映画『ラ・ヨローナ伝説』グアテマラの大量虐殺とホラー 監督が語るものとは? ハイロ・ブスタマンテ監督 Q&Aレポート 第32回東京国際映画祭

ラ・ヨローナ伝説 東京国際映画祭 ハイロ・ブスタマンテ監督

映画『ラ・ヨローナ伝説』
グアテマラの大量虐殺とホラー 監督が語るものとは?
ハイロ・ブスタマンテ監督 Q&Aレポート
第32回東京国際映画祭

第32回東京国際映画祭コンペティション部門
映画『ラ・ヨローナ伝説』
10月31日(木)記者会見
登壇者:ハイロ・ブスタマンテ監督

―――― 司会:まず一言ご挨拶をお願いいたします。

ラ・ヨローナ伝説 東京国際映画祭 ハイロ・ブスタマンテ監督

ハイロ・ブスタマンテ監督


ハイロ・ブスタマンテ監督:本日お越しいただきましてありがとうございます。今回このように東京国際映画祭で上映されることを大変光栄に思っております。私の一作目の作品につきましても日本では大変成功を収めておりまして、おそらくマヤのカルチャーと日本のカルチャーというのは何かしらの接点があるかと思っておりますので、今回この作品につきましても高い評価を頂けることを期待しております。よろしくお願いいたします。

―――― 司会:前に公開された作品があり3部作になっているが全体を通したテーマはあるのでしょうか?

ハイロ・ブスタマンテ監督:どちらかというと3部作というよりは本当にテーマ以上の関わり合いはないので別々の作品として観て頂ければ良いなと思うのですけども、3つですね「侮辱」に関するテーマというものを考えていて、3つの世界において色々な差別というのが生まれてきているというのをこの作品を通じて書きたいというふうに思っていました。最初の「侮辱」なんですけどもこれはマヤの人たちですね。マヤの方々というのはグアテマラの人口の75%にあたるんですけども、かなり差別的な扱いを受けているというものを描きたいと思ったのが「火の山のマリア」という一番最初の作品になっています。そして2つめのテーマというのがゲイの男性の方々はマヤの人たちでは下に見られがちになっている、というコンセプトを扱っています。3つめが共産主義なのですが、政治的な意味での共産主義というよりも人権や社会的権利というのが腐敗に満ちた世界で害されている、そしてこの人権というものを受け入れてしまうとすでに権力を持っている人たちが権力を失ってしまうと、世界においてはこの映画で描かれている大量虐殺みたいなことが起きてしまう、ということをこの作品では描いています。

―――― 質問:いわゆる「虐殺」ということをテーマにあえてホラーという手法を扱ってみようと思われた理由と、罪を犯した人たちが自分たちの罪悪感で滅びていくという話しもできたと思うんですけども、あえて最後のシーンで幽霊を出したのはどういう効果を狙ってどういう判断からされたのかお聞かせください。

ハイロ・ブスタマンテ監督:戦争やマヤについてのテーマというのは国の中ではかなり複雑な話しになっていて、タブーも多く触れてはいけない話しになっています。そして、政府のほうからも強いプレッシャーがかかる内政については静寂を決め込むという動きがあります。かといって一般的な人たちというのは内戦の話しを止めることはないですし、どちらかというと過去をみないで酷いことが起きたということに対しての解決策を見出さないという動きもあります。
その中でいまの新しいジャンルの人たちを見つけていくと、彼らというのは本当にスーパーヒーロー的な映画というものを消費していてそれをトピックとして扱っていきたい、そしてこの国をみていくと本当に絶望に打ちひしがれて涙しているバザーランドのように思っていて、そこからこのプロジェクトというのは誘起的に生まれてきています。
このヨローナ伝説というのはラテンアメリカ、中東アメリカではかなり重要な伝説となっていて、元々の伝説というのは男に捨てられた女性がものすごく狂気の沙汰に陥ってしまって自分たちの子供を仕返しとして殺してしまうという伝説なんですが、本当にこの伝説というのは地元でも愛されていて、この伝説というものを若干変革させてこの作品へと作り変えていきました。

グアテマラの社会を見てみると三世代の人種がいると思っていて、最初の世代の人種というのはいわゆる年配の方々ですね、この作品でいうと大佐とその奥さん。彼らは人に共感する心を持っていなく自分たちはヒーローだと思っているので、国を守るためにその人間を殺さないといけない、そういう考え方の人たちなので最後まできても「自分たちはヒーローである。犯罪なんかしていない」と、そして戦争中、内戦中だったので間違いが起きてしまったという見方をしている人たちです。こういった人たちはそういった共感とかが全然ないので、他の世界から何か精神的なものをもらっていかないと反応ができない、何かそういう他からの働きかけがないと自分たちが最高であると思いすぎてしまうので、それをこのヨローナという作品の中で示したいと思いました。

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