北澤響さんは「まっすぐ、全く曲がらない」中島歩さんは「とても綺麗」越川監督が新作『さいはて』主演キャストの魅力語る!

ユーロライブにて開催中の「越川道夫監督特集映画祭」最終日となる22日、映画『背中』の上映前トークイベントに北澤響さん、中島歩さん、越川道夫監督が登壇し、越川監督最新作『さいはて』公開決定を電撃発表しました!

左からMCの梅田誠弘さん、越川道夫監督、北澤響さん、中島歩さん、MCの河野知美さん
越川監督は「50歳から始めた映画監督。まさか特別上映をやるとは思っていませんでした」と照れ笑い。「特集上映はうれしいと同時に、“レトロスペクティブ”と言われると『僕は死んだのかな?』という戸惑いもあり(笑)。なかなか珍しい体験です」と心境を明かした。
7日間の撮影を振り返り中島さんは「キャストを入れて7、8人しかいない現場。みんなでいろいろなことをやらなければいけないので大変でした」としみじみ。さらにロードムービーでもあり、移動しながらの撮影であったことも大変さを感じたポイントだと話した。
「ダメな神様、無能な神様の話が好き」だという越川監督は「(スティーヴン・スピルバーグ監督の『 A.I. 』がすごく好き。あの映画に出てくるクマは最後まで主人公と一緒だけれども何もできないというキャラクター。そこに実際にあった事件などを絡めて、『人は人を守れるのか、救えるのか』という問題を(描きたい)という気持ちが昔から大きいです」と本作の着想を説明。
この説明に中島さんは「ひょんなことで出会った二人が旅をしていく話。どっちがそのクマちゃんなのかと今、ふと思いました」とコメント。
越川監督は「撮る前は(どちらがクマなのか)決めているけれど、出来上がった映画はもっと複雑になっています。芝居を作る中で、いろいろ変わりながら映画が成長していきました。出来上がった映画にそのあたりが出ていると思います」と解説していた。
本作で長編映画主演デビューとなった北澤さんは「お話をいただいたときは、うれしいと同時にすごく不安でした」と吐露。どちらかというと不安よりうれしさが勝っていたとし、「監督から自分を全部持ってきてほしいと言われたので、全部差し出そうという気持ちで挑みました」と撮影を振り返った。
共演の中島さんの第一印象は「すごく大きい方」とニッコリ。中島さんも「昨日、映像を観て思ったのは、すごい身長差だなって(笑)」とニコニコ。
北澤さんは「物理的にも、気持ち的にも一緒にいてくれる方という印象です。中島さんとじゃなきゃ出せなかったものがあります。引き出してもらった気がします」と感謝を伝えていた。
段取りを延々とやる大変な現場だったが、「リハの時間をたっぷりとっていただいたのがありがたかったです」と微笑む北澤さん。「監督にも中島さんにもお世話になりっぱなし」と語り、二人のおかげで「到達できた」と強調していた。
トウドウ役について「死に向かっていくような役」と説明した中島さんは、「そういう人が彼女(北澤さん演じるモモ)に何を求めているのか、それがどういう表現になり、具体的な芝居になっていくのか。現場では北澤さんの様子を感じながら演じました」と撮影の様子を語り、北澤さんについて「全身全霊で来てくれる方だから、いい加減なことはできない。そのくらいの気迫でやらないといけない作品だったので、消耗しました」とグッタリとした仕草を見せながらも充実の表情を浮かべる。
中島さんは延々とリハを繰り返す現場で、越川監督に「本当に映画が好きなんですね」と話したことがあるとも明かしていた。
「中島くんとの出会いは僕のワークショップに来てくれたとき。急に相手役をやってもらったときの芝居の仕方がすごくよくて。いつか一緒にと思いながらも機会がなくて。今回、(一緒に作品作りが)できてすごくよかったです」と笑顔の越川監督は、中島さんの魅力については「中島くんはとても綺麗」と話し、「映画の中で役者が綺麗に映っていればいいなと思いながら、撮影していました」と振り返っていた。
北澤さんについては「とてもまっすぐ。もうちょっとほかにないのかな?と思ってしまうくらい、まっすぐにしか走れない。まったく曲がらない人です」という越川監督の分析に、中島さんも納得という様子でうなずく。
最後の挨拶で監督は「二人がどんなにいい役者で、どんなに頑張り、素敵かということをぜひ観てほしいです」と呼びかけ、中島は「死にたい二人の話。北澤と中島が本気で生きた様子が映っています」とアピール。北澤が「ぜひ、たくさんの方にご覧いただきたいです。よろしくお願いいたします」と深々とお辞儀し、イベントを締めくくった。
映画『さいはて』は、2023年5月 K`s cinema にて公開ほか全国順次ロードショー!
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