武正晴監督&友近さんインタビュー『暴れる、女』営業10年、山田孝之さんオファーで遂に映画化!

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目指すは映画『暴れる、女』長編制作
短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season1』

“変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開する『MIRRORLIAR FILMS』。9⽉17⽇(⾦)より公開となるSeason1の中の、『暴れる、女』を監督したのは本プロジェクトの発起人の一人山田孝之さんと『全裸監督』でタッグを組んだ武正晴監督。そして、主人公の響子を演じるのは武監督作品常連の友近さんです。

本作は、女囚の響子が刑務所から仮出所し、恋人に頼まれて迎えにきた友広(役:渡辺大知さん)の車に乗り込み、食欲や性欲、あらゆる欲望を開花させるという、暴れる響子の物語。

今回は、本作の公開を記念して、武正晴監督と友近さんお話を伺いました!脚本を務めた足立紳さんと武監督が10年来温めてきた本企画は、この短編を大いなる予告編と位置づけ、本作の続き、つまりは長編映画『暴れる、女』の制作を目指しているんです。インタビューでは、15分に託された野望と、こだわり抜かれた1カット、1カットに迫りました!

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「暴れる、女」営業10年、山田孝之さんオファーで遂に映画化!

―― 最初から衝撃的!友近さんの刑務所内のシーンから始まり、その人となりに視線や気持ちが持って行かれてしまう。そして、最後はタイトル通りの締めくくり方。“そりゃ暴れるよなぁ”という感覚と、“暴れるようになるんだぁ”という両方の感覚がありました。
まず、今回なぜ友近さんを主演に選ばれたのか、友近さんのためのストーリーだとも感じました。

武正晴監督(以下、監督)
ベストキャスティングってことですよね。

10年前、『百円の恋』の前に足立さんと作ったシナリオがあって、誰からも頼まれていないんですけど自分たちの中で“活劇を作りたいよな”って。日本映画で活劇が凄く少なくなってきていて、アクション、尚且つ、女性のアクションを撮りたいなって。明らかに十数年前から他所の国では女の人が主軸になったアクションの軸がきていて、間違いなくそういう時代がくると思っていてから、その流れで『百円の恋』も出てきたんです。

「暴れる、女」「戦う、女」「逃げる、女」とかいう風に自分たちで決めて、シナリオを作って、その第一弾が「暴れる、女」というシナリオ。今もずっと営業しているんですけど、なかなかアクションでああいう女が出て来て暴れるだけの話なので、感動も何もない(笑)要するに活劇をなかなか日本映画では作れない。

山田孝之さんから昨年の夏ぐらいに現場で「短編撮りませんか?」と誘われて、恐らく他の人たちは短編用のシナリオを考えてくるんだろうけど、新しくシナリオを作るよりも前に作ったもので何か出来ないかという発想もあったんです。

僕自身は映画のタイトルが出るまでが凄く好きな時間帯で、それだけ集めても良いくらい好き。良い映画は、タイトルが出る瞬間が一番ワクワクする。そのタイトルが出るまでを一つの作品として皆で作れないかなって思ったんです。

もう一つは、友近さんは『嘘八百』以来、色々な作品に出演いただいて、ジャストフィットしていただいているので(笑)友近さんにピッタリの役で、“女囚”は友近さんが飛びつくんじゃないかっていうのがあって、誘ってみたらどうかなって思ったんですよね。女囚を面白がってやってくれる人、まず一番の候補として友近さんが“絶対に面白がってやってくれるだろうな”って。作品的にも『暴れる、女』=友近さんがぴったりハマりそうな感じがして。シナリオの足立さんと相談した時も「友近さんはどうだろう?」って聞いたら「一番良いんじゃないですか」って(笑)

年齢的に40代前半とか40歳過ぎた人。刑務所の中で青春時代を無駄に過ごしてしまった悔しさを出せるアラフォーの素敵な女性。“まだまだ暴れるぜ!これからだぜ!”っていう女性が友近さんはピッタリで、これは当たるしかないなって。(友近さんも)「やります!」ってすぐ言ってくれました。

短編ですけど、実は長編への期待で、大いなる予告編、贅沢な予告編として、我々は山田孝之さんに感謝したい。誘ってくれてありがとう!大阪の堺で美味しいものも食べられたし(笑)

武正晴,暴れる女,インタビュー,画像

武監督「山田孝之さんに感謝したい」

友近さん、なぜ犯罪を起こしてしまったのかを紐解くのが好き

―― (笑)実は、前回『ホテルローヤル』の取材で武監督に友近さんのことをお話していただきまして、芸能の世界に身を置くことは、覚悟が必要なことで、芸を常に磨いている友近さんは凄い女優さんで、こんな人はいないと監督がおっしゃっていました。私たちからすると、友近さんと武監督は同志みたいなイメージを持ったんです。友近さんからは武監督はどんな監督、どういう方に見えていますか?

