小槙まこさん、いまおか監督からの要望は「ヒロイン感を出して」映画『葵ちゃんはやらせてくれない』

小槙まこ,葵ちゃんはやらせてくれない,いまおかしんじ

映画『葵ちゃんはやらせてくれない』公開記念
小槙まこさん&いまおかしんじ監督インタビュー

いまおかしんじ監督の最新作『葵ちゃんはやらせてくれない』が2021年6月11日(金)よりシネマート新宿にて1週間限定レイトショーです!

映画監督志望の青年・信吾(役:松㟢翔平さん)の前に、自殺した大学時代の先輩・川下さん(役:森岡龍さん)が幽霊になって現れ、「映研時代に戻って葵ちゃんとセックスしたい」と当時にタイムスリップし、その願いを叶えるべく奔走する本作。

その突飛な発想とB級映画感を漂わせるスタイルながら、意外と感動したり考えさせられたりしちゃう、必見のタイムスリップ・ラブストーリーです!

小槙まこ,葵ちゃんはやらせてくれない,いまおかしんじ

葵ちゃん役の小槙まこさん、いまおかしんじ監督

小槙まこ,葵ちゃんはやらせてくれない

【写真】小槙まこさん(全7枚)

今回は、いまおかしんじ監督と先輩が想いを馳せるヒロイン・葵ちゃんを演じられた小槙まこさんにお話を伺いました!

【動画】いまおかしんじ監督&小槙まこさん動画インタビュー

―― 早速ですが、どのような形で映画化に至ったのでしょうか?

いまおかしんじ監督
撮影が昨年の6月で、緊急事態が明けてすぐ撮りました。その半年ぐらい前だと思うんですけど、「何か企画ないですか?」って言われて、川下さんが蘇ってくる企画は5、6年前に映画で撮ってるんです。その続きというか、これを作るのをライフワークにしたいなと思っていて。

2作目は何となく書いていたものがあって、それが家に眠ってた。ようやく撮れるチャンスがやってきたと思って、「こういうのやれないかな」という感じで出して、「じゃ、この企画でやろう」みたいな感じになったのが最初ですかね。

―― 小槙さんは台本を読んだ時にどんな印象を持たれましたか?

小槙まこさん
最初台本を見て、川下さんが蘇ってリープするみたいなのは凄い面白いなって思いました。けど、どうやって描いていくんだろう?というか、最終的にどういう感じになるかという画が見えなくて、それは凄く楽しみでした。

―― 監督作の『こえをきかせて』(19)は妄想シーンの連続で、肉屋と超能力の掛け合わせでした。当時は、川瀬陽太さんと「敷居が低いけれども意外とバカに出来ないぞ、みたいな作品作りが出来るといいよね」というお話もされていました。今回は監督が求めていた通りに創りあげることが出来たのか、作品のコンセプトを含めてお聞かせください。

いまおかしんじ監督
予算も少ないし、制作体制も小さいし、凄い立派なことは出来ないんですけど、タイムスリップもするけど幽霊と現実の人が一緒に行くとか、ゾンビのミュージカルとか、ギターの弾き語りとか、面白そうなことは全部のせて♪のせて♪みたいな感じで(笑)普通では出来ないようなものが出来ないかなって、そういうことは思ってました。

―― アナログなシーンもありつつ、ジーンとくるものもありました。小槙さんは最終的な落とし所が分からない中、楽しみながらやられたということですが、逆に見えている部分の中で葵ちゃんってこう性格なんだとか、何か意識しながら演じたポイントが何かあったら教えてください。

小槙まこさん
現場に入ってまず「もっとヒロイン感を出してください。可愛らしくやってください」って言われて(笑)

いまおかしんじ監督
言ったっけ!?

小槙まこさん
言いました(笑)

私の中で勝手な裏設定を用意して、親が離婚して母子家庭で育った、だから恋愛に踏み込めないっていうのを作って入ったんです。ヒロイン感と言われた瞬間に「家族を大事にしている子にしよう」って考え直しました。自分と共通点を作ろうかなと思った時に、私も家族が凄く大好きで大事にしてるので、そういうところでもっと心の優しい子で、人思いで、っていうのを自分と繋げてやってみたりしました。

葵ちゃんはやらせてくれない,画像

―― 裏設定の話は今聞かれたんですか、監督?(笑)

いまおかしんじ監督
知らない、勝手に(笑)

小槙まこさん
勝手に作ってました(笑)

―― 川下さんが蘇ってくる理由ですが、どう受け止めましたか?(笑)

小槙まこさん
そうですね…。

ない話じゃないですか、現実だと。でも、意外と本を読んだ時に結構真っ直ぐ受け入れられて、“そういう世界観なんだ、面白いな”って、全然違和感なく、意外と素直に(笑)

―― ずばり、川下さんの設定に込めた監督の狙いは?

