐津川愛美)や資金繰りに困った脱サラ農家・留美(安達祐実)などお金を借りたい人間が続々と集まってきます。容赦なく取り立てを行う富男と、返済に困る債務者たち、そして因縁関係にある地元のヤクザ(渋川清彦)と、地元警察をも巻き込んだ人間ドラマが展開されます。

今回は綾部真弥監督に本作品の魅力をたっぷりと伺いました。

―本作品は「お金」がテーマとなっていますが、制作する上で監督自身のお金に関するご経験が反映されている部分はありますか?

助監督時代は収入がとても不安定で、仕事がある時は良いのですが、当然ない時もあってアルバイトも沢山していました。今は「オレオレ詐欺」が社会問題となっていますが、当時は「闇金業者」が横行している時代でもあり、実際にお金を借りている人を目の当たりにしたこともありました。ATMで流れる「あなたは50万円までお金を借りることが出来ます」というアナウンスが、あたかも貯金が50万円もあるような錯覚に陥ってしまう人もいたのかもしれません。

お金に纏わる人間模様を見てきたことが、今回の作品に活かされている部分があるかもしれません。

映画を制作する上でもお金がかかると思います。

色々な方に賛同していただいたおかげで制作費が集まり、その予算の中でキャスト・スタッフが集結し、映画を作りましょうという話になるんですが、どうみても「この予算では無理でしょう」ということもありますね(笑)。

どんな映画にも予算の制約がある訳ですが、今回は素晴らしいキャスティングができたのではないでしょうか?

助監督時代から知っている安達祐実さん、玉城裕規さん、佐津川愛美さんは監督になったら是非ご一緒させていただきたいなと思っていた方ばかりでした。

主演の大谷亮平さん、弟役の小林且弥さん、元殺人ボクサー八雲役・田中俊介さんなど「初めまして」の方も多数ご出演いただいて、非常にうまいキャスティングが出来ました。

買い物中毒のOL・早乙女珠を演じた佐津川さんの印象は?

私が助監督を務めた吉田恵輔監督の『ヒメアノール』で一緒に仕事をしていて、最初にこの脚本と企画(ゼニガタ)をいただいた時から「佐津川さんでいきたい!」と即決でした。ある意味この物語をひっかきまわす役で、そこが狂うと映画全体の歯車がかみ合わなくなってしまう重要人物・珠を佐津川さんが見事に演じ切ってくれました!

主役・銭形富男役の大谷さんが役にはまりすぎて本物の闇金業者のように見えましたが、リアルティを出すための工夫、綾部メソッドを教えてください。

カット割りや機材のチェックなど準備を入念に行った上で、撮影は一発本番を繰り返すことで、役者さんも途切れることなくその役に成り切って没頭してくれます。そのノッてきた状態のまま撮影し続けるのが私のスタイルです。その‟瞬間”、‟瞬間”を、役者さんがノッている最善のパフォーマンスを、撮り逃さないようにしていました。その中で「照明が合わなかった」「ピントがずれた」など問題があれば、正直もう一度撮影すれば良いと思っています。この数年でフィルム撮影から完全にデジタル撮影に移行したので、カメラを回し続けることで失うコストはなくなりました。

今回成功したと思う部分は、役者さんが皆活き活きとして、キラキラと輝いている点です。
この映画の内容は黒い光かもしれない、ブラックホールなのかもしれない、太陽ではないかもしれない、だけど撮影の中で俳優さん達の活き活きとした表情が伝わってきました。

私が師事した園子温監督はどんな場面でもテストをしません。周りの私たちはハラハラしますが、本番、本番で進んでいくとスタッフもキャストも、ウカウカできません。すると、みんなが夢中でどんどん前のめりになり、現場の温度が一度上がるのです。園子温監督をはじめ、助監督時代に色々な監督の下で培った経験を活かし、スピード感や緊迫感を大切にして現場の空間を作り上げ、もう二度と撮れない瞬間、この一瞬を如何に撮るかが撮影する側のプライドだと思っています。

 あらためて役者・大谷亮平さん、主人公・銭形富男について教えて下さい。

撮影の前に何度かお話をさせていただくと、大谷さんは非常に根が優しい方で、それこそ物静かで普段はあまりしゃべるタイプではなく、孤高な感じが主人公の富男と似ているなと思いました。周りと群れずに、一人でいる感じが抜群に似合う。

撮影時は、「その優しさが表面に出ないように気をつけましょう」、「富男はなるべく動かずどっしりと構え、周りにあくせくしてもらいましょう」という話をしました。その方がふと動いた時に強く映るという思惑がありました。
さらに富男の心の中にも魅力が隠されています。小林且弥さんが演じる弟・静香は過去に心の傷を持っていて、そんな静香を富男が闇金の世界に引きずり込んでしまう。弟を助けているつもりが「本当にそれで良いのか?」と、富男は罪悪感にも駆られていき、家族愛というにはあまりにダークすぎるというか・・。

撮影を進めていく中で、富男は富男で‟孤独で辛いな”と思い始めて、台本にはない台詞が警察官の言葉として終盤に追加されました。

世の中はある意味お金だけど、やっぱりそれでも埋まらないものがあるのだと、それこそがまさに「生きる!」ということなのではないでしょうか。この映画の撮影を通じて人間の本質(核)に触れられた気がしていますし、その先どんな人生を歩んでいくのか追い求めていきたい、そうなるとシリーズ化も・・・(笑)。