友近さん
興味があるものとか、ここちょっと引っ掛かるなとか、ここ面白く表現したいなっていう部分に凄く共感します。「それを映像化にしたいですね、それ演じてみたいです、私」とか、そういうお話も度々させてもらっている中で、監督も凄く私を理解してくださってるし、監督の世界観も凄く好き。

本当に昭和が大好きなんですよね。そういう色を残しながらの作品が少なくなってるし、その作品に携われるだけで私は「すぐやらせてください!」と、常にそういう姿勢なんです。なので、全て任せていこうと思ってしまう存在ですね。

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友近さん「監督の世界観も凄く好き」

―― 監督から女囚がぴったりというお話がありましたが、何か背景があって囚人になっているわけですが、友近さんの中では響子はどういう人間だと思いますか?

友近さん
乱暴でただただ暴力振るう女にも見えるけれども、実はこういうことがあったからこの人はこうなってるというのは絶対あるはずだと思いました。

女性犯罪者をまとめた本も凄く読んでいて、例えば、ホステス殺人事件の福田和子。あのような犯罪を犯していても息子は今でも母親の事を好きだという記事を読みました。“その愛情みたいなものはなんやろうな”とか。そういう人を演じたいのはありますよね、その人の人となり。なぜ犯罪を起こしてしまったのかを紐解くのが好きなので、私も理解したいし、皆さんにもこの人を理解して欲しいみたいな気持ちもちょっとあったりします。

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監督
映画の面白いところは、冒頭に出てきた見え方と、終わりの見え方が変わってくるところだけでいいんです。この短編を作る時に山田さんに一言言われたのは「テーマは変化です」と。“面白いことを言うな”と思ったんです。面白いというよりも、分かっているなと思ったのは、“変化”なんですよね、映画って。何かが2時間の間に変わって見えるだけでいいんです。それが一番貴重なわけであって、いい話を見せられて感動するところもあるでしょうし、お客さんの気持ちが変わるのも変化でしょうけど、何か見え方が変わる。

友近さんがおっしゃったように、“こんな女は理解出来ない”と思っていた人をちょっと好きになるとか(笑)、応援するとか、これこそが実はずっと自分がやってきていること。だから出だしの5分間、タイトルが出るまでの10分間がたまらなくて、毎回映画でそこをいつも緊張して観てる。タイトルが出るまでに、“一体どんな奴なんだ、こいつは”って思わせてくれるかどうか。そいつと一緒に2時間付き合ってみて、結果好きになれるかなれないか、もしくは応援したくなるかならないか。そこがやっぱ一番なんです。

10年前に書いた本なんだけど、たまたま足立さんとシナリオを書いてる時にニュースで、養護施設に子どもを奪還しに行って、乱入して、暴れて、捕まった父親がいたんです。ただ暴れてる父親なんだけど、ちょっと見方を変えて子どもを奪還しに来たということで考えると、“この養護施設が悪の要塞だったらどうなんだろう?”とか(笑)養護施設が悪の巣窟だと想像したら、これは映画になるなと思って。世間的に見ると犯罪者になるんだけど、我が子を取り返しに来た父親は、ひょっとすると映画の中では主人公になり得る。

暴れる女,画像 暴れる女,画像

つまり、『暴れる、女』には何か理由がある。元々、暴れている女だけど、刑務所の中で甘い物も食えなくて、麩が1個だけ浮いているような味噌汁ばっかり食ってたらムカつくだろう、と。外に出たら暴れるしかねぇじゃんって(笑)刑務所に入って、人が善くなるわけがない。もう二度とここには戻りたくないという気持ちは当然出てくるけど、とんでもないバカ野郎たちの身代わりのように捕まった響子が、饅頭を食って、あそこには戻りたくないと思って、段々元に戻っていくだけの話。

だから、友広(役:渡辺大知さん)はぶん殴られながら“いつもの姉さんのパンチだ”と思う(笑)可哀想な奴なんです。“あっ、いつものパターンだ”みたいな。だから、ある意味で元に戻っていく女、そこが変化なんですよね。だけど、登場したけど、この女が今度はさらにどうなっていくかの話をこれから、to be continued!

