芥川賞作家小野正嗣×濱口竜介監督トークショー『寝ても覚めても』

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映画の公開を記念して行われる「濱口竜介アーリー・ワークス Ryusuke Hamaguchi Early Works」のプログラムの一部として、8月11日、18日にテアトル新宿にて、豪華トークショー付オールナイト上映が開催。第二 弾となる18日(土)のオールナイトゲストには、芥川賞作家・小野正嗣さんが登壇しました。原作者・ 柴崎友香さんとも親交の深い小野さんが、作家という視点から分析した上映作品『親密さ』『何食わぬ顔』のお話や、新作『寝ても覚めても』の話まで贅沢なトークショーとなりました!

芥川賞作家小野正嗣×濱口竜介監督トークショー『寝ても覚めても』

【ニュース】
この日のオールナイトでは、濱口竜介監督のが学生の頃映画研究会に所属していた頃に撮られた『何食わぬ顔』と、自身が講師を務めたENBUゼミナール映像俳優コース卒業制作『親密さ』が上映。まずはじめに小野さんは「本日は『何食わぬ顔』からの上映ですが、卒業論文というのは基本的に恥ずかしくて読み返したくないじゃないですか。本作は卒業制作ではないけれど、久しぶりに上映される今の心境は?」と質問。濱口監督は「気恥ずかしさのピークは越えました(笑)8ミリ映画なのですが、現代の映画に慣れている人が観たら驚くぐらいの画質だと思います。

これを大画面で観るとは思わなかったと驚かれるかもしれないですが、頑張って観ていただければと思います」と答え、すかさず小野さんは「“何食わぬ顔“で観てもらおうということですね」とタイトルに絡め、観客の笑いを誘った。また「当時から映画監督になりたいという気持ちはあった?」との質問に濱口監督は、「映画に関わって生きていきたいという気持ちはありました。ただこれが最後の映画になってしまうのかっていう気持ちもあったし、こういう風に撮れることは二度とないんだろうなと思っていました」と当時の心境を吐露。

さらに「当時は、イメージしたものを撮らなければいけないと思っていたのですが、それが撮れないというのが映画研究会に属していた時にわかったんです。そして自分は、いま目の前にある人・ものが自分の撮りたい、そしてそれがきちんと映画になるんだという確信がだんだんと生まれていったんですよね。そして自分が今まで観てきた映画にどう近づけるかというのも考えていました」と語る。すると小野さんは「それは、ジョン・カサヴェテス監督の作品のような?」という質問に、「そうですね。『何食わぬ顔』は完全にカサヴェテス監督の『ハズバンズ』のぱくりみたいなものですよね(笑)どの作品が好きですか、と聞かれる時に必ず答えるぐらい何回も挙げるほど好きでして。自分もこのような作品まで到達したいと思ったんです。『何食わぬ顔』は当時にしかないまっすぐな気持ちで撮れた作品です」と恥ずかしがりながらも今でも変わらない気持ちを語った。

発端は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』!?濱口監督作品の特徴とは!
この日上映される二本には類似点があると言う小野さん。「小説を書くときにも、意識していても無意識でも反復してしまうということがあるんですよね。『何食わぬ顔』は主人公たちが映画を作る話。『親密さ』は同じく舞台を作 る話。このように”入れ子構造“に惹かれるのはなぜですか?」という質問に対し、濱口監督は、「実は、発端は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんです。同 じようなことがシーズンごとに繰り返されるじゃないですか。けれど、反復しているけれどもそれを同じものを見せられるわけではなく、別の視点から見ることができる。世の中にこんな面白いものがあるのか!と思う体験だったんです。

芥川賞作家小野正嗣×濱口竜介監督トークショー『寝ても覚めても』

『何食わぬ顔』も『親密さ』も入れ子構造を使用したのは、反復ができるから。物語の中で自然にもう一度出てきても、観客は違う捉え方をしてくれるはずだと思い取り入れました」と誕生秘話を明かした。そして小野さんは、新作『寝ても覚めても』にも同じことが言えるという。「『寝ても覚めても』も同じ顔の人が現れますよね。原作は 柴崎友香さんの同名小説ですが、まさに濱口監督のために書かれた作品ですよね!」と小野さんの発言に驚きながらも、「たしか に、おこがましいですがそう思ってしまいましたね(笑)」照れながら返した。さらに「柴崎さんに“映画化される時にどう思いました か?”と聞いたら、“映画と小説は別のものだと思っていたし、監督にすべてお任せしたいと思っている“とおっしゃっていました。原作に
は書かれていないこともあったけれども、濱口監督の今までの作品の一貫性が本作にも表されていて、正直驚きを禁じ得ない作品 でした」と小野さんの言葉に、濱口監督も喜びの笑みを見せた。

