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Q.監督自身もアルバイトで生計を立てていたと伺いましたが、どんな仕事を経験されたのですか?

若いころは夏にバカンス村(クラブメッドを想像してください)のスタッフとして、ショーやゲームを宿泊者に提供するアニマトーレとして働いていました。

その後も、ロンドンのファーストフード店でレジ係をしたり、ミラノでマーケティングの仕事をしました。ロンドンのお店では、ハンバーガーやサンドウィッチの注文を受け、「店内で食べますか?お持ち帰りにされますか?」「他にご注文はございますか?」「お食事お楽しみください!」という決まり文句の英語を駆使して接客を行い、後はスマイル(笑)。ちゃんと笑って接客を行っているか?をチェックするスタッフがいて、真顔で注意されるので緊張しながら笑っていました。帰宅してスイッチを切るまで、笑顔が張り付いていましたね(笑)。

アルバイト生活は、2010年に本シリーズ1作目『いつだってやめられる 7人の危(アブ)ない教授たち』の脚本執筆の契約を結ぶまで続けていました。楽しいことや辛いこと、もちろん貧しさも含めて自分自身が色々と経験してきたからこそリアルな表現が生まれたのかもしれません。ロンドンの仕事も好きだったので、将来どんな状況にも対応する準備はできていますよ(笑)。

Q.今は、相当“リッチ”な生活を送っているのでは?

そんなことはありません(笑)。

エンニオ・ブライアーノ氏(フェデリコ・フェリーニ氏の代表作『甘い生活』で脚本を担当)がかつて語っていたように、「映画の危機は脚本家や監督が公共手段で移動しなくなった時に始まった。映画に携わる人間は市井の人々の中にいなければいけない。自家用車に乗って移動するようになってから、映画の斜陽が始まった」と言っています。その言葉を胸に、私も生活は変えていません。ご覧の通り、見た目もラフで、お金持ちにはみえないでしょう?(笑)

Q.脚本は監督の経験を基に作り上げたのか、入念な調査に基づいているのか教えて下さい。

経験、リサーチ、イマジネーション全ての要素が入っています。

例えば、アパートのエレベーター料金を共同で支払うというのは実話です。私が2階に住んでいて、エレベーターを使っていなかったこともあり支払いを忘れていたら、催促され仕方なく支払いました。払ったからにはと、その後は毎日エレベーターを使いました(笑)。

そう言ったプライベートなエピソードも入っています。

一方で、科学的・学術的な部分は大学へ行ってリサーチをしたり、専門家にコンサルタントとして参加してもらいました。クロマトグラフィーがチラッと見えて、「神経ガスを作っているのかもしれない」という台詞は、専門家の意見を反映しているシーンです。

リサーチがすごく楽しくて、こんな機会がないと一生知ることがないような知識を得ることができました。映画の製作を通じて、世界を冒険しているような気分になりました!

Q.大学を卒業しても仕事が少ない、研究者にも予算が行きわたらないという状況から脱するにはどうすれば良いと考えますか。

難しい問題ですね。

(今は)過渡期で、アナログ世代とデジタル世代が混在している状況です。突破口は新しい、若い世代にあると思います。

とはいえ、映画監督としては問題にカメラを向けることが仕事です。解決策を与えるのは政治家にお任せしましょう。でも、もし私が政治家だったらもう少しお金持ちだったかもしれないですね(笑)。


<編集部より>
インタビューの最後に話題はサッカーへと移り、地元サレルノのサレルニターナが1998年にペルージャ中田英寿氏にゴールを奪われ敗れたことを教えてくれました。その悲しみ・悔しさは一生忘れられない、大きな失望だったそうです。

インタビュー中、次から次とトークを繰り広げ、たくさんの笑いを提供してくれたシドニー・シビリア監督。「とにかく皆さんに笑って楽しんでもらえたら嬉しい!」というこの映画が、日本中の劇場と観客に笑顔を届けてくれることでしょう。シビリア監督、これからも楽しい映画を作り続けて下さい。

イタリア発の痛快コメディ映画いつだってやめられる 10人の怒(イカ)れる教授たちは5月26日(土)より、Bunkamura ル・シネマ他全国ロードショーです。

取材協力:ギャラリー册 HP:http://www.satsu.jp/
■予告動画

■キャスト
【出演】
エドアルド・レオ(『おとなの事情』
ルイジ・ロ・カーショ(「夜よ、こんにちは』、『人間の値打ち』)
ステファノ・フレージ
グレタ・スカラノ
ヴァレリ ア・ソラリーノ
■スタッフ
【監督・原案・脚本】
シドニー・シビリア

原題:Smetto quando voglio-Masterclass
/2017 年/イタリア/イタリア語/119分/シネスコ/カラー/字幕翻訳:山田香苗 配給:シンカ 提供:シンカ、樂舎 特別協力:イタリア文化会館
■公開情報
5 月 26 日(土)、Bunkamura ル・シネマ他全国ロードショー
■公式サイト
http://www.synca.jp/itsudatte/
■コピーライト
©2017 groenlandia srl /fandango srl
※映画ログ会員の評価・感想・ネタバレ※
・人材の国外流出という問題を本質に、いわゆるグローバル化の問題を随所に散りばめて描かれているが、男女(夫婦)間の問題、テンポの良い掛け合い、インテリ学者のアクションシーンなど、誰にでも笑える要素盛り沢山。

・原題「Smetto quando voglio-Masterclass」、邦題「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」は、女性うけするようなイケメン達ではなく、運にも国にも見放されていた尖った奴らが繰り広げる爽快コメディ映画だ!!

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