友近さんが言ったみたいに、この主人公をどうやったら好きになってもらえるか、そこには理由が必ずある。それを映画の中で語れたらいいですよね。

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―― 響子は抑圧と欲望と衝動の間を行き来する。どちらかと言うと欲望を躊躇なしに満たしに行くところがスゴイなって思えたし、1秒の迷いもなく突き進んでいく姿があります。そういう響子でありながらも、フラッシュバックのように蘇る刑務所内の記憶。出所した今、その時の自分を否定しているようにも見えます。この瞬間に生きる響子は結局どういう女性なのか、一言では表現が難しいと思うのですが、友近さんの中で膨らませたイメージを教えてください。

友近さん
気持ちに整理がつかないまま行動に出ちゃっている。理不尽なことで刑務所に入り、“やっぱり私は悪くないんだ”と思いながら、“何で私こんな目に遭ってるの?”みたいな。でも、今まで生きてきた中で反省しなきゃいけないこともあったかもしれないし。自分に置き換えて色々やるんですけど、“でも、やっぱちゃうよな”とか(笑)

日によって人間の感情が変わるように、考え方もあっち行ったりこっち行ったりする中で、やっぱり刑務に入るというのは想像を絶する。経験したことがないので分からないですけど、凄いんだろうなと思って、“それは暴れるな”って分かったりするんですけどね。

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『MIRRORLIAR FILMS Season1』(『暴れる、女』他)予告編

友近さんはじゃらん派。

―― なるほど、理詰めしていけばこの人はこうだって考えがちですけど、日によって人の気持ちも変わるから行動も変わる。そんなところから、多面性というか人間としての形を持っていく。そういう見え方なのかもしれないですね。
ちなみに、響子は大福が好きですけど、友近さんが欲望を抑えられない何かってありますか?(笑)

友近さん
東京から出たいっていうのが凄くあるんですよね(笑)
コロナの影響もありますけど、とにかく“地方に行きたい願望”が凄くあります!

監督
地方いいよねー。

友近さん
だから、ちょっとでも時間があったらすぐに時刻表見て、「この飛行機乗れる、この新幹線乗れる」ってどこか行っちゃうんです。ストレス発散になるし、行きたいし、それが現実逃避っていう人もいるかもしれないですけど、ただただ本当に地方が好きなんですよね。

私は、庶民派の“じゃらん派”なんですけど、移動中は2時間半ずっと(読んでる)。だから、行ってないけど、どこの地方にどんな旅館があるか頭に入ってるぐらい、行った気になっています(笑)

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監督
僕も最近そうだけど、東京から離れて地方をウロウロするのが好きなんです。学生の時も好きだったんですけど、東京に来た目的が仕事というか、何者かにならないといけないわけだから、逃れられない。でも、段々余裕が出てくると地方に行けるようになってくるじゃないですか。それがひょっとすると(友近さんは)今なんじゃないですか?長い間色んなことをやってきて、年齢的にちょっと人生を振り返るようになってきた。

「ここの旅館がいい」とか「ここの温泉がいい」とか、昔はそういう大人達を理解出来なかったけど、これが歳を取るっていうことなんですよ。今は30〜40年前ほど交通網が難しくないから、あっという間に行けるわけです。そうすると色んなものを見られるし、美味しい物を食べられるし。場合によっては東京にいても、大阪で面白い映画をやっていたら観に行きますから。大阪のどこかいい宿をとって映画観たり。

尚且つ、僕らはそれを撮影でやっていたわけです。やっぱり撮影の間に地方へ行けるのは楽しいわけです。特にコロナの時代になってくると難しいから、凄い貴重。ちょうど今年の3月ぐらい、コロナがやばくないギリギリのところでPCRを受けて、山田さんが「行って来いよ」ってご褒美をくれたのか分からないけど。堺は、僕と友近さんは『嘘八百』でお世話になっているから、何日間か楽しいことが出来る。自分たちの撮りたいものを撮って、美味いものを食べて、いい思い出を作って帰ってくる。