いまおかしんじ監督
タイムスリップ物ってジャンルとしてあるんで、この設定を普通に皆受け入れてくれるというか、相当現実感なくても大丈夫かなというのはありました。

後は、僕の個人的なことで大学時代の先輩「カワシマさん」が40歳ぐらいで自殺して。凄くショックで、初めて身近な人が亡くなったんです。その人が居たってことを伝えたいなと思って。僕は映画監督をしてるので、フィクションの形でのっければ出来るのかなって。

死んだ川下さんが蘇ってくる物語は企画として何回でも出来るというか、出会う女性が変わればいいので。今回は映画研究部を舞台にして、僕が映研だったんで。そのカワシマさんも映研で、葵ちゃんって人が実際にいて好きだったんです。

それを嘘の話、くっだらない話にコーティングして出すっていうのが出来ればいいなっていう風に思いました。

―― 信吾が川下さんに「何で死んじゃったの?」って聞いた時、川下さんの答えが「何で死んじゃったのかな?」っていう返事でした。葵ちゃんとの恋愛があれば、そういうことから救われたんじゃないかなって感じました。そういうシーンに対して“意外とバカに出来ないぞ!”って監督が前に仰っていたエッセンスが込められていたような気がしました。

いまおかしんじ監督
自殺の本当の理由は死んじゃってるので分からないんです。色々想像するんですけど、分からないけど…。「セックスしたい、セックスしたい」ってずっと言ってたので(笑)、そういうところを残したいなと思って、そういうなんだろうな…。

葵ちゃんはやらせてくれない,画像

―― 葵として川下さんはどういう気持ちで会いに来たと感じていましたか?

小槙まこさん
川下さんは多分自分の心のまんまなんですけど、葵ちゃんからすると戻って来る度に会うと気持ちが動かされることが多くて。(森岡さんが)今の話を聞いてやってらっしゃるのか分からないんですけど、相手の心を動かす力が凄いなと思って。私も全然知らなかったんですけれども、深い、感動ですよね(笑)

いまおかしんじ監督
だから、最初葵ちゃんは“川下さんのことはあんまり…”って設定を考えてたんですよ。脚本書いてる時に途中で“もしかして好きなんじゃないか”って。好きだけど上手くいかない方がいいかなと思って、本もそういう風に変えていったんです。

小槙まこさん
学生だと結構ありがちな恋愛ですよね。すれ違って、すれ違ってみたいな(笑)

―― そんな川下さん役の森岡さんとの撮影はいかがでしたか?

小槙まこさん
皆さん初めましてだったのですが、森岡さんは結構話してくださる方でした。役についても「こういうところどう思う?」とか「ここどうする?」とか、積極的に話してくださる方だったので、凄く大きい存在でした。

―― 監督は森岡さんや松㟢さんとはどんなお話をされたのでしょうか?

葵ちゃんはやらせてくれない,画像

いまおかしんじ監督
森岡くんも前に1本仕事してて、松嵜くん2回目か3回目ぐらいの感じで、お互いに話したりとかはしてたので。リアルな僕の先輩の話とかもするんですけど、「あんまりそれに囚われないで全然別物で、この役の中で好きにやってもらっていいですから」みたいな話はしました。

実は前回撮ったやつは、川下さん役の人が凄い太ってたんです。森岡くんに「今回はもう別の話と思ってやってもらっていいですから」って言ってたんですけど、たまたまコロナ明けで結構太ってて(笑)「役作りしたの?」って聞いたら、「(緊急事態宣言で)2ヶ月外に出てないから太っちゃっただけなんです」って(笑)

今は戻ってると思います。この時太ってたよね(笑)

―― この作品の中で葵ちゃんが歌う「人を喰うのはもうたくさん~」が頭の中でぐるぐる回るんですけど、意外と歌がお上手というか、昔から歌っていらっしゃるんですか?

いまおかしんじ監督
意外と(笑)

小槙まこさん
(笑)
全然。仕事で何度かあるんですが、本格的にやることはなくて。

―― ギターも最近習い始めた?

いまおかしんじ監督最新作『葵ちゃんはやらせてくれない』予告編完成!

小槙まこさん
この作品で初めてギターに触って…(笑)

いまおかしんじ監督
無茶振りだよね。無理なこと重ねよう!失敗してもいい!みたいな。失敗してもいいから全部やろうよ!みたいな。ミュージカルっぽいのも出来ないんですけど、やろう!って。

―― 小槙さんはあの曲だけで活躍していけるのでは?っていうぐらいセンスを感じました(笑)歌詞は監督が考えられたのですよね?

