映画『ハナレイ・ベイ』を松永大司監督が語る!震災後7年を経てようやく描くことのできた“喪失の物語”

ハナレイ・ベイ 松永大司監督

映画『ハナレイ・ベイ』を松永大司監督が語る!
震災後7年を経てようやく描くことのできた“喪失の物語”
第16回活弁シネマ倶楽部

本日2月27日(水)21:00から、“映画を語る”番組「活弁シネマ倶楽部」第16回が放送された。ゲストは、村上春樹原作の映画『ハナレイ・ベイ』の松永大司監督。『ピュ~ぴる』(11年)や『トイレのピエタ』(15年)などを手掛けた松永監督が、吉田羊、佐野玲於、村上虹郎といった豪華キャストが出演した自作について語っている。

村上春樹原作の『ハナレイ・ベイ』

本番組は、毎回映画に携わるゲストを招き、制作の裏側や作り手のこだわりについてほぼノーカットでトークすることで、“映画を語る”楽しさを提供し、映画業界を新たな側面から盛り上げていくことをテーマにしている。
『ハナレイ・ベイ』は、村上春樹の短編小説集『東京奇譚集』に収録された小説を基に、吉田羊主演で作り上げられたヒューマンドラマ作品。タイトルでもある、カウアイ島・ハナレイ・ベイの美しい景観の中で描かれる、シングルマザーの10年間の物語。

震災後7年を経てようやく描くことのできた“喪失の物語”

番組内では「喪失」というテーマに絡めて、2011年3月11日に起こった東日本大震災が創作に与えた影響について触れられている。松永監督は「大切な人が亡くなった時に僕たちはどう向き合って前に進めるかということが、3.11を経験した自分の描いてみたいテーマ」と語り、「あの出来事を経験して目で見たことによって、自分が描きたいものが何かあるんじゃないかなということを与えられた感じ」「2011年から7年経って初めて喪失に向かう出来事の映画を作れている最中」「5年後10年後、あの出来事が自分にとってどういう出来事なのかが、これからわかる」など、自分自身にとっての3.11とは何かについても言及した。

ハナレイ・ベイ 松永大司監督

主人公サチ役の吉田羊に感謝!

小説からの変更点として、吉田羊演じる主人公サチの“今”をどう描くかを意識したと語った上で、「吉田さんはこの作品に捧げてくれた」と難しいキャラクターを演じきった吉田羊に感謝を示した。
また、高橋を演じる村上虹郎に対して、「いつか一緒にやりたいと思っていた」「虹郎にやってもらえることが決まってから、本人に役を大きく近付けた」「シナリオで書いている時よりも役が大きく成長した」と語り、重要なキャラクターを村上虹郎がモノにしてくれたと回顧している。

映画は国が違っても届く

トークはさらに展開。本作では、短編小説の映画化にチャレンジした松永監督だが、過去作『ピュ〜ぴる』ではドキュメンタリーも手掛けており、「ドキュメンタリーを撮っている時のほうがよりフィクション性が強い瞬間があり、フィクションを撮っている時のほうがドキュメンタリー性が強いことがある」と自論を展開した。
松永監督は”映画は国が違っても届く”と話しているが、『ハナレイ・ベイ』は既に、海外での上映も行われている。これからさらに、本作が世界に羽ばたいていく予感がする。

「活弁シネマ倶楽部」は、映画の制作陣がゲストに登場する貴重な番組であり、ネタバレの縛りもなく想いを吐き出せる場として制作側の支持が熱いそうだ。独自の目線で作品を選定し紹介しているため、まだまだ視聴者に知られていない作品やその内容について十分に語られていない作品にも出会えるチャンスかもしれない。WEB配信での特別番組だが、引き続き定期的に配信され、今後は生配信の可能性もあるとのことで、映画好きにとっては、必見の番組だ。

■活弁シネマ倶楽部#16■

「活弁シネマ倶楽部」公式ツイッター:@katsuben_cinema

■『ハナレイ・ベイ』■
https://hanaleibay-movie.jp/

出演:吉田羊 佐野玲於 村上虹郎
監督・脚本:松永大司

あらすじ
〈あなたに会いたい〉 心揺さぶる感動作が、日本映画史に刻まれる。
シングルマザーのサチ(吉田羊)は、息子のタカシ(佐野玲於)がハワイのカウアイ島にあるハナレイ・ベイで亡くなったことを電話で知らされる。大好きだったサーフィン中に大きなサメに襲われ死んだという。彼女は、彼が命を落としたハナレイ・ベイへ向かい、海辺近くの大きな木の下で読書をして過ごした。毎年、この「行為」は続いた。同じ場所にチェアを置き、10年間。だが、彼女は決して海には近づかない。ある日、サチは2人の若い日本人サーファーと出会う。無邪気にサーフィンを楽しむ2人の若者に、19歳で亡くなった息子の姿を重ねていくサチ。そんな時、2人から“ある話”を耳にする。「赤いサーフボードを持った、片脚の日本人サーファーを何度も見た」と…。サチは決意する。もう一度、息子に会うために─。
■松永大司 プロフィール ■
1974年生まれ、東京都出身。『ウォーターボーイズ』(01)などに俳優として出演。その後、『蛇にピアス』(08)などのメイキング監督や、ミュージックビデオ、CM等を手がける。その後、性同一性障害の現代アーティスト・ピュ〜ぴるを8年間追ったドキュメンタリー映画『ピュ〜ぴる』(11)を完成。同作は第40回ロッテルダム国際映画祭、第11回全州国際映画祭、第8回パリ映画祭など数々の映画祭から正式招待され絶賛された。そのほか、短編『おとこのこ』(11)、短編『かぞく』(12)、ドキュメンタリー映画『MMAドキュメンタリーHYBRID』(13)、『GOSPEL』(14)などがある。2015年には初の長編劇映画作品『トイレのピエタ』(野田洋次郎初主演)が新宿ピカデリー他にて全国公開されてスマッシュヒットを記録。本作にて、第20回新藤兼人賞銀賞、第37回ヨコハマ映画祭森田芳光メモリアル新人監督賞などを受賞。また第16回全州映画祭インターナショナル・コンペティション部門、第28回東京国際映画祭Japan Now部門、第45回ロッテルダム国際映画祭Voices部門に正式出品された。2016年は、2001年に活動休止したロックバンド、THE YELLOW MONKEYが15年ぶりに再集結を果たし、その全国ツアーに同行、奇跡の復活の一年を追ったドキュメンタリー映画『オトトキ』の監督を務めた。

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