今はコロナ禍で撮影自体もなくなってくるし、スタジオ撮影が多くなってきて、どこも行けなくなっちゃう。今回、主人公を女囚にしたのは、どこかで閉じ込められている人が外へ行った時に本性が出る。やっぱり、人間が一番苦しいのは、自由を奪われることじゃないですか。だから刑務所を作りやがったわけでしょ。そこで人間がまともになるわけがない。だけど、罰するために一番嫌だと思うことは、刑務所で自由を奪う。

だからこそ、あのトイレの場面を頑張って撮りたかった。皆が外から見える格子があるトイレでしなきゃいけない。あれ無理でしょ(笑)今回、調べて分かったので、(セットを)わざわざ作ってもらって、ああいう表現はしたかったですよね。外から人が見ながら「早くしろよ」って言われたら嫌でしょ?

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―― 出るものも出ないですよね(笑)
話題は変わりますが、作中、響子が捨てたタバコを浮浪者が吸うじゃないですか。あれが何ともなく気持ち悪いというか、ハッと我に返るんです。響子と友広の物語から、自分に置き換えられたような気持ちになって、、、

監督
アイツはまた出て来ますね(笑)

―― そうなんですか!?(笑)

監督
また出て来ますね。何かの時に出て来ます。車のナンバーとかちゃんと見てますから。何かが始まる時ってそうじゃないですか、あれは我ながらよく気付きました。

―― 面白いですね、何かの伏線になるんですね。

監督
結構、長回しで大変なカットだったんです(笑)

要するに、捨てたタバコの“しけもく”を吸うという表現。最近、東京で落ちているタバコを拾って吸う人いないでしょ?でも、何年か前までやっていましたもんね。まず、タバコ吸ってそこに捨てないもんね。ああいうシーンは怒る人がいると思います。

友近さんは普段タバコ吸わないからね。

友近さん
初めてだったんです。
だから、家でペンとかお箸で練習してたんです。“フゥー”みたいなモノマネはよくやってたけど、実際に入れるのは初めて。

可哀想な男を絶妙に演じた渡辺大知さんを絶賛!

―― 普段吸わないなんて、、それは全く気が付きませんでした。そして、友広役の渡辺さんの演技が好きなんですよ。殴られながら微妙に笑っている姿とか、なかなか出来ないと思うんです。

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監督
ああいうところですよ、役の捕まえ方。「殴られても、結構、懐かしんで」って言ったんです。「久しぶりな感じでしょ?」って言ったら「ああそうですね」って(笑)。(刑務所から)今日出て来たわけだから、久しぶりに殴られたみたいな。だから、可哀想な奴なんです(笑)

これも今の時代だと表現しにくい。昔だとよく出所してきた奴がいたら、ボーンって殴られて「兄貴すみません!痛いじゃないですか!」っていうのがあったじゃないですか。あれが今は表現出来ないんでしょ?良い悪いじゃなくて、人間の生活として行われていたことなのに。

「よぉっ!」って言って頭叩くのが挨拶だった、今は寅さんも出来ないんじゃない?「よお、あいかわらずバカか」って(笑)

―― 現場で、友近さんが渡辺さんと話をしていて印象に残っていることはありますか?

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友近さん
特に「こうしましょう」とかは会話してないですけど、彼の笑顔はスゴイと思いました。救われるんです。

監督
そうなんですよ、だから彼女がちょっと前に進んでみようかって気になるんです。「お前ここ案内しろよ」って言いたくなる、出発したくなる感じ。彼のちょっとした笑顔とか、「そんな職業差別しちゃいけませんよ」って言ったりとか。「今、新聞配達と牛乳配達バカにしたでしょ?それちょっとダメですよ」って言った時に、コイツちょっといい奴かなみたいな(笑)

友近さん
彼がそれを言ってくれるから成立するけど、あの台詞を響子が言うのは、その職業の方々に対して本当に申し訳なかったです。

監督
そういう女なんだよね。ところが、あそこで“ちょっとそれは申し訳ないな”って反省がね。

―― 職業に貴賎なし、と。

監督
あれは足立さんのシナリオはマイナスがきたら必ずプラスが絶対ある。その積み重ねをしていくから良いんです。でも、最近そこがなかなか捕まえてくれなくて難しい、苦労している。

―― 後半の刃物を持って暴れている姿ですが、これは本編を観て初めて楽しめる?

