次回作テーマは男性のアオザイ!映画『サイゴン・クチュール』グエン・ケイ監督来日記者会見

ベトナム映画 サイゴン・クチュール グエン・ケイ監督記者会見

次回作テーマは男性のアオザイ!
映画『サイゴン・クチュール』
グエン・ケイ監督来日記者会見

12月21日(土)より新宿K’sシネマほか全国順次公開の映画「サイゴン・クチュールグエン・ケイ監督が来日し、記者会見イベントが行われました。

グエン監督はアメリカ、イギリス、日本で実績を積んだベトナム映画界きってのヒットメーカー。本作では、ベトナムの伝統的な民俗衣装・アオザイをモチーフに、現代的でPOPなファッション・エンタテインメントを作り上げると、ベトナム国内では興行的ヒット以外にファッション的にアオザイが見直されるなど若者カルチャーにも影響を与えた1本がいよいよ日本上陸です!

グエン・ケイ監督記者会見

グエン・ケイ監督
みなさんこんばんは。東京に来日して、皆さんにお会い出来て嬉しいです。

―――― 監督は脚本も担当されていますが、伝統のアオザイ、そして60年代と現代のファッションを融合したこの物語を描いたアイディアはどこから生まれたのでしょうか?

ベトナム映画 サイゴン・クチュール グエン・ケイ監督記者会見

グエン・ケイ監督
60年代のアイディアは、私が一番愛している時代だからです。
60年代は素晴らしいことが数多く起きた時代でした。特に1969年には人間が月面に着陸しましたし、60年代は良いことが沢山あって、サイゴンも60年代は希望に満ちた時代でした。

―――― 脚本を仕上げるためにどのくらいの時間を要したのか、そして一番大変だったことをお聞かせください。

グエン・ケイ監督
アイディアを思いついてから脚本が仕上がるまでに4か月かかりました。最初に書いた脚本はストーリーとしてあまり良くなかったので、特にキャラクターのラインについて変えたいと思いました。幸運なことにプロデューサーであるゴ・タイン・バンさんがそれに同意してくれましたので、脚本を書き直して完成させることが出来ました。

―――― 母と娘の関係も非常に感動的でしたが、その関係も次第に出来上がっていったのでしょうか?

サイゴン・クチュール ゴ・タイン・バン

グエン・ケイ監督
最初に考えていたのは姉妹の話でした。そして、妹が姉にヤキモチを焼き、クローゼットに入り、そこで現代にタイムスリップする物語でした。
しかし、まず一つ目にはクローゼットがあまりベトナムチックではないなと思いました。そこで飾りの「玉」があるから、これはベトナムっぽいので採用しました。
もう一つはお母さんとの確執の問題は、現代、皆が本当に思っていることなので、これをストーリーに盛り込んで、母との確執を解決していくのがいいのではないかと考えました。

―――― 監督自身のエピソードや経験も入り込んでいるのでしょうか。

グエン・ケイ監督
もちろん影響しています。
映画制作は大変手間がかかり、時間がかかるものです。自分の人生の8カ月から1年をかけて、1本の作品を創ります。それは自分がプロジェクトを起こしたものでも、依頼を受けたものでもいずれにしても、自分の個人的なことを作品に投影させることが創りやすい手法だと思います。
アメリカの小説家、スティーヴン・キングも自らの知っていることを書きなさいと言いました。なので、私自身自分の母との問題が非常に大きかったので、それを盛り込むことにしました。

―――― ファッションが可愛くて素晴らしかったですが、現代のベトナムの最先端のものを追及して描かれたのでしょうか?

グエン・ケイ監督
そうなんです。ファッションは一番現代的なファッションを使っています。アオザイはもちろんベトナムの伝統的なファッションなのですが、それでもアオザイに対しての色々な見方があると思います。
私にとって大変ラッキーだったことにファッションデザイナーであるトゥイ・グエンさんがいました。彼女はウクライナで美術の修士号を取得した人で、絵描きさんであり、ベトナムでファッションデザイナーもしています。
私がこの話を持っていった時に、ベトナムがフランスの植民地だった頃、フレンチコロニアルだった頃に、ベトナムに花の柄のタイルが沢山出来たんです。それはフレンチコロニアルの象徴である、また、それと水玉が60年代の一つの象徴である。この両方をアオザイに入れましょうという話をしてくれました。
そして、トゥイさんは素晴らしいアオザイのコレクションを私たちの映画のために創ってくれて、それは現代的でもあるし、ヴィンテージでもあるという、素晴らしいコレクションを創ってくださり、この映画に入れてくれました。

―――― アオザイは日本の和服のような位置づけなのかなと想像しますが、今、ベトナムではどのくらいの方が着ていらっしゃるのでしょうか?

グエン・ケイ監督
伝統的なことでいうと、アオザイは着物と同じような服なのですが、アオザイはとても着やすいので、みんな毎日着ています。例えば、ベトナムの高校生はアオザイを着て学校に行かなければなりません。

ここでベトナム映画に詳しい落合賢(おちあい けん)監督も登場!!

