ひとよ 白石和彌監督 東京国際映画祭

白石和彌監督
「直感的にお母さんは田中裕子さん」
映画『ひとよ』
Q&Aレポート

彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』『止められるか、俺たちを』『麻雀放浪記2020』『凪待ち』などヒット作を連発し続けている白石和彌監督の最新作『ひとよ』がついに本日11月8日(金)より全国ロードショーとなります。

一夜にして激変する家族の運命を通し、尊くも時に残酷な“家族の絆”、そして、 言葉にできない“究極の愛”を観る者すべてに問いかける、ヒューマンドラマの傑作に、主演の佐藤健ほか、鈴木亮平、松岡茉優、音尾琢真、佐々木蔵之介、そして、田中裕子と各世代を代表する豪華名優陣が集結しました。

先日開催された東京国際映画祭では、特別招待作品に選ばれ一足早くファンにお披露目されました。上映後のイベントには白石和彌監督が登壇し、本作の制作経緯から豪華キャストについてや劇中のあのアイテムの話まで、様々お話を披露してくださいました。この日は登壇が叶わなかったキャスト陣のレッドカーペットの写真を合わせてご紹介します!

―――― 『ひとよ』白石和彌監督です。

ひとよ 白石和彌監督 東京国際映画祭

映画『ひとよ』白石和彌監督

白石和彌監督
『ひとよ』を監督しました白石です。本日は来てくださってありがとうございます。

東京国際映画祭には去年『孤狼の血』という作品で参加したのですが、今年も『ひとよ』で来れて嬉しいです。東京国際映画祭は年々素敵な映画祭になっているのを僕らも感じていて、11月5日まで開催されていますので楽しんでください。

――――本作は戯曲が原作で、桑原裕子さんの「ひとよ」ですが作品製作の経緯を教えてください。

白石和彌監督
劇団KAKUTAの舞台作品で、僕はKAKUTAは観ていたけど「ひとよ」は観ていなかったんです。で、プロデューサーの長谷川さんが舞台を見て、魂を撃ち抜かれてとにかく白石さんと作りたいと声を掛けてくれたのがスタートです。

―――― 長谷川プロデューサーは戯曲のどこに魅力を感じていらっしゃったのですか?

白石和彌監督
話をした時に、彼もなぜ映画化したくて、なぜ感動したのか、わかっていなかったんです。僕が心理カウンセラーになって紐解いてあげたら、彼の家庭もこじれていたことが発覚しました。
平たく言うと、僕の家庭も普通の家庭じゃなくて、その辺が共鳴するんだねというのが共通認識としてあって、もちろん桑原さんが描こうとしているものがあったからそれがスタートですね。

―――― 設定に関しては共鳴する部分があったということですが、内容に関して、どの辺りに魅力を感じましたか?

白石和彌監督
父親を殺すというショッキングなスタートをするのですが、実はそこに描かれているのは母の愛とそれをどう受け止めるのか、兄妹同士お互いのことをどう思っているのかという普遍的なことを描きながら、どう僕たちは前に進んでいくんだろうかという部分が凄く響いたんです。

―――― 本作では佐藤健さん演じるユウジの目線になっている面が多いと思いますが、狙いは?

白石和彌監督
原作ではどちらかというと母親視点の家族の話なんですけど、やっぱり主役を次男にしたほうが家族の歪みとか物語に入りやすいだろうということと、この物語を観てもらう間口が広がるだろうということです。

―――― 役者の皆さんがそれぞれに素晴らしいのですが、小春(お母さん役)を演じられた田中裕子さんが本当に素晴らしいですね。

白石和彌監督
ねえ。この映画をやるにあたり直感的にお母さんは田中裕子さんに演じてもらいたいというのが僕の最初の条件というとあれですけど、この映画に必要な方だなというのはありました。

―――― その直感はなぜ?

白石和彌監督
やはり冒頭で母親は父親を殺すというショッキングなシーンがあって、その説得力を持たせたいというのがまず一つで。それには田中裕子さんが若き頃から演じていた情念の強い女性をずっと演じられてきて、それがこの映画にとって助けになってくれるだろうと思いました。

―――― 現場ではどのような方でした?

ひとよ 白石和彌監督 東京国際映画祭

白石和彌監督
あの、割と猫背なのですが、ずっと背筋が、僕のですよ、僕の背筋が伸びている感じですね。

(会場笑い)

―――― (監督が)緊張されていたのですか?

白石和彌監督
やはり田中裕子さんに品があるというか、映画自体が普段僕はもう少しダメな人達を描いている、田中裕子さんの品の高さで映画全体の格が一つあがるような感覚がずっとしていました。

―――― 一貫して、凛としていました。

白石和彌監督
確かに凜としていて、美しさがずっとあって、そこに美しいだけじゃないかわいさもあって、表現力が高い方だなと思いました。

(ここからは会場からの質問)

―――― とても心にガッツリくる作品に出会えて嬉しいです。田中裕子さんはドンピシャでということですが、他のキャストはいかがでしたか?アンサンブルが素晴らしかったので、初めから想定されていたのか、それとも変化していったのか教えてください。

映画「ひとよ」松岡茉優さん&鈴木亮平さん&佐藤健さん&白石和彌監督 TIFF2019 東京国際映画祭

白石和彌監督
この人がダメだから、この人にお願いしましょうというのは今回に関してはなかったです。
佐藤健くんで3人の兄妹というのがありました。まずはタケルくん(佐藤健)と仕事をしてみたいというのもあったし、それで兄妹をどうしようかと選んでいった感じですね。

この家族が決まった瞬間、“やべえキャストが集まりつつあるぞ”ってテンションが上がって、そこからはとにかくお芝居が上手な人を入れようというのが基本的なテーマでした。

なので演出家としては楽と言うか、自動的に芝居合戦のような形で、素敵な時間を過ごさせてもらったなって感じでした。

―――― MEGUMIさんも『孤狼の血』に続いての出演ですが、やはり『孤狼の血』で(監督の)心を掴まれたのでしょうか?

白石和彌監督
『孤狼の血』で彼女は最初に役所さんが取り調べするシーンのワンシーンだけなのですが、あの芝居を見た時に、ちょっと役所さんが胸元を見て、セクシーな気持ちになるみたいなシーンで、その時の芝居が“オヤッ、この人は芝居ガチな人だ”って気付いて、いつかお願いしようと思ってお願いしたら、やっぱりお芝居こんなに上手な人なんだとあらためて感じました。

―――― 原作となる戯曲を読んでいないのですが、「デラべっぴん」立ち位置は映画の中で…(笑)原作であったのか、監督の方で入れたのか。

白石和彌監督
「デラべっぴん」は日本でも数少ない、有数なエロ本なんですよ。
日本って来年オリンピックとかで、コンビニエンスストアからエロ本がなくなるという非常に不健全な社会なんです。

(会場笑い)

それをまず残したいというのがあるんですけど、これ原作にあるんですよね。でも、「デラべっぴん」だったかは「デラべっぴん」だったよね、長谷川さん?

まあ、「デラべっぴん」はこっちのチョイスかもしれないですけど、イントネーションはこだわったぐらいなので、「デラべっぴん」じゃなきゃダメだったんです!!

だから、何でもかんでも如何わしいモノを世の中から消せばいいってもんじゃないってことを訴えたいということです!!!

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