監督
あれは予告編ですから。たまたま現場に包丁を発注しておいて良かったです。最後のエンドロールで、響子が包丁を持って啖呵切るのをちょっと思いついたので、あれは大いなる予告編です。そうしたら友近さんが抜群の反応を示してくれて(笑)

友近さん
ああいうの好きなんですよね(笑)

監督
抜群!ああいうのは外連(けれん)って言うんですよ。今、外連味を出来る人がどれぐらいいるのかな。包丁1個渡して「どうぞ」って言った時にあれが出来る人は中々いないですよ(笑)

そういうの見て僕らは育ったんです。昔のテレビドラマにしろ、時代劇の予告編だとか、ちょっとしたオープニングタイトルとか、ああいうの見て育っちゃったものだから、それはやっぱり楽しかったです。

―― しかも、全体として赤い感じの色使いというか、最初の刑務所から段々と。

監督
ブルートーンカラーですね。いつもやる手法ですけど、温度が通ってくるというか。『百円の恋』と『アンダードック』の時も同じことをやりましたけど、ブルーから徐々に色を変えているんです。また、運がいいことに雨が降ってくれたんですよ、初日に大雨が。しかも、止んでくれた。そうするとコントラストが最高でしたよね。友近さんの日頃の徳のおかげ。

―― 出所時のちょっと躊躇した足の運びも何かを暗示するようなところですよね。あの辺は最初から決めていて?

監督
もちろん、もちろん。(刑務所を)出所した後の方が大変なことは分かってるから。

―― しかも、普通だと黒い靴だったりしますけど。

監督
あれは捕まった時の格好。夏に捕まって冬に出て来た。誰も差し入れしない、普通は誰かが持って来るわけですよ(笑)「そのまんまで帰って行くのかよ!!」みたいな、ああいうちょっとしたギャグは面白いですね。

足立さんと二人で十数年前に話していたオープニングが撮れて、本当に嬉しかったです。「夏の格好していた奴が、よく分からないコート着て出て来るのはどうだ?足元はサンダルね」って話していたのを覚えています。

―― 刑務所の塀も改めて高さを感じました。

監督
大阪刑務所さん、ありがとうございました。本物の刑務所から出て来るなんて出来ないから、貴重な経験をさせてもらいました。「こっから出て来るんだよ!これは(俳優さんも)喜ぶだろうな!!」って(笑)「出て来るところを撮れませんかね?」って聞いたら「皆さん入るんですか?」って言うから「俳優さんだけ、カメラはここから撮るんで」って言ったら「それなら大丈夫です」って。大阪刑務所は貴重ですよ。結構、昔の映画を観ると大阪刑務所を使っているので、昭和30年代ぐらいの映画を観たら出て来てました。

友近さん
マンションとか綺麗になっているじゃないですか。でも、刑務所から近いと家賃ってどうなるのかな?とか。

監督
昔の映画にも団地がある。だけど、あの道路とかは何もなかった。

友近さん
変わった敷地でしたよね?あそこは人が普通に歩いていました。

監督
あそこは伝統的に(撮影で)使っているみたいですね、昔から。だから、ありがたいです。

―― 1シーン、1シーンが凄く印象に残っています!

監督
1カット、1カットが本当に大事ですよ。

―― ありがとうございました!『暴れる、女』長編の誕生、楽しみに待っています!!

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ヘアメイク:根本茉波
スタイリスト:藤井良子、横山千花子
衣装協力:creek
撮影協力:Fogg Inc.

『暴れる、女』作品情報

模範囚を演じきり、仮出所できることになった響⼦。彼⼥を出迎えたのは、響子の恋人に頼まれた男、友広だ。⾞に乗り込んだ彼⼥は、⾷欲や性欲、あらゆる欲望を開花させる。

監督︓武 正晴
出演︓友近、渡辺⼤知

配給:イオンエンターテイメント
公式HP:films.mirrorliar.com
©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

9⽉17⽇(⾦)全国順次公開︕

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