
TV ドラマ『きれいのくに』(NHK)、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK)、さらにAmazon Original『モアザンワーズ』など、話題作への出演が続いている青木柚が主演を務めた『はだかのゆめ』。
11月25日(金)より渋谷シネクイントを皮切りに全国順次公開となり、26日(土)に主演の青木柚さん、唯野未歩子さん、甫木元空監督、および音楽を担当した菊池剛さん(Bialystocks)が上映前の舞台挨拶に登壇しました。
青木柚、シナリオや撮影振り返る
主人公ノロは“お盆にも遅れるノロマな幽霊”という役どころ。
青木はシナリオについて「甫木元さんの脳内の感覚とか言葉が感じられるもので、魅力的に感じつつも、演じる側の視点をいれてみると、どうすればいいのかなと思ったのが第一印象。景色、感覚的なものがしみこんでいるような脚本だった」とのこと。
そこで、司会が青木のパンフレット掲載のインタビューから抜粋し、<正解でも不正解でもない間をずっと漂うみたいな関係性><組み立てるという考えを放棄した状態で演じた>という役作りについての発言を改めて読み上げると、青木は「そこだけを取り出しちゃうと、なんかかっこつけた言葉で恥ずかしい……やめましょう!」と照れる場面も。
演じるにあたっては「頭で考えるのではなくて、実際にその土地に行ってみて分かったことが多い。あまりにも本物の景色と時間と川と、甫木元さんがお祖父さんと実際に住んでいる家があって、かつてお母様が使われていたものなどもすべてが本物。それと唯野さん演じる“お母さん”としての佇まいとに、もう完全に身を任せている状態でした」と撮影当時を振り返った。
唯野、Bialystocksが手がけている音楽絶賛!
また映画の劇伴はBialystocksが手がけていることについて話題が及ぶと、甫木元監督は「バンドメンバーである菊池剛に本編をつないだ
ものをまず観てもらったあとに、音楽はいらないんじゃないですか、と言われたことで、この映画のなかでは音楽がなにか気持ちを代弁したり、語らなくてもいいのかなと解釈した」という。
劇中ではBialystocksのもともと録音していた歌をストリングスアレンジした曲や、菊池によって新たに映画のために作られた曲のほか、映画の最後には甫木元が作詞作曲をした主題歌である「はだかのゆめ」が流れる。
唯野は「今回撮影にあたってBialystocksを初めて知ったんですが、もうすっかりファンになった。この映画とともにBialystocksの曲も何度も何度も聞かれていってほしい」と彼らの音楽を絶賛した。
最後、甫木元監督は「たとえば死や、なにか悲しいことを飲み込むには、それぞれ方法があると思うし、この日を境になにかを乗り越えた、というのはあんまりないと思うんですよね。それぞれかかる時間も違うし、取り繕うように生活しているうちに気がついたら薄れていったりするもの。この映画の登場人物はそれぞれが違う時間を持っている。言わば、そんな彼らがさまよっていくうちに、少しだけ「死」を飲み込めるようになって終わるという映画。本当だったらここから物語が始まるような。その隙間に落ちているものを贅沢に撮らせてもらった映画です」と語り、青木は「人が人を一心に思うこととか、土地とそれぞれのなかに流れる時間の結びつきみたいな、そういう純度の高いものが映画のなかに流れている。僕自身、人の温度を感じる映画にこれからもずっと関わっていきたいと思います。『はだかのゆめ』は自分のなかでもとても大切な作品」と語り、舞台挨拶は幕を閉じた。
映画『はだかのゆめ』作品情報
監督・脚本・編集:甫木元空
出演:青木柚 唯野未歩子 前野健太 甫木元尊英
プロデューサー:仙頭武則 飯塚香織 撮影:米倉伸 照明:平谷里紗 現場録音:川上拓也 音響:菊池信之 助監督:滝野弘仁
音楽:Bialystocks 製作:ポニーキャニオン 配給:boid/VOICE OF GHOST
2022年/日本/カラー/DCP/アメリカンビスタ/5.1ch/59分
©PONY CANYON
公式サイト:hadakanoyume.com
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