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- 2022年6月公開, 今月公開, 作品情報, 邦画
- 映画『PLAN 75』

75歳以上が自らの生死を選択できる<プラン75>。 この架空の制度を媒介に、「生きる」という究極のテーマを 全世代に問いかける衝撃作が誕生した。
75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を舞台に、その制度に翻弄される人々の行く末を描く。
早川監督は、「2000年代半ば以降、日本では自己責任という言葉が幅をきかせるようになり、社会的に弱い立場の人を叩く社会の空気が徐々に広がっていったように思います。
そして2016年、障害者施設殺傷事件が起こりました。
人の命を生産性で語り、社会の役に立たない人間は生きている価値がないとする考え方は、すでに社会に蔓延しており、この事件の犯人特有のものではないと感じました。
政治家や著名人による差別的な発言も相次いで問題になっていましたし、人々の不寛容がこのまま加速していけば、<プラン75>のような制度は生まれ得るのではないかという危機感がありました」と振り返り、「そんな未来は迎えたくないという想いが、この映画を作る原動力となりました」と制作意図を明かす。
物語の中心となるミチに、9年ぶりの主演作となる名優・倍賞千恵子。
「最初はひどい話だと思ったが、ある選択をするミチに心惹かれ、出演を即決した」という。
セリフで多くを語るのではなく、目や手の動きだけで哀しみや恐れなどの感情を繊細に表現した。
若い世代のヒロムと瑶子を『ヤクザと家族 The Family』の磯村勇斗、『由宇子の天秤』の河合優実が演じ、たかお鷹やステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美らが顔を揃える。
年齢による命の線引きというセンセーショナルなモチーフを打ち出しつつ、細やかな演出で、この世界を懸命に生きる人々を丁寧に描いた。
2025年には国民の5人に1人が75歳以上になると言われる日本で、ここに映し出される状況は絵空事と言い切れない。
他者への不寛容さや痛みに対する想像力を欠いた世の中への危機感とともに、命の尊さを静かに、そして強く訴える。
映画『PLAN 75』作品情報
あらすじ
少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。
満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。
夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチは78歳。
ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。
住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。
一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。
また、フィリピンから単身来日した介護職のマリアは幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。
利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に勤しむ日々を送る。
果たして、<プラン75>に翻弄される人々が行く着く先で見出した答えとは―。
予告動画
キャスト
倍賞千恵子
磯村勇斗
たかお鷹
河合優実
ステファニー・アリアン
大方斐紗子
串田和美
監督・スタッフ
脚本・監督:早川千絵
6月17日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト
https://happinet-phantom.com/plan75/
© 2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee
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