石橋静河「芸術の真髄とはなにかを私たちに教えてくれる」映画『イサドラの子どもたち』にコメント

石橋静河「芸術の真髄とはなにかを私たちに教えてくれる」映画『イサドラの子どもたち』にコメント

作家堀江敏幸、俳優石橋静河、映画監督三宅唱ら著名人12名『イサドラの子どもたち』絶賛

『泳ぎすぎた夜』のフランスの俊英ダミアン・マニヴェル監督の最新作で、第 72 回ロカルノ国際映画祭最優秀監督賞を受賞した『イサドラの子どもたち』9 月 26 日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開されます。一足早く作品を観た著名人からのコメントが解禁となりました。

伝説のダンサー、イサドラ・ダンカン。
彼女の遺したダンス「母」から生まれた、3つの喪失と再生の物語。

モダンダンスの始祖として知られるイサドラ・ダンカン(1877〜1927)。20 世紀初頭、舞踊の世界に革命を起こした彼女は、1913 年 4月、二人の子供を事故で亡くし、その痛みに苦しみながら、亡き子どもたちに捧げるソロダンス「母」を創り上げた。それから 100 年の時を経て、現代に生きる 4 人の女性がイサドラの「母」と邂逅するーー。第 72 回ロカルノ国際映画祭最優秀監督賞を受賞するなど世界的な評価も受ける秀作が待望の日本公開!

『イサドラの子どもたち』への絶賛コメント続々!

この度、本作を鑑賞した著名人たちより、この美しい傑作を賞賛するコメントが寄せられた。堀江敏幸(作家)、石橋静河(俳優、ダンサー)、三宅唱(映画監督)、イ・ラン(アーティスト、シンガー・ソングライター)、松田青子(作家)、寺尾紗穂(シンガー・ソングライター、エッセイト)、五十嵐耕平(映画監督)、草野なつか(映画作家)、五所純子(文筆家)、ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン、美術家)、小柳帝(ライター/編集者)、坂本安美(アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任/映画批評)の 12 名が、ダンス映画の枠を超えた映像詩に感銘を受け、それぞれの言葉でその素晴らしさを綴っている。

『イサドラの子どもたち』へ寄せられたコメント一覧(順不同・敬称略)

堀江敏幸(作家)

最後に顕現するのは、無重力の碧い闇に放たれるような、重さを無化する手指の舞いだ。もうイサドラの言葉はいらない。言いたいこと、言うべきことはすべて、彼女たちが見つめる指の先にある。

石橋静河(俳優、ダンサー)

イサドラは、彼女にしか分かりえない深い悲しみを作品に昇華させた。

そしてそれは時代を超えて、個人の感情という枠を超えて、芸術の真髄とはなにかを私たちに教えてくれる。
そのことを、柔らかく静かな感触で知ることができた映画であった。

三宅唱(映画監督)

彼女たちの手、足、全身をダミアン・マニヴェルとともにみつめているうち、「あ!」という瞬間が訪れる。今まで目にみえなかったものが突然みえる感じ。「ダンスはわからない」という人こそきっとその驚きと喜びは大きいだろう。ダンスの面白さはなかなか言葉にならないが、だからