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Q.ところで、今日で528日目のロングランとなり監督の舞台挨拶も続いています。多くの作品が現れては消えていくなか、これだけのロングヒットを監督はどのように受け止めていらっしゃるのですか?

今のたいていの映画は、実は長く続いているんですね。映画館で観て、その後にすぐDVDが出て、家で観るとかレンタル屋さんで借りて来るとか、割と普通に当たっている映画はたいてい観続けてもらえるんですね。

でも、やっぱり映画館で観る、映画館でその映画の中の世界に浸ってもらうことと、家でDVDを観るのとは完全にイコールではないような気がするんですよ。そういう意味では、自宅のモニターや配信で見るとか、そういうのとはちょっと違う、映画館にはっきり空間があってね、その空間そのものがすずさんのいた世界の空間に繋がっていくような映画の作り方をしたものですから。ですから、映画館にかけていただくというのは、この映画の場合には非常に大事なことかなと思っていて、同じ様にずっとずっと映画館でリピートしてもらえるのであれば、作り手側の思いとしては、そうあって欲しいなと思っていたことの実現なんですね。

公開直前ぐらいなんですが、試写を見てこの映画を上映しようと思ってくれたある映画館の方が、凄く応援する言葉を発信して下さったんですね。そんな風な、これは自分たちのものでもあるという映画館の方々の気持ちで映画が押し出されてゆく。それがまたずっとスクリーンで上映し続けていただけるというところに繋がっていったんじゃないかと思えたわけなんですね。

映画館そのもの、映画館の存在そのものがこの映画にとっては大事な場になっていった。だからこそ、できるだけ映画館に舞台挨拶という形でこちらから足を運んで、お客さんにももちろんですが、映画館の方々ともお互いに一つのものを巡って、上映したり作ったりとかいう関係で、ずっと進んでいけたらなと思っていました。

Q.制作当初から‟これだけ長く続くといいな”というお考えはあったのですか?

実は、『マイマイ新子と千年の魔法』も一年ぐらいは断続的にだけど続いたんですよね。なおかつ『マイマイ新子と千年の魔法』はこの間公開8周年の記念上映をやったりして、今年は9周年をやろうとか言ってて。で、時々は映画館にかけてもらったりしているんですよ。

一度映画館で封切られてロードショーされた映画だからそれで終わりではなくて、これからは何回もスクリーンに戻ってくる映画がもっともっと沢山あってもいいのではないかと思っています。昔は沢山あった名画座がそんな役割を負っていたんですけれど、今ではシネコンでもそんな風に映画をかけてもらえるようになって、『マイマイ新子と千年の魔法』も、8周年上映はシネコンでやってもらったりしました。『マイマイ新子と千年の魔法』も僕達が舞台巡りみたいなのをやることがあってそのために舞台となった山口県防府市に行くと、その時だけ防府のシネコンでかけてもらったりしていたんです。

断続的にですけど、そんな風に映画をかけてもらえるというのは、『マイマイ新子と千年の魔法』の頃から少しずつあって、『この世界の片隅に』もその意味からすればその延長で広がって行ってるんじゃないかなと思うんですね。

ミニシアターもだけれど、シネコンの人達も同じような気持ちで映画を扱っていらっしゃるんだなと思いました。


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