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- 2021年2月公開, 今月公開, 作品情報
- 映画『痛くない死に方』

「病院」か「在宅か」
この物語は患者と家族、そして医者の物語である
医学の進歩に伴い、「延命治療」が可能になった。そこにはかつてあった自然な死は最早存在しない。
昔の日本は死に方を選べなかった。生き方も同様かもしれない。しかし選択肢が広がったはずの今も、人は死に方を選べないジレンマ、アイロニーを抱えてはいないだろうか。
今だからこそ、人はどう死ぬべきなのか、当事者一人ひとりの判断に委ねられるべきであり、そこに自由があってもいいのではないだろうか。
在宅医療のスペシャリスト・長尾和宏のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」を、高橋伴明監督が映画化した『痛くない死に方』では、『火口のふたり』「知らなくていいコト」など話題作に出演する柄本佑が主人公の在宅医師・河田仁を熱演。痛みを伴いながらも延命治療を続ける「入院」ではなく、“痛くない「在宅医」”を選択した患者が、自分の最終的な診断ミスにより、苦しみ続け生き絶えるしかなかったと悔恨の念に苛まれ、「カルテ」でなく「人間」を見る在宅医に成長する姿を描く。
父親のために、痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したのに、父親が苦しみ続けてそのまま死んでしまい、自分を責める智美役に坂井真紀。「カルテでなく人を見ろ」がモットーの、柄本演じる在宅医の先輩である長野浩平役に、奥田瑛二。奥田演じる長野と在宅医療を支える看護師・中井春菜役に余貴美子。そして、柄本が新たに担当することになる明るい末期の肺がん患者・本多彰役に宇崎竜童、その妻・しぐれ役に大谷直子と、実力派俳優が勢ぞろいした。
あらすじ
在宅医療に従事する河田仁(柄本佑)は、日々仕事に追われる毎日で、家庭崩壊の危機に陥っている。そんな時、末期の肺がん患者である井上敏夫(下元史朗)に出会う。敏夫の娘の智美(坂井真紀)の意向で痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したとのこと。しかし、河田は電話での対応に終始してしまい、結局、敏夫は苦しみ続けてそのまま死んでしまう。
「痛くない在宅医」を選んだはずなのに、結局「痛い在宅医」になってしまった。それなら病院にいさせた方が良かったのか、病院から自宅に連れ戻した自分が殺したことになるのかと、智美は河田を前に自分を責める。在宅医の先輩である長野浩平(奥田瑛二)に相談すると、病院からのカルテでなく本人を見て、肺がんよりも肺気腫を疑い処置すべきだったと指摘される河田。結局、自分の最終的な診断ミスにより、敏夫は不本意にも苦しみ続け生き絶えるしかなかったのかと、河田は悔恨の念に苛まれる。
長野の元で在宅医としての治療現場を見学させてもらい、在宅医としてあるべき姿を模索することにする河田。大病院の専門医と在宅医の決定的な違いは何か、長野から学んでゆく。
2年後、河田は、末期の肝臓がん患者である本多彰(宇崎竜童)を担当することになる。以前とは全く違う患者との向き合い方をする河田。ジョークと川柳が好きで、末期がんの患者とは思えないほど明るい本多と、同じくいつも明るい本多の妻・しぐれ(大谷直子)と共に、果たして、「痛くない死に方」は実践できるのか。
キャスト
柄本佑 坂井真紀 余貴美子 大谷直子 宇崎竜童 奥田瑛二
大西信満 大西礼芳 下元史朗 藤本泉 梅舟惟永 諏訪太朗 田中美奈子
真木順子 亜湖 長尾和宏 田村泰二郎 東山明美 安部智凛 石山雄大 幕雄仁
長澤智子 鈴木秀人
監督・脚本
高橋伴明
原作・医療監修
長尾和宏
配給・宣伝:渋谷プロダクション
公式HP:http://itakunaishinikata.com/
©「痛くない死に方」製作委員会
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