永久保存版!映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』感動のフィナーレへ!吉平 “Tady” 直弘監督インタビュー

映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』感動のフィナーレへ!吉平 “Tady” 直弘監督

映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』
吉平 “Tady” 直弘監督インタビュー

漫画家・弐瓶勉氏の代表作である『シドニアの騎⼠』は、TV アニメシリーズは、ポリゴン・ピクチュアズ設立 30 周年記念作品として制作され、世界各国で配信された初の日本アニメとなり数々の賞を受賞しました。そして 2021 年、ついに『シドニアの騎士』が帰ってきます!

主要なアニメスタッフが再結集するとともに、原作者である弐瓶勉自らが総監修を担当し、コミック版とは異なる新たな内容も多く盛り込み、いよいよ完結となる劇場アニメーション映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』

6⽉4 ⽇(⾦) 新宿バルト9 ほかにて全国ロードショーとなる本作の公開を前に、吉平 “Tady” 直弘監督にシドニア最後の戦いに込めた熱い想いを語っていただきました。

―― 作品が完成し、公開を控えた今の心境をお聞かせください。

吉平 “Tady” 直弘監督
“なんとか無事に完結を迎えることが出来たな”という気持ちでいっぱいです。自分にとって凄く大切な作品だったので、それを作れる喜びとともに凄い重圧も受けていて、最後の試写会の直前までプロダクション的にも本当にギリギリの闘いをしていました。試写会で皆さんに「良かった」「感動した」と多くのリアクションをいただけてやっと少し安堵することができたのかなと。前作から6年経ちますが、皆さんが待ち望んでいた『シドニアの騎士』の続編として、また2021年の劇場作品として胸を張れる形で完成を迎えられたかなという気持ちです。

―― やはり新型コロナウイルス感染症の影響もあったのでしょうか。

吉平 “Tady” 直弘監督
はい、プロダクションの佳境の時期に新型コロナウイルスのインパクトがあり、緊急事態宣言がありました。

突然のリモートワークの中で、アーティスト自身が感じている生活への不安、顔が見えない中でどういう風に良いものを創っていくのか手探りの状況で制作を進めることになったのですが、これまで「シドニア」を創ってきたスタッフたちの情熱にすごく助けられましたね。不慣れで働きにくい環境であるにも関わらずアーティストが熱意を持ってチャレンジをしてきてくれた。顔が見えない僕らに対して、もっといいものをという気持ちを絶やさずに作品に向き合ってくれた。そんな彼らの真摯さに対して、本当に涙が溢れるような思いでした。

チェック一つとってもリモートでしたし、クライマックスの一番ハードなシーンを創るところでそういう大変な状況になっていたので、先行きに対する不安を持ちつつも、皆の信念がひしひしと感じられて。僕もひたすらそれに応えるべく…。チェックをする時に、OKかNGかを書いていくんですけど、その文章にも愛を込めてというか、より伝わるように文章を何度も推敲(すいこう)したり、絵を描き加えたり、それでも伝わっていなかったらすぐ話そうということで、とにかくコミュニケーションを濃くして気持ちを伝えていたら、アーティストたちがそれ以上に応えてくれた。その結果としてあの壮絶なクライマックスシーンが成立出来たのだと思います。

―― 劇場版として本作をまとめていく上でどのような点にこだわられたのでしょうか?

シドニアの騎⼠ あいつむぐほし,画像

吉平 “Tady” 直弘監督
アニメ化されていない原作コミックの残りの巻数にはTVシリーズ1シーズン分以上の作品ボリュームがありました。これを劇場版のサイズでストーリーを再構築しながらも原作ファンを裏切らないものを創らないといけないという難しいチャレンジになりましたね。

そして、6年の期間が空いた続編を劇場版として作ることの難しさもありました。シリーズものは初見の方のとっつきは悪くなりやすいし、TVシリーズを観ていただいていた方でもすでに忘れてしまっている部分もあるかもしれない。そこで脚本上ではシドニアの世界観のエスタブリッシュをきちんと入れて、初めて観る方には単体のシドニアのエピソードとして観れるように、ファンの方にはTVシリーズ第1期、第2期を観続けてきたことに対する多くのアンサーが含まれるようにと、この二つの側面から脚本を組み上げるアプローチになりました。

【関連記事】『シドニアの騎⼠』ついに完結!復習映像解禁!!

