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映画『ひとよ』

壊れた家族は、つながれますか。
白石和彌監督最新作
映画『ひとよ』
■イントロダクション
十五年前のある夜、三兄妹が両親と暮らすタクシー会社の営業所で事件が起こる。その、たった“ひとよ”の出来事によって、家族の人生は激変。三兄妹の運命を大きく狂わせてしまう。そして十五年後、それぞれが別々の人生を歩んできた三兄妹は、思いもよらない“家族”との再会を果たすことになる。
第42回日本アカデミー賞で最多12部門の優秀賞に輝いた『孤狼の血』(18)の白石和彌監督が、2011年に劇作家・桑原裕子の率いる劇団KAKUTAが初演した舞台「ひとよ」を映画化した本作。父親の暴力から三兄妹を守るため、罪を背負うことを決めた母親。そして、彼女の決断によって人生を狂わされてしまった稲村家・三兄妹の葛藤と戸惑いを、現在と過去とを交錯させながら描いた感動のヒューマンドラマだ。
主演の佐藤健がフリーライターの弟・雄二を、電気店勤務の長男・大樹を鈴木亮平、スナック勤務の妹・園子を松岡茉優がそれぞれ演じ、白石組に初参加したのも話題。30代を迎えた佐藤健にとって、ここ数年は“挑戦の年”であるという印象がある。2018年には、『いぬやしき』(18)、『億男』(18)、『ハード・コア』(18)と三本の映画に出演。いずれの作品においても、佐藤健は心に闇を抱えた人物を演じており、テレビドラマ「半分、青い。」や「義母と娘のブルース」でも物語の重要な役割を担っていた。多忙を極める彼が、稲村家・三兄妹の中でも特に複雑な内面を抱えている雄二を演じることは、更なるステージへの挑戦でもある。
また、長男を演じた鈴木亮平は、大河ドラマ「西郷どん」の大役を終えたばかり。明治維新の立役者の一人として“愛に溢れたリーダー”を演じた彼が、本作では長男として家族をまとめきれない“愛に怯える頼りないリーダー”を演じているのも見どころ。そして、『万引き家族』(18)で“家族”を慕う女性を演じた松岡茉優が、本作でも崩壊した家族の絆を再び結びつけようとする妹を、静かな情熱を孕ませた演技で魅了する。
さらに、母・こはるを演じる田中裕子の圧倒的な母親像は、細やかな演技アプローチの積み重ねによって生まれた。なにものにも揺るぐことのない気高い“母性”は、物語をさらに魅力的なものにしている。佐々木蔵之介、音尾琢真、筒井真理子、韓英恵ら実力派俳優たちが、稲村家を取り巻く人々を演じ、脇をがっちりと固めているのも見逃せない。
これまで白石和彌監督は、犯罪者・警察・映画スタッフなど様々な立場にある人間の関係を、“疑似家族”的な関係として描いてきた。そして今回、初めて“血縁に縛られた家族関係”を描き、白石作品の新章へと突入している点が最大の特徴。子供たちのために罪を犯した母親は、家族を救ったのか?それとも、家族を破滅に追いやったのか? 十五年の年月を経た“家族”の再会がもたらす試練は、各々の“善悪”の在処を揺り動かしながら、厳しくも魂を震わせる結末を導いてゆく。
■ストーリー
十五年前のある夜。「稲村タクシー」の営業所では、兄・大樹、弟・雄二、妹・園子の三兄妹が両親の帰りを待っていた。帰宅した母・こはるは、震える手を抑えながら「お母さん、さっき……お父さんを殺しました」と衝撃の言葉を口にする。執拗な暴力から子供たちを守るため、彼女は罪を背負うことを選んだのだ。こはるは「十五年経ったら、必ず戻ってくるから」と三兄妹に言い残し、警察へ出頭。そのまま音信不通となった。
それから十五年が経過。東京で暮らす雄二は、大衆雑誌の編集者として働くフリーライターになっていた。それは、少年時代に抱いていた「小説家になる」という夢には程遠い生活だった。一方、大樹は地元の電気店の娘と結婚して雇われ専務として働き、園子は地元の寂れたスナックで働いていた。そして「稲村タクシー」は、親族が経営を引き継ぎ「稲丸(●)タクシー」と会社名を変えて営業を続けている。母が姿を消して、今年で十五年目。三兄妹は事件の傷が癒えないまま、それぞれの人生を歩んでいた。ある夜、大樹と園子は営業所に不審な人影を発見する。山登りフル装備の白髪頭の中年らしき女性。それは、十五年ぶりに見る、母・こはるの姿だった。思いもよらない家族の再会。だが、過去の事件によって周囲から誹謗中傷を受け続けた三兄妹のこはるに対する想いは、それぞれだった。こはるの帰りを温かく迎える「稲丸タクシー」の人々。一方で、稲村家への嫌がらせが、再びエスカレートする。果たして母と三兄妹は、バラバラになった家族の絆を取り戻せるのだろうか……。
■予告映像
■作品情報
公式サイト:https://hitoyo-movie.jp/
佐藤健 鈴木亮平 松岡茉優
音尾琢真 筒井真理子 浅利陽介 韓英恵 MEGUMI 大悟(千鳥)
佐々木蔵之介・田中裕子
監督:白石和彌 脚本:髙橋 泉 音楽:大間々 昂 原作:桑原裕子「ひとよ」
製作総指揮:佐藤直樹 製作:新井重人 千葉伸大 加太孝明 宮崎伸夫 瓶子吉久 渡辺章仁 永田勝美 豊田勝彦 有馬一昭
エグゼクティブプロデューサー:福家康孝 安藤親広 プロデューサー:高橋信一 長谷川晴彦 安田邦弘 アソシエイトプロデューサー:関根健晴 飯田雅裕
撮影:鍋島淳裕(J.S.C) 美術:今村 力 照明:かげつよし 録音:浦田和治(J.S.A.) 装飾:多田明日香 編集:加藤ひとみ 音響効果:柴崎憲治(J.S.A.)
衣装:宮本まさ江 ヘアメイク:有路涼子 石田 伸 VFXスーパーバイザー:朝倉 怜 助監督:茂木克仁 制作担当:宮森隆介
製作幹事・配給:日活 配給協力:ライブ・ビューイング・ジャパン 企画・制作プロダクション:ROBOT
製作:日活/アミューズ/ROBOT/朝日新聞社/集英社/ローソンエンタテインメント/ひかりTV/ライブ・ビューイング・ジャパン/イオンエンターテイメント ©2019「ひとよ」製作委員会
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Twitter:hitoyomovie Facebook:hitoyomovie
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