落合賢監督
ベトナムで活動している日本人の監督はほぼ一人しかいないので、今回白羽の矢を立てていただいて、ゲストとして参加させていただきました。グエン監督に色々なお話を伺ってみたいと思います。

―――― お2人は初対面になるのでしょうか?

ベトナム映画 サイゴン・クチュール グエン・ケイ監督記者会見

落合賢監督
そうですね。ただ、共通の知り合いが本当に多くて、僕のプロデューサーであるチャーリー・グエン氏や主演のタイ・ホアさんであったり、沢山共通の友人としてFacebookでも繋がっていると思います。

グエン・ケイ監督
初めてお会いしたのですが、落合監督がベトナムで制作した2本の映画は観ておりますし、大変好きな監督で、こんなにハンサムな方だったんだと驚きました。

―――― 落合監督は『サイゴン・ボディガード』、そして今月日本でも公開となる『パパとムスメの7日間』を制作されていますが、監督から見たベトナム映画界の印象を教えてください。

パパとムスメの7日間

落合賢監督
ひと言で言えば、ベトナム映画界はエネルギーに満ち溢れている。業界も、個も。これからどんどん良い作品を創って世界中に出していこうという意欲が、日本や海外以上に強い気がします。

グエン・ケイ監督
その通りだと思います。ベトナムという国はどんな人に対してもフレンドリーです。ベトナムに来る人を温かく迎えるので、落合さんもそれでお仕事をされていますけど、他の映画人の人もそのままベトナムに居続ける人もいます。

落合賢監督
日本との繋がりも凄く深くて、親日の感覚が凄くあるんです。どんなお店に行っても日本人だと分かると、凄く良く対応してくれる。それから、お札に橋が描けれているのですが、それは日本人が1600年代に建てた橋がお札に描かれているくらい日本との関係が深い国です。

―――― 『サイゴン・クチュール』の感想や聞いてみたいことがあればお願いします。

落合賢監督
いっぱいあります。
映画を創っている時に感じることは、それぞれの国に文法があると思います。特に、カメラワークとかではなく、一番現れるのが美術の部分。この作品の色の使い方が素敵だなと思ったので、美術のアプローチについて教えてください。

グエン・ケイ監督
ラッキーだったことに私は大学でファインアーツ、美術を専攻していました。そして、トゥイさんも美術の専攻の方なので、脚本を書いている時、また監督をしている時もお互いに学び合うことがあって凄く良かったです。60年代はポップな色使いをする時代でした。ベトナムは熱帯ということでトロピカルカラーがとても似合いますので、“よし、ここはトロピカルカラーを使おう!”と決めました。

落合賢監督
原色がすごく強い感じがしますね。赤と青と黄色と。よくベトナムに行くと壁が真っ白なことが多くて、コロニアルの建築って白い壁が多いんですけど、その白と原色の強い色のコントラストがベトナムの凄く特徴的な部分だったんじゃないかなと思います。
ちなみに監督は何着アオザイを持っているのですか?

グエン・ケイ監督
3着です。

落合賢監督
それは一般的?結婚式用とかでしょうか?

グエン・ケイ監督
そうですね、結婚式など大きなイベントの時にはアオザイを着て行かなければいけないので。

落合賢監督
男性でアオザイを着ている方は少ないですけど、女性は多いですよね?

グエン・ケイ監督
昔は男性も着ていたんです。男性のアオザイも凄く素敵で、特に素材が素晴らしいものを使っていたので、良かったです。だけど、普通の洋服を着るようになってしまいましたね。だから、男女ともアオザイはあるんですよ。
実はサイゴン・クチュール2を考えていて、2では今まさに仰ってくださった“何で背広なのか。アオザイもあるのに”その葛藤の部分が描かれる予定です。

落合賢監督
ちなみに日本での撮影に興味はありますか?

グエン・ケイ監督
第3部がありまして、それは『京都・クチュール』になる構想があります。

―――― 次から次へと素敵な衣装が登場しますが、今回の映画で何着くらい衣装を用意されたのですか?

グエン・ケイ監督
231着です。
しかも、これ以外にも着ていない服があるのです。というのも、この映画はとにかくスターの皆さんが出演していて、スターは割と着るものにうるさいんですよね。

落合賢監督
フィッティングの時にベトナムの役者さんは結構自己主張をしっかりされる方が多いので、男性も女性も「この服は自分には合わない」と言われることも経験しました。

ベトナム映画 サイゴン・クチュール グエン・ケイ監督記者会見

映画『サイゴン・クチュール』は
12月21日(土)より
新宿K’sシネマほか全国順次ロードショー!

監督:グエン・ケイ/チャン・ビュー・ロック
脚本:エー・タイプマシン
製作:ゴ・タイン・バン/トゥイ・グエン
主題歌:ドン・ニー
出演:ニン・ズーン・ラン・ゴック/ホン・ヴァン/ジエム・ミー/オアン・キエウ/S.T/ゴ・タイン・バン(ベロニカ・グゥ)
字幕協力:大阪アジアン映画祭
特別協賛:松竹株式会社
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
原題:Cô Ba Sài Gòn
英題:The Tailor [2017/ベトナム/100分]©STUDIO68

公式HP:saigoncouture.com

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