監督にとって特に思い入れのあるシーンを教えて下さい。

富男と静香が父親のことを話す件は、私自身の人生に重なる部分もあって特に強い思い入れがあります。父親、母親から受け継いでいる性格や生き方などは知らぬ間に染み込んでいる。目には見えないDNAがあり、それは誰しも知らず知らずのうちに持っていて、反発しながらも無意識に同じような生き方を模索して、気が付けば長い年月が過ぎている。それが人生ということなのではないでしょうか。

本当の意味で腹を決めて生きている人間は少なくて、みんなどう生きて良いのかわからない。でも、今はこういう仕事をしながら生きている。そういう意味では特殊な職業に就いた富男と静香と八雲の3人も、どんな職業で働いている人も同じなのかもしれません。

闇金を題材にした映画は他にもありますが、それだけではない親子間だったり、兄弟間だったり、または地方都市で債務者がたくさんいて、なぜかお金でもがきながら生きているという姿を描いています。それが最終的に大きなうねりとなって映画のカタルシスに繋がると良いなと思います。

最後に映画ログ会員やこの記事を読んでいる映画ファンにメッセージをお願いします。

理屈抜きで楽しめるエンターテイメント作品だと思いますので、純粋に楽しんでいただけたら有難いです。
主人公の富男に会うと安心するというか、叱られたくなるというか、そういう魅力的なものを持っています。お金の話に留まらず何か深いことを話したい、と。「世の中、カネだ」という言葉がはびこっているけど、そうじゃないと信じたい気持ちもどこかにあり、その何か大事なものを富男は知っているのではないか。観客の皆さんもそんな気持ちで、「また富男に会いに行こう!」と何度も劇場に足を運んでください。


<編集部より>

綾部監督、色々とお話頂きありがとうございました。『人狼ゲーム マッドランド』『人狼ゲーム インフェルノ』などヒット作品を連発されている監督に、是非『ゼニガタ』もシリーズ ”続編” 制作を期待しています。青春時代に熱中されていた格闘技で鍛えた集中力、助監督時代に様々な監督のもとで培った現場作りを武器に、今後もさらに熱い綾部映画を編集部一同楽しみにしております。
映画『ゼニガタ』は2018年5月26日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー!
出演:大谷 亮平
小林 且弥 佐津川愛美 田中 俊介 玉城 裕規
岩谷 健司 松浦 祐也 八木アリサ えんどぅ 土田 拓海 吉原 雅斗
安達 祐実  升 毅  渋川 清彦

監督:綾部真弥/脚本:永森裕二
配給:AMGエンタテインメント、スターキャット/制作プロダクション:メディアンド

(C) 2018「ゼニガタ」製作委員会

公式HP:http://zenigata-movie.com/
<予告編動画>

<ゼニガタ主演大谷亮平インタビュー>

<ストーリー>
その居酒屋は、深夜0時から金貸しになる。
錆びついた漁船が停泊するひなびた漁港。路地裏の一角でひっそり営む居酒屋「銭形」。店主は銭形兄弟の富男(大谷亮平)と静香(小林且弥)。表向きは居酒屋だが、深夜0時から闇金「ゼニガタ」に変わる。トサン(10日で3割)という違法な高金利で金を貸し苛烈な取立てで債務者を追い込むのが銭形兄弟のスタイル。ある日、ボクサー崩れの男・八雲(田中俊介)が「銭形」に入れてくれと申し出てきて…。
『ゼニガタ』舞台あいさつ開催
【日時】5月26日(土)12:30の回上映前
【場所】シネマート新宿・スクリーン1
【登壇者(予定)】大谷亮平、小林且弥、安達祐実、渋川清彦、綾部真弥監督(以上敬称略)
【チケット料金】2,000円均一
【チケット販売方法】チケットぴあにて販売(購入枚数制限:お一人様4枚まで)

■ プレリザーブ 5月12日(土)11:00~5月18日(金)11:00
■ 一般販売 5月19日(土)10:00~5月25日(金)18:00

詳細はシネマート新宿公式HPをご確認ください!


■ TSUKEMEN「Volcano(ボルケーノ)」生演奏 映画『ゼニガタ』主題歌 舞台挨拶にて披露
http://tokushu.eiga-log.com/new/7621.html

■ 大谷亮平初主演!映画『ゼニガタ』綾部真弥監督インタビュー
http://tokushu.eiga-log.com/interview/7506.html

■ 映画『ゼニガタ』大谷亮平インタビュー動画 銭の形は人の闇 屑の数だけ銭が舞う
http://tokushu.eiga-log.com/new/7134.html

■ 演技派 田中俊介インタビュー 映画『ゼニガタ』銭の形は人の闇 屑の数だけ銭が舞う
http://tokushu.eiga-log.com/new/6924.html

■ 映画『ゼニガタ』大谷亮平初主演
http://tokushu.eiga-log.com/movie/7143.html

■ 映画『ゼニガタ』主演 大谷亮平さんインタビュー
http://tokushu.eiga-log.com/interview/7787.html






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