「S 級俳優たちの演技合戦は必見!」映画『ある少年の告白』トークベント

溝口彰子氏
「S 級俳優たちの演技合戦は必見!」
奥浜レイラ氏
「俳優たちの“事実を伝えなければ”と思いが伝わる!」

【ニュース】
2016年に発表され、NYタイムズ紙によるベストセラーに選ばれるなど全米で大きな反響を呼んだ衝撃の<実話>をもとに、ひとりの青年の葛藤と成長、親と子が絆を再発見するまでが描かれる本作。主演は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で一躍その名を世界に知らしめたルーカス・ヘッジズ。共演に、ニコール・キッドマン、ラッセル・クロウら実力派豪華キャストが集結した、圧倒の人間ドラマ。

本作では、アメリカにも実存する同性愛を“治す”目的で行われている矯正セラピーでの驚愕の出来事が描かれ、主人公ジャレッドが何故そのセラピーを受けることになったのかも紐解かれていく。ゲストに「BL 進化論」などの著書があり、映画、アート、クィア領域研究倫理などについて論文や記事を執筆している溝口彰子さんと、数々の映画イベントに登壇、音楽にも造詣の深い奥浜レイラさんを迎え、本作の魅力を徹底解説頂きました。

「これまでの傑作を彷彿させる、非常に意義深い作品」

本作の感想を聞かれた溝口さんは「米配給会社が一緒ということもあり、『ミルク』(09/ガス・ヴァン・サント監督)を思い出しました」と実在の政治家、ハーヴェイ・ミルクの半生を描いた大ヒット映画に言及。「『ミルク』も実話がベースですが、こちらは実際にいた人物を褒めたたえた映画。『ある少年の告白』は同じ実話でも、衝撃的な事実を描いて観る者に現実をつきつけてくる。一方、フィクションだからこそできる構成で、苦しさだけではなく、誰もが受け止められる表現にしている。そこが素晴らしいですね。そして、エンディングも“現実に接続すること”が共通している。非常に意義深い作品だと感じました」と傑作との繋がりを解説した。さらには「本作では、悲劇を描いているけれど、悲しみだけじゃない。その先に希望や光を感じさせる。その意味では『チョコレートドーナツ』を思い出しました」と、難しいテーマを描きながら、観客に多くの共感を生んだ名作『チョコレートドーナツ』(12/トラヴィス・ファイン監督)とも重なる点を語った。

S 級俳優たちの演技合戦は必見!「本作に出たい!」という思いが溢れてる

若手実力派のルーカス・ヘッジズをはじめ、ニコール・キッドマンやラッセル・クロウの大物俳優が集結している本作。溝口さんは、「出演者のインタビュー動画をみていて、彼らが物語に惚れこんで出たいと思っているのが、ものすごい伝わってきました」と、俳優たちの熱量が桁違いだったと解説。さらに「自身もゲイだとカミングアウトしているトロイ・シヴァンも「何があっても関わりたい」と話していて、本心としか思えなかった!」と驚きの表情をみせた。奥浜さんも「歌手としても活躍しているトロイは、ヨンシーとの共作で本作の主題歌「Revelation」も歌っていて、出演者だけでない関わりをして自分が“広げなければ”という姿勢が伝わってきますね。さらにニコール・キッドマンも大女優にも関わらず、映画 PR の為に多数の TV 番組に出ていて熱意が伝わりました。」と続けた。
またオーストラリア出身の俳優が多く出演している点にも言及、「オーストラリア勢の、アメリカ発音のパーフェクトさにはいつも驚かされます。本作の舞台がアメリカ南部で訛りがあるのですが、私自身が暮らしていたこともあって、特にラッセル・クロウの説教が、鳥肌が立つほどに完璧だった」と溝口さんは彼らのリアルを追求した演技を絶賛した。

「この映画は“変換期”をみせた」「まったく他人事ではない映画」

印象的だったシーンとして、奥浜さんは「ジャレッドがプログラムの中で家系図を書かされるシーン」を挙げた。「昔から慣用句でも言われていたように“この親にしてこの子あり”と、自分の由来を家族になぞらえることが、当たり前でしたよね。でも、本作でも描かれるように、本当はそうではない。もちろん身体的なものでなくて性格とかでも通じる話で、たとえ親子であっても、独立した別のひとりの人間なのだということを、どう受け入れていくかを考えさせられましたし、本作の主人公らと同じ立場にはいないけれど、遠い話だとは思いませんでした」。
一方、溝口さんはラスト近くのジャレッドと父マーシャルの対面シーンを挙げ、「彼らの演技力もあって、短い台詞で強い想いが伝わるシーンでした。息子も父を嫌いではないし、親も息子を嫌いではない。その上での“葛藤”がみえます。親との違い、その葛藤、そして受容。この映画は新たな“変換期”をみせたと思います」と、本作の重要シーンを解説。「宗教的なことも描かれる映画だし、“自分は関係ない、日本はいい国だ”と思う人がいるかもしれません。でも実際、日本でも事件は起きているし、全く他人事ではないですよね」と、物語の普遍性を語った。

「出口には希望がある」「沢山の人と観て、語り合ってほしい」

最後に溝口さんは「鑑賞のきっかけとして俳優の演技合戦を見に来るのもいいと思います。沢山の人と観て、語り合ってください」、奥浜さんは「見に行くことに対して、二の足を踏むのはもったいない。出口には希望がある物語なので、ご覧になった方はそのあたりもお友達にお薦め頂きたいですね」と、多くの人に届く言葉で締めくくった。


【イベント概要】
■開催日時 :4月8日(月) 20:55~21:30
■会場 :アキバシアター(千代田区神田練塀町 3 富士ソフト秋葉原ビル 2F)
■登壇者:溝口彰子氏、奥浜レイラ氏

■ 『ある少年の告白』予告編

■ キャスト
ルーカス・ヘッジズ
ニコール・キッドマン
ラッセル・クロウ
ジョエル・エドガートン
グザヴィエ・ドラン
トロイ・シヴァン

■ 公式ホームページ
www.boy-erased.jp

■ コピーライト
(C)2018 UNERASED FILM, INC.

4月19日(金)より
TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー!




※映画ログ会員の評価・感想・ネタバレ※

この映画の星の数と感想を映画ログでチェック


関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

   

CAPTCHA


注目映画

  1. 5月31日公開 映画『長いお別れ』 ■最新情報 ・【インタビュー】映画『長いお別れ』公開記念 …
  2. 8月16日公開 映画『命みじかし、恋せよ乙女』 ■イントロダクション ドイツ人監督ドーリス・デリ…
  3. 8月24日公開 映画『ジョアン・ジルベルトを探して』 ■作品情報 フランス生まれでブラジル音…
  4. 二ノ国
    8月23日公開 映画『二ノ国』 ■作品紹介 現実と隣り合わせなのに全く違う“もう1つの世界”…
  5. 映画『暁闇(ぎょうあん)』
    失くしたものをこんなに愛せると思わなかった。 映画『暁闇(ぎょうあん)』 7月20日(土)公開 …
  6. 新海誠監督最新作! 7月19日公開 映画『天気の子』 ■イントロダクション 全世界待望 ― …
  7. 映画『新聞記者』
    前代未聞のサスペンス・エンタテイメント! 映画『新聞記者』 2019年6月28日(金)公開 ■…

ツイッター

Facebook





ページ上部へ戻る