海外でも絶賛の『寝ても覚めても』に映る“正確さ”!
「濱口監督の作品は、なにかを正確に捉えている印象がある。『親密さ』や新作『寝ても覚めても』でも極めて正確に正当に精密に言葉が紡がれてい ると感じたんです。間(あわい)ものや曖昧なものを撮るからこそ、対象を正確に撮らなければいけないし、監督はそれを撮れるのはなぜでしょう?」と いう小野さんの言葉に、濱口監督は「『寝ても覚めても』への海外評で唐田えりかさんが演じるヒロインのことを“たぐいまれなる正確さ”という表現をされているんですね。それがなぜかというと、先ほど言った通りイメージをなるべくもたないように演じてもらう。

芥川賞作家小野正嗣×濱口竜介監督トークショー『寝ても覚めても』

役者さんがその場で初めて演じることで、その場でしか起き得なかったものが撮れるし、この台詞ってそういう意味だったのか、とこちらも驚くほど気づかされるんですよね。それを教えてくれたのが『親密さ』だった。それと同じく『寝ても覚めても』も演出していたので、二つの作品に“正確さ”というものを見ていただけたのかもしれません」と自身の見解を語った。そして最後に「柴崎友香さんの傑作小説を映画化した『寝ても覚めても』が9月1日より公開されますので、ぜひ劇場へ足を運んでいただければと思います」と強くメッセージを残した。

<キネカ大森特集上映>
9/22(土)〜10/5(金)
『ハッピーアワー』『PASSION』『親密さ』『THE DEPTHS』
『不気味なものの肌に触れる』『永遠に君を愛す』
『天国はまだ遠い』『記憶の香り』『遊撃』
『なみのおと』『なみのこえ 新地町』『なみのこえ 気仙沼』『うたうひと』
キネカ大森:1作品 1,300 円均一、『ハッピーアワー』通し券 3,000 円、『親密さ』通し券 2,000 円

■ 解禁されたミュージックビデオ

さらに、注目度の高いGraphersRock岩屋民穂、山根慶丈によるアルバムのアートワークも解禁。これまでリリースしてきたデジタルシングルのジャケットとの連動感も楽しめる作品に仕上がっています。またトーフビーツは、11月22日は、東京LIQUIDROOM でこのアルバム発売を記念したリリースパーティーも決定しており、彼の世界観を生で楽しめるイベントにも注目。

映画『寝ても覚めても』は、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国にて大ヒット公開中。


■ 関連商品

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■予告動画

■ キャスト
東出昌大  (『OVER DRIVE オーバードライブ』『GONIN サーガ』『桐島、部活やめるってよ』)
唐田えりか  (『ラブ×ドック』)
瀬戸康史  (『ミックス。』『僕は友達が少ない』『JUDGE ジャッジ』)
山下リオ  (『シャニダールの花』『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』)
伊藤沙莉  (『blank13』『戦場へ、インターン』)
渡辺大知 (黒猫チェルシー)(『ここは退屈迎えに来て』『勝手にふるえてろ』)
仲本工事 
田中美佐子 (『ミックス。』『彼らが本気で編むときは、』『ダイアモンドは傷つかない』)

■ スタッフ
監督: 濱口竜介 (『ハッピーアワー』)
脚本:田中幸子 濱口竜介
原作:「寝ても覚めても柴崎友香(河出書房新社刊)
音楽:tofubeats
主題歌:tofubeats「RIVER」(unBORDE/ワーナーミュージック・ジャパン)

■ 公開情報
2018年9月1日(土)、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷シネクイントほか全国公開!

■ 公式サイト
http://www.netemosametemo.jp

■ コピーライト
© 2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINEMAS




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