黒沢清と廣木隆一の系譜が重なった作品『アンダー・ユア・ベッド』の製作秘話を語る!

高良健吾主演『アンダー・ユア・ベッド』
安里麻里監督が自作を解き明かす
“私がギチギチにパズルみたいに作っちゃってる脚本を
壊してほしい”

【ニュース】
8月16日(金)21:00より放送された“映画を語る”番組「活弁シネマ倶楽部」にて、映画『アンダー・ユア・ベッド』を監督した安里麻里氏がゲスト出演し、自ら「ヒリヒリする映画を作ろうと思った」とする本作について、主演を務めた高良健吾の印象などを含めたっぷりと語った。

『アンダー・ユア・ベッド』は、黒沢清、塩田明彦の助監督を経験し、大ヒットシリーズの三連作『リアル鬼ごっこ3 ・4・5』などを監督するなど数々の作品を生み出し続ける、安里麻里監督の最新作。
高良健吾演じる主人公・三井直人は、些細ななことから、11年前、たった一度だけ名前を呼んでくれた佐々木千尋を思い出し、人生で唯一幸せだった当時の感覚を思い出そうと彼女を探し出す。合鍵を作り自宅に潜入し、盗聴・盗撮を繰り返していくうちに、夫・浜崎健太郎(安部賢一)から激しいDVを受ける凄惨な姿を知ることになる。安里監督は公式HP上において、主人公・三井について「変質的であり、純粋でもある。この危ういキャラクターを描いてみたかった。」とコメント。繊細に、生々しく描かれる三井は、見るものを否応なくひきつける。

安里監督は、主演の高良健吾について、「高良さんは、廣木隆一監督の子供のようなバックグラウンドを持っている」とコメントした。そして、映画監督としての自らの師である黒沢清監督について「私が学生時代に見ていた黒沢さんというのは、どっちかというと、ギプスのようにギチギチに(型にはめる)。その中で見えてくる感情だったり、意味だったりがある。」と自身の演出方法のルーツについて言及した。一方で、廣木監督については「むしろ(演技の指示を)言わない。立ち位置とか座り位置とかも言わない。」と比較して「すごく真逆。自分にとっては(高良健吾さんは)アウェイの人って今までずっと思ってきた」と明かしている。
さらに、対局の存在であった俳優を主演に据えた理由について触れ、「あえて、そういう人に、私がギチギチにパズルみたいに作っちゃってる脚本を壊してほしいというか、生きている人間みたいに、ナマモノのように高良さんだったらきっとやってくれるだろうと思った。」と同世代の名匠二人のメソッドが融合して出来上がったのが本作『アンダー・ユア・ベッド』であると明かした。

さらにトークは、映画の内容についても深く切り込んでいき、本作のキーポイントの一つでもある「暴力シーン」についても語られた。安里監督は「暴力シーンは、あえてカットを割らずに一連で撮った」として、暴力シーンを寄りで撮ることはしなかったというが、映画を観た人からは、“怖い”という感想が寄せられたという。これについては「ベッドの下から見えてる世界でしかない。だから想像力を掻き立てるのかもしれない。」とし、続けて「声が逆にきちゃう」とコメント。限られた視覚情報と鮮明に聞こえる“声”によって、観る者の想像力を存分に掻き立てている構造を分析した。これには、MCの森直人も納得の表情を浮かべ、日常において、音声だけが聞こえることによって起こる恐怖や勘違いなどの経験を交えて、「そっち(音声だけ)のほうがきつい」と、大いに共感を寄せている。

また、番組内では、女性監督として、数々の名作を生み出し、映画界を牽引してきた安里監督の映画製作にかける想いや、職人監督としての矜持、自らが過渡期にいることなどにもトークが及んだ。
1時間を超えるボリュームで語られた内容は、どこを切り取っても聞き逃すことのできない内容となっている。

■ 黒沢清と廣木隆一の融合『アンダー・ユア・ベッド』安里麻里監督が語る!!活弁シネマ倶楽部#41

■ キャスト
高良健吾
西川可奈子 安部賢一 三河悠冴 三宅亮輔

■ 原作
大石圭「アンダー・ユア・ベッド」(角川ホラー文庫)

■ 監督・脚本
安里麻里
1976年生まれ 沖縄県出身
黒沢清、塩田明彦の助監督を経て、2004年『独立少女紅蓮隊』で劇場長編映画デビュー。2005年『地獄小僧』はフランクフルト映画祭に出品される。
その後、「怪談・新耳袋」などテレビドラマにも進出し、活躍の場を広げる。2009年『呪怨 黒い少女』を監督。2014年『バイロケーション』ではホラー要素と謎解きミステリー、人間ドラマを融合させ、ウディネ極東映画祭、ストックホルム国際映画祭などへ出品され、国内外で称賛を浴びる。
その他の作品に、大ヒットシリーズの三連作『リアル鬼ごっこ3 ・4・5』(12)、『劇場版零~ゼロ~』(14/ストックホルム国際映画祭出品)、『鬼談百景』(15/「影男」「尾けてくる」)、『氷菓』(17/富川国際ファンタスティック映画祭出品)など。

■ あらすじ
雨の日の無人のエレベーター。誰かの香水の香りが残っている。俺は思い出す。この香り…、11年前、たった一度だけ名前を呼んでくれた佐々木千尋のことを。親からも学校のクラスメイトからも誰からも名前すら憶えられたことのないこの俺を「三井くん」と呼んでくれた時のこと。俺は人生で唯一幸せだったあの感覚にもう一度触れたいと思い、彼女を探し出すことにした……。

■ 公式ホームページ
http://underyourbed.jp/





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