応援企画!第8回俳優・渡辺真起子さん『ミニシアターと私』

画像,渡辺真起子

#SaveTheCinema「ミニシアターを救え!」の活動が多くの方々の共感を呼んでいます。映画ログプラスにとっても、 日頃から取材している作品と観客との接点であり、映画文化の多様性を担い、地域コミュニティに欠かせない全国のミニシアターが存続の危機に直面していることを受け、緊急応援企画として、全国のミニシアターの「声」をお届けします。

第8回は、俳優・渡辺真起子さんから届いたメッセージをご紹介します。
渡辺さんは1986年よりモデルとして活動を始め、映画では1988年『バカヤロー! 私、怒ってます』で俳優としてデビュー。最近の映画では37セカンズ(Netflixにて4/17より配信中)もみの家』『風の電話等々、休む間もなく出演し、更にテレビドラマ、CM、舞台などでも活躍されていて、現在はBSテレ東ドラマ『女ともだち』に出演中(5/9放送の第5話、来週5/16放送の第6話に出演!)です。私たちにとって、とても身近な存在だと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回は、渡辺真起子さんと映画との出会い、そしてその想い出を、まるで詩の朗読を聴いているかのような文で綴っていただきました。心の繊細な部分に静かに届くような、そんなきれいな想いです。

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左から 諏訪敦彦監督、モトーラ世理奈、渡辺真起子

運命

1968年に岩波ホールができた。私はその年に生まれた。

こじつけであるけれど、運命だったというか、世相の中で育ったってことだと思う。

そして、思春期を向かえた私はどこにいてもいる場所がなく、絶望的な気持ちで生きていた。

誰にも認めてもらえない自分と付き合うことが苦しかった。事情があり家庭に平和はなかった。

親の望んだ学校へ行き、馴染めず、街をほっつき歩いていた。

よくある話で、そのうち年上の友達ができ音楽や映画や、小説なんかを本気で楽しむことを知った。

1980年代、単館系の映画館がどんどんできた。進路を決めていくのに、影響されまくるわけだ。

一番最初に見た作品がなんなのか覚えてはいない。なんだったかなー。

最初のミニシアターと憧れの劇場

自分が出演した作品が上映された最初のミニシアターはユーロスペース。

諏訪敦彦監督の「M/OTHER」だった。

初日は新宿テアトルでなかなかの不入りだったのだけれど、

カンヌ国際映画祭の監督週間に招待され批評家連盟賞を受賞した後の凱旋上映だった。

私にはとっては憧れの劇場だった。誰も見にきてなかったらどうしようと身体中が痛かった。

満席の場内から、おめでとうという声をかけられて、とても驚いたけれど嬉しかった。

その後、大きな飛躍を遂げる作品はミニシアターから始まっている。

私がこだわっているわけではないと思うのだけれど、いつでも一緒なのである。

初めて俳優としての賞をいただいたのもシネマテーク高崎が主催している「高崎映画祭」だった。

小林政広監督とは「愛の予感」で北海道のミニシアターを車で巡った。

映画としても俳優としての映画体験としてもとても大きな経験になった。

ミニシアターを維持していくことは簡単なことではないことを知った。

ミニシアターのその意思は・・・

全国ロードショーされていなくても、多種多様な質の良い作品が、

その土地で暮らす人たちの支えになるだけではなく、

世界は広いのだということを教えてくれる大きな窓になる。

情報や教養が、人を救うことは確かにある。

それは、文字が並んだパンフレットのようなものでは伝えきれないことだったりするように思う。

映像、音、空間、キュレーターの役割をになえる映画館。

ミニシアターのその意思は、

世界には最大公約数ではない多様な人生があるということを伝える、ということなのではないかと思う。

私は映画館にポツリといたある日、誰かの物語を見ながら、私も生きていていいんだなって思った。画像,渡辺真起子

映画に関わるすべての方々に感謝しています

たくさんの苦労を抱えながら、興行成績だけではなく、新しい視点や、挑戦を携えた作品、

未来の礎になる可能性、生きることを胸をえぐるように語り合える機会をくれるような作品を、

常にそばにあるのに見落としてしまっているような美しさを教えてくれる作品を、

見つけてくれる方々、届けてくれる方々、ガイドをしてくださっている方々、

映画に関わるすべての方々に感謝しています。
画像,渡辺真起子
そして見届けてくださっている最後のエキプ・ド・シネマ(フランス語で「映画の仲間」)が映画館の座席にいる方々です。

今、私ができることは、私を育ててくれた場所を、次の世代に渡すことだと思っています。

 

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