
白波多カミン、水石亜飛夢、佐近圭太郎監督が初日舞台挨拶に登壇
9月11日に初日を迎えた『東京バタフライ』の初日舞台挨拶がアップリンク吉祥寺で行われ、白波多カミン、水石亜飛夢、佐近圭太郎監督が登壇した。
本作は、シンガーソングライターとして活動する京都のアンダーグラウンド女王・白波多カミンを主演に迎え、「魔進戦隊キラメイジャー」の水石亜飛夢、小林竜樹、黒住尚生ら新進気鋭のキャストが集結。叶わなかった夢の残り香を胸に、先の人生をどう生きていくか― 不器用な彼らの音色が紡ぐ、ほろ苦くも温かいヒューマンストーリー。
主人公の安曇を演じた白波多は「やっと初日を迎えられてうれしく思います。最後まで楽しんでください」と観客に向けてあいさつ。この日はコロナウイルス感染防止対策のため、登壇者は透明のシートに囲まれた状態で登壇していたが、ギタリスト・仁を演じた水石は「こういう感じの舞台あいさつは新しいですね」と笑顔を見せると、客席に向けて「今日は久しぶりに皆さんの顔を見ることができてしあわせですね。映画を観る前のお客さまの顔は独特ですからね」としみじみした様子で呼びかけた。佐近監督は「2年前に撮った作品で、いつ上映できるかと思っていましたが、ようやく公開できてうれしく思います。自分の力だけでなく、多くの方のお世話になりました。(客席の皆さんは)最初のお客さんとして来場していただいて、感謝しかありません」と感謝の思いを述べた。
白波多&水石、初共演の印象は?
白波多は、このたび初共演となった水石の印象を尋ねられて「イケメンだなと思いました」としみじみ。続く水石が、白波多の印象を「とても空気感がある方だなと思いました。歌うと力強いし、お芝居も目の前に安曇がいるという感じだった。僕自身引っ張っていただきました」と真面目にコメントすると、すかさず白波多が「さっきはふざけてすみません。水石さんはとてもステキな青年で。引っ張っていただきました」と返答。その様子に水石が思わず笑顔になるなど、和気あいあいとした様子を見せる二人だった。
また二人の印象を尋ねられた佐近監督。まずは水石について「亜飛夢くんはオーディションをやりました。書類とかを含めると100人くらい応募してくださったんですけど、その中で亜飛夢くんが抜群によかった。亜飛夢くんが入ってきて、すぐに仁が来たと思いました。彼しかいないなと思ってお声がけさせていただきました」と述懐。水石も「オーディション会場がめちゃめちゃ地元だったんで、やったと思ったんですが、でも気を抜いちゃいけないなと思って頑張りました。なんとか受かったので良かったです」と笑顔を見せた。
続けて白波多について「安曇はアーティストで音楽やられている方といいと思って。プロデューサーがYouTubeにこんな人がいるよということで50人のリストを作ってくれたんです。49人見ても、安曇役が見つからなくて。どうしようかと思ったんですが、プロデューサーが『50人目を忘れていました』と言って。カミンさんの名前を付け加えたんです。それが『バタフライ』のMVだったんですが、曲もいいし、彼女はアンニュイで、何を考えているのか分からない表情だった。とにかく彼女を撮りたいと思いました。それがなかったら一緒にできていなかったですね」と述懐。それを聞いた白波多も「人生が変わっていましたね。それも運ですね」としみじみ付け加えた。
白波多「できないときはできない」
「理想と現実」をテーマとした本作にちなみ、自身が感じる「理想と現実」について尋ねられた登壇者たち。まずは白波多が「わたしはずっと、理想の自分が、自分だと思い込んできたんです。そこにいけないことがおかしいと思って、自分を責めていました。それに気付けたのが最近で。現実と理想があるということが分かったら、それとの距離の取り方が分かってきた。できないときはできないし。そう考えたら楽になりました。できないときも、それがいい悪いではなくて、全部味わい尽くして死ねればいいですね」と心境の変化を語る。
そしてそれを聞いていた水石も「今、聞いていると理想って難しいなと思いましたね。いろんな業界でトップと呼ばれる人でも、今の自分が理想ですと言える人がいるのかなと。でも僕も理想とか目標があって。そこに届いていない時はやっぱりまだ努力不足だと思うし、上には上もいますし、あとはご縁もあると思います。でもなんかこれまでの人生で無駄ってなかったと思うんですよね。理想に近づくために生きているんだと思います」とコメント。さらに「これまで出会った作品もいい作品ばかりなんで。自分で言うのもなんですが、ありがたいです。出会うべくして、出会っているんだろうなと思って、やらせていただいています。もちろん『東京バタフライ』もそうです」と付け加えた。
この日のイベントでは不思議な存在感を見せる白波多に対して、明るく受け答える水石の姿が印象的だった。30分のイベントは終始和やかな雰囲気の中で幕を下ろした。
9月11日(金)アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督・編集:佐近圭太郎 脚本:河口友美 音楽:白波多カミン 撮影:星潤哉 チーフプロデューサー:和田丈嗣 プロデューサー:新井悠真
出演:⽩波多カミン ⽔⽯亜⾶夢 ⼩林⻯樹 ⿊住尚⽣ / 松浦祐也 尚⽞ 松本妃代 ⼩野⽊⾥奈 浦彩恵⼦ 熊野善啓 福島拓哉
主題歌:白波多カミン with Placebo Foxes「バタフライ」(日本コロムビア)
『東京バタフライ』公式サイト:https://tokyo-butterfly.com/
制作:WIT STUDIO Tokyo New Cinema 配給:SDP 82分
©2020 WIT STUDIO/Tokyo New Cinema
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