―― 確かにTVシリーズ第1期、第2期で投げかけられていた謎がどうなるのか。長道の人物像、小林艦長の人生、色んなアンサーが詰まっているのでまとめるのは大変だったのかなと思います。

吉平 “Tady” 直弘監督
最初に脚本があがった時には全部で140ページくらいありましたからね(笑)

これでは絶対収まらないし、かつそれでも足りない。原作から脚本にする時にも再構築をしましたし、さらにコンテに入る時にも再構築をして、何度も見直して皆さんに協力してもらいながら創りあげていきました。

―― 劇場版発表の際、「『シドニアの騎士』が監督を目指すきっかけになった作品です」と仰っていました。監督になるまでの道のりを振り返ってください。

吉平 “Tady” 直弘監督
まず、この作品が始まった時は編集グループの管理責任者の立場でした。当初はこの作品だけにのめり込むつもりもなく、TVシリーズを制作するためのレビューシステムを開発して、どのように日々のチェックするかワークフローを構築していました。実際の作業はスタッフに任せていくつもりだったのですが、気が付いたら瀬下さんに日々のチェックに巻き込まれ(笑)、映像として物足りない部分にリテイクを出していました。編集作業も任せていたはずなのに気が付いたら静野さんに指名され自らカッティングして、そのうちにポスプロの作業も全て請け負って、最後の仕上げまで担当する深い関わりになって…。その頃には作品と自分のやりたい映像作りがどんどんリンクしていく喜びを強く感じていました。

第2期で「演出をやってみないか?」と声をかけられたときは、嬉しくて即座に演出をやる決断をしました。編集グループでは、メーカーさんのセミナーに登壇させて戴いたり取材を受ける立場だったんですけど、それを手放して新たにゼロからチャレンジするのはすごく勇気も必要でしたが、当時のプロダクションの大変な状況であったり、もっと良い映像を作りたいという想いもあって「演出だけでなく副監督をやりたい」と自ら直訴までしまして、これからは軸足を演出に置いて人生をかけていくぞ、そして監督を目指すぞ、と人生の転機になった特別な作品なんです。

そして、より良い表現をしていくことで、実際に観ていただく方々からの評価に繋がっていて、皆さんに感動していただけたり、興奮してもらったり、制作を通じて得られる喜びにますます自分自身が虜になって憑りつかれていきました。そんな喜びを教えてくれたのもこの『シドニアの騎士』なんです。

だから今回、完結編の監督のお話をいただいた時は最高に嬉しかった。ただ、シドニアの騎士にずっと携わってきた自分としてはすごい重責というか(笑)、大監督二人の後にやっていくプレッシャーもあって、今まで以上に強く勇気を持ってチャレンジしていこうと決心したこともあり、やっぱり自分を奮い立たせてくれる作品なんだなと改めて思っています。

―― 瀬下さんが総監督、弐瓶さんが総監修です。新しい三人体制での制作においてはどんなお話をされたのでしょうか?

吉平 “Tady” 直弘監督
弐瓶さんがアニメに積極的に関わってくださるのは映画『BLAME!』(2017年)の時からだったと思いますが、今回はこの三人の体制をより強化して良いものを創ろうという想いがありました。

作品を作る上で旗印として起点になっていただくのが弐瓶先生で、瀬下総監督には脚本開発や初期プリプロで沢山力を貸していただき、得意のミリタリー的なディティールの描写やSFの考え方にご注力いただきました。弐瓶先生には作品の世界観はもちろん、今回のアニメで何を実現したいかを強く打ち出していただきつつ、僕の方は約2時間の作品の中でどう視聴者に伝えていくのか、感動してもらうのか、エンターテインメントとしてのドラマの深さを掘り下げていくことを重視させていただく形で、それぞれがそれぞれの視点を持って、脚本開発を行っていきました。

脚本から先は演出が右往左往して作品の軸がブレないように、台本・コンテ以降を全てお任せいただいて、監督として大きな責任を一身に背負って、まとめてきた形ですね。

―― 作品をまとめていく上では弐瓶さんの意見やアイディアが重要になったのですか?

吉平 “Tady” 直弘監督
作品を上手くまとめるというよりは、より新しいアイディアをどんどん提案してくださいました。

まず、仰天したのが「10年後から始めたいです」という提案ですね。ただ、これがよく考えられた仕掛けで、単に漫画の続きではないと既存のファンに宣言するだけでなく、新兵たちがガウナと初めて対決する場面を描写することによって新しい視聴者の人たちにシドニアの世界観を伝えていくことが出来る。さらにその中で長道たちは一体どうなっているの?という興味を引く導入部も作ることができる非常に素晴らしい提案でした。

さらに弐瓶先生が「10年後の長道の姿はこうなんです」という画を書いてくださって僕らはまた仰天させられましたね(笑)

劇場アニメーション映画『シドニアの騎⼠ あいつむぐほし』

―― “長道立派になったなぁ”って思いました!

吉平 “Tady” 直弘監督
TVシリーズのファンに対して、“前作と顔が違っている!”と反発すら招きかねないのですが、弐瓶さんから「新作として成長した長道を、10年後の長道をこんな風に描きたい」と自ら積極果敢にチャレンジしていただいたからこそ、僕らはそのアイディアをストーリー要素と演出として織り込んで、10年の成長を凝縮した形で表現していくことが出来ました。弐瓶さんは総監修とクレジットされていますが、まさに今作の中心だったと思います。

―― ラブストーリーとして、決着をつけて欲しい気持ちと、決着をつけて欲しくない気持ちが混在していました。監督の思い通りの谷風長道の恋路を描くことが出来ましたか?

シドニアの騎士 あいつむぐほし,画像

吉平 “Tady” 直弘監督
“ラブストーリーと完結編を同時に描くことは凄く難しい”とプロットの時から思っていました。

初めて観る方への導入も必要ですし、ガウナ対人類における大戦争のスペクタル要素もあります。さらに、完結編としてシドニアに長く生きてきた小林艦長の世代からのドラマも解決していく必要がある中で、長道とつむぎのラブストーリーをしっかりと描き切ることは非常に困難な脚本開発になるはずだと。ただあくまで自分の気持ちとして、“本作はラブストーリーなんだ、派手なアクションの戦争アニメではないんだ”というところにしっかりと焦点を絞って取り組んでいきました。

ラブストーリー単体として満足できるかといえば、もっとたくさんつむぎの可愛らしいシーンを入れたかったとか、そんな淡い気持ちもありますけど、シドニアの騎士の完結編として、多くの複雑な要素をしっかりと編みあげた最高の構成が出来たと思っています。

―― 騎士として成長し、その役割を最後まで果たそうとする長道を観ることが出来ました。シドニアの皆を守るため、シドニアの歴史を知り、人類の命を守る、大義に対して騎士として立ち向かっていました。シドニアの騎士道を監督の言葉で表現するといかがでしょうか?

吉平 “Tady” 直弘監督
これは静野監督から受け継いできた考え方がベースになっているのですが、「弐瓶先生の非常に独創的で唯一無二の世界観、SFの全く想像できない遠い未来の中でも、人々の持っている感情や行動の普遍性が描かれているのがこの作品の魅力なんだ」というお話を以前から伺っていました。

本作ではその捉え方を突き詰めていって、映像として描かれる数年間だけでなく、シドニア世界の長い年月において人々は何を想い、何を良かれとし、何を後悔し、何に向かっていくのか、その考え方を大切にして作品の中に反映させています。ただ敵だからガウナを倒すのではなく、そこにはどんな想いがあるのか、これは「大切なものを守りたい」という人類としての普遍的な想いや行動とまさに同じなんだと思っています。

現代の歴史の延長線上にシドニアに暮らす人々の歴史があり、人類の変わらぬ普遍性や想いが遠未来で描かれるのがこの作品なんだと。そう捉えることで本作のドラマの重厚さにおいても、壮大な歴史ものと同じように人類の普遍性の描写が出来るんじゃないか、さらに独自の世界観と相まってより大きなストーリーが出来るんじゃないか、と。これはこの作品にかけてきた自分の想いそのものでもありますね。

―― ありがとうございます!動画インタビューでは、さらに監督の本作への熱い想いを打ち明けていただきました。

【近日公開!】吉平 “Tady” 直弘監督動画インタビュー

【keyword】騎士道:騎士としての長道の決意の背景にある「騎士道」精神とは
【keyword】小林艦長:非情の決断に至る孤高のリーダーの思いとは・・・
【keyword】声優:逢坂さんと洲崎さんが支えた長道とつむぎの気持ち
【keyword】岐神(くなと):岐神への思いについて
~吉平”Tady” 直弘監督からのメッセージ~

6⽉4⽇(⾦) 新宿バルト 9 ほか 全国ロードショー

原作/総監修
弐瓶 勉『シドニアの騎⼠』(講談社「アフタヌーン」所載)
総監督:瀬下寛之
監督:吉平 “Tady” 直弘
キャスト
⾕⾵⻑道:逢坂良太
⽩⾐⽻つむぎ:洲崎 綾
科⼾瀬イザナ:豊崎愛⽣
緑川 纈:⾦元寿⼦
岐神海苔夫:櫻井孝宏
岐神海蘊:佐倉綾⾳
仄姉妹:喜多村英梨
⼩林艦⻑:⼤原さやか
勢威⼀郎:坪井智浩
落合:⼦安武⼈
ヒ⼭ララァ:新井⾥美
サマリ・イッタン:⽥中敦⼦
佐々⽊:本⽥貴⼦
弦 打攻 市:⿃海浩輔
丹波新輔:阪 脩
⽥寛ヌミ:佐藤利奈
科⼾瀬ユレ:能登⿇美⼦
⼭野 稲汰郎:内⽥雄⾺
浜形 浬:上村祐翔
端根 ⾊葉:⽔瀬いのり
半間 ⼄希:岡咲美保

主題歌/挿⼊歌:CAPSULE 作詞/作曲:中⽥ヤスタカ
⾳楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
配給:クロックワークス
製作:東亜重⼯重⼒祭運営局
公式HP:https://sidonia-anime.jp/
Twitter:@SIDONIA_anime

©弐瓶勉・講談社/東亜重⼯重⼒祭運営局

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