いまおかしんじ監督
自分で書かないとしょうがないから(笑)
誰かに言われたんですけど、「歌詞も台詞と同じだ」って。そういうつもりでは書いてます。

―― 加えて、映研のシーンも凄く良くて、学生時代の気持ちに戻ったような感覚でした。

いまおかしんじ監督
若者しか出て来ないですからね。三上寛さんぐらいだよね。俺なんて若干距離がありつつだったけど、(キャストは)ワイワイやってるから“楽しそうだな”って。“俺は輪に入れねーな”みたいな(笑)

小槙まこさん
ほんと、学生に戻ったような感覚で。逆に、私の学生時代にこういう感じのことをしてなかったので。

いまおかしんじ監督
寂しい学生時代だね。

小槙まこさん
そうですね。真っ直ぐ家に帰るみたいな感じだったので。演劇部とかサークルに入ってたらまた違ってたのかなって。

―― バーベキューのシーンも本当にバーベキューを楽しまれていたのでは?(笑)

小槙まこさん
(本当に)やってましたね。

焼いて食べさせるのもアドリブだったのですが、誰かしら焼けてない肉を食べさせようとしたり(笑)、全然分からないところでイタズラを始めたり(笑)

あのシーンがあったからみんなと仲良くなれて。

―― その辺りは監督の狙い通りかもしれませんね(笑)撮影をされていく中で、変更した部分はありましたか?

いまおかしんじ監督
3回くらいタイムスリップを繰り返すので、その度ごとに意外性をどういう風に入れたらいいのかなとか、同じ現実を繰り返すけど、飽きさせないようにちょっとずつ違うとか変わっているとかは意識しました。

あとは、撮り切れないシーンが出てくるので、どのシーンを撮らないと宣言するか。プロデューサーに「もう時間ないから、このシーン切ろう」と突っつかれて「ちょっと待って」って(笑)その辺を計算しながらやったりしていました。

―― 3パターンそれぞれに違いがあって凄く良かったです。撮影をしていく中で、一番の発見や気付きがあれば教えてください。

小槙まこさん
最初は純粋な感じなのに葵ちゃんも積極的になっていくのが、それはそれだけ気持ちを動かしてくれる川下さんが居たからなので、台本を読んだ時点では自分の中でも気付いていない演じてみて初めて気付く心の変化が凄くありました。

―― 監督はいかがですか?

いまおかしんじ監督
モデルになったカワシマさんが素人童貞だったんです。

“何で世の中の女性はカワシマさんにやらせないんだ!”“やらせる人が一人か二人いれば、死ななかったかもしれない”という、女性に対する敵意があるんだけど、だからこそ上手く恋愛が進むことが奇跡的なことだな、本当に難しいことだなとか思って。そういう実感を入れたいというか。生きる希望じゃないですけど、川下さんは死んじゃっていますけど、幽霊になって、恋愛はやっぱりうまくいかなかったけど、明日への希望に繋がるものは貰える、むしろその方が大事なことかもしれないとか。

台本を作ってる時にも思ってるんですけど、どのように形にして人に伝わるようにするかは現場では手探りでやっているんで、小槙さん頼りでした。

―― 信吾が「なんでやらせないんだ!!」と言っていましたものね。

いまおかしんじ監督
そういうことですよ。
そういう気持ちがずっとあります。でも現実はなかなかやれないし、やったからって変わらないと思うけど。

―― それも凄く伝わってきました。監督が奇跡的と表現された【恋愛】が本作のキーワードでもあると思いますが、小槙さんにとっての純粋な恋愛、何が恋愛なのかについてはいかがでしょうか?

小槙まこさん
“この人のために何かをしたい”とかが結構大事だなと思います。

結局、葵もそうやって動かされているような気がして、川下さんのためにと思っていたのが、自分から川下さんに近づいていっているような気がするというか。その人を想う気持ちって自分の中でも大きな変化だったりするのかなって。

―― なるほどです。ちなみに、川下さんはタイムスリップして一晩で消えてしまいますが、信吾は元々生きていた世界に戻っているんですよね?それともタイムスリップした時代の人生を生き直しているのですか?

いまおかしんじ監督
戻るんです。最初はそういうストーリーも書いてたんです。戻ったら現実とちょっと変わってたみたいな。でも、3回も戻るからややこしいから省こうみたいな。疑問にはなると思いますけど、大丈夫だろう、と。

タイムスリップは説明が出来ません。どうやっても辻褄が合わないんです(笑)

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だって突っ込み始めるときりがない(笑)

―― 確かにそうです。あまり考えずに映画に没頭して観ていました。

いまおかしんじ監督
そうそう、考えるな、感じろ!!、です(笑)


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お二人の楽しいお話はまだまだ続きます。いまおか監督と小槙さんにお互いの印象や魅力を伺っていますので、続きは動画インタビューをご覧ください!

小槙まこさん&いまおかしんじ監督動画インタビュー

キャスト

小槙まこ
松㟢翔平
森岡龍
佐倉絆
三嶋悠莉
増田朋弥
田中爽一郎
三上寛

監督

いまおかしんじ

音楽:宇波拓
脚本:佐藤稔 いまおかしんじ
製作:キングレコード
制作協力:レジェンド・ピクチャーズ
配給:キングレコード
2021年/日本/98分/カラー/ステレオ
公式HP:aoichan-movie.com
©2021キングレコード

6月11日(金)より
シネマート新宿にて1週間限定レイトショー!
6月19日(土)より
大阪シアターセブンにて1週間限定公開!

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