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映画『四つの壁』【感想】クルド人音楽家ボランの喜びと悲しみを描く 第34回東京国際映画祭
- 2021/11/7
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- 四つの壁, 第34回東京国際映画祭
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コンペティション
『四つの壁』
『ペルシャ猫を誰も知らない』をはじめ、これまでの作品でもクルド人としての出自と自国の問題を登場人物に投影させ描いてきたバフマン・ゴバディ監督。今作でも脚本のほか劇中曲の作詞作曲も担当し、主人公であるクルド人音楽家ボランの喜びと悲しみを表現しています。
トルコに住むボランはまだ海を見たことがないという妻と子供のためにイスタンブールの海の見えるマンションをローンで買うことを決めますが、引っ越しの途中の交通事故で最愛のふたりを亡くしてしまいます。
5ヵ月の病院生活の後、自責の念とともにひとりマンションに帰ると、窓の外には別のマンションが建ち、視界を塞いでいました。そしてボランの元に事故の相手側の少年と母親が許しを請いに訪れるのです。
どん底にいるボランを励ますのがバンドの仲間たちであり、僧侶であり、警官であるところに、階級や地位を抜きにして人は助け合うことができることを示してくれています。そして、人は罪を許すことができるか―
ゴバディ監督はそのテーマに全身全霊を込めて取り組んでいて、その姿勢に心を打たれるのです。
(文:駒井憲嗣)
映画『四つの壁』作品情報
The Four Walls
予告動画
キャスト
アミル・アガエイ、ファティヒ・アル、フンダ・エルイイト
監督
バフマン・ゴバディ
©MAD DOGS & SEAGULLS LIMITED
114分カラートルコ語、クルド語日本語・英語字幕2021年トルコ
第34回東京国際映画祭 開催概要
■開催期間:2021年10月30日(土)~11月8日(月)
■会場: 日比谷・有楽町・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net
上映スケジュールはこちら。
TIFFCOM2021 開催概要
■開催期間:2021年11月1日(月)~3日(水・祝)
■会場:オンライン
■公式サイト:www.tiffcom.jp
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