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映画『娼年』

娼夫リョウが見つめた、生と性の深奥―
松坂桃李×三浦大輔×石田衣良
映画『娼年』(しょうねん)
イントロダクション
無気力な青年は、娼夫になった
原作は2001年の直木賞候補となった石田衣良の恋愛小説。娼夫である主人公リョウと、様々な女性たちのセックスを美しい筆致で描きながら、女性たちの欲望、そしてその近くにある心の傷を優しく肯定する内容は大きな話題となると同時に多くの女性の共感を得た。
2016年8月には三浦大輔演出、松坂桃李主演で舞台化。俳優陣が観客の目の前で一糸まとわず“表現”するというセンセーショナルな内容で話題騒然となり、全公演即ソールドアウトの伝説の舞台となったことも記憶に新しい。
そして遂に、三浦×松坂のコンビは困難と言われた映画化に挑んだ。 優しく繊細な心理描写と、俳優陣が全身全霊を傾け、極限まで挑んだ本作は、映画史における「事件」になる―。
娼夫リョウが見つめた、生と性の深奥―
あらすじ・ストーリー
主人公の森中領(もりなかりょう)は東京の名門大学生。日々の生活や女性との関係に退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。ある日、領の中学校の同級生で、ホストクラブに勤める田嶋進也(たじましんや)が、美しい女性をバーに連れてきた。女性の名前は御堂静香(みどうしずか)。
「女なんてつまんないよ」という領に静香は“情熱の試験“を受けさせる。それは、静香が手がける女性専用コールクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験であった。
入店を決意した領は、その翌日に静香の元を訪れ、娼夫「リョウ」として仕事を始める。最初こそ戸惑ったが、娼夫として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていく。
予告動画
『娼年』(しょうねん)作品情報
キャスト
松坂桃李 Tori Matsuzaka
1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。映画、テレビドラマ、CMなど多方面で活躍。本作公開後も『孤狼の血』『居眠り磐音』『新聞記者』『蜜蜂と遠雷』などで様々な顔をみせる。
東京の名門大学生でありながら、大学にも行かずにバーでのバイトに明け暮れる 森中領 役。
真飛聖 Sei Matobu
1995年、宝塚歌劇団に入団、2007年花組トップへ就任、11年宝塚歌劇団卒業。その後、ドラマ、舞台、映画など幅広く活躍。映画出演作には『柘榴坂の仇討』『無限の住人』『走れ!T校バスケット部 』など。Netflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』にも出演。
女性専用コールクラブ「Le Club Passion」を手がける美しい女性 御堂静香 役。
冨手麻妙 Ami Tomite 咲良 役
猪塚健太 Kenta Izuka 平戸東 役
桜井ユキ Yuki Sakurai 白崎恵 役
小柳友 Yu Koyanagi 田嶋進也 役
馬渕英里何 Erika Mabuchi イツキ 役
荻野友里 Yuri Ogino 主婦 役
佐々木心音 Kokone Sasaki 紀子 役
大谷麻衣 Mai Ohtani ヒロミ 役
階戸瑠李 Ruri Shinato ギャル風の女 役
西岡德馬 Tokuma Nishioka 泉川 役
江波杏子 Enami Kyoko 老女 役
脚本・監督:三浦大輔 Daisuke Miura
1975年生まれ。演劇ユニット「ポツドール」を主宰し、センセーショナルな作風で演劇界の話題をさらう。2006年「愛の渦」で第50回岸田國士戯曲賞を受賞。2003年『はつこい』で第25回ぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞を受賞。2010年『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で商業映画監督デビューを飾り、2014年自作を映画化した『愛の渦』、2016年『何者』(原作:朝井リョウ)で監督・脚本を務め、その高い演出力、表現力が評価を受けた。映画『娼年』は、『愛の渦』、『裏切りの街』に続き、自ら演出した演劇を映画化した作品の三作目となるが、オリジナル以外では初めての映画化となる。
原作:石田衣良「娼年」(集英社文庫刊)
製作幹事:ファントム・フィルム ハピネット
制作プロダクション:ホリプロ
企画製作・配給:ファントム・フィルム
レイティング: R18+
(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会
公式HP:http://shonen-movie.com/
Twitter @shonen_movie
評価・感想・ネタバレレビュー
この映画は彼の代表作になるだろう。
・映像のエフェクト、というのかな、彩度を落としたザラついた触感の画面に仕上げているために、かなりエロティックなシーンも生々しさがあまりない。と同時に、それは主人公リョウが見ている風景、つまり彼の心持ちの反映なので感情移入がしやすい。「娼夫」というインモラルな題材を扱っているので、ターゲットとなる女性客に拒否反応を起こさせないためには、とてもうまいやり方だと思う。
そもそも原作が、リョウの心の変化を丹念に追っていく物語なので、その意味でもこのつくり方は正解。ストーリーも、概ね原作に沿っていて大きな齟齬はない。
・松坂桃李が、こういう「何考えてるのかわかんない男の子」を演らせるとものすごくいい、というのはデビュー作で証明済み。基本、器用な役者ではないので、あまりいろんなものに手を伸ばさず、自分の得意な路線で頑張って欲しい(と、デビュー作からのファンは思うのである)。そういう意味では、この映画は彼の代表作になるだろう。
・松坂桃李さんがさすがだと思った。演じきってる!作品の内容は考えさせられる内容だった。主人公が変化していく心の動きは実に美しくものだった。友人?のめぐみ、職業蔑視の発想が私は大嫌いなので、「汚い」の言葉には嫌悪感しかなかった。でも、それが普通の人の発想なんだろうな~。
・女性の欲望、という観点からは男性原作、監督作品なのによく分かってるなと感心。おもらし女性にしたおでこにキスなんか特にそう。
・最初から最後までエロかった…。でも下品ないやらしさではなく、奥深かった。
・松坂くん物凄く体張りましたね~、いや~凄かったです。でもそれ以上に女優さん達がもっと体張っていて、ここまで生々しいとは思ってなかったのでびっくりしました。
・真飛聖さんも桃李くんも思い切ったな、と。
・江波杏子さんを久しぶりに拝見しました。いくつになっても、凜とされていて、妖艶で…余韻に浸っていた頃に訃報が… 残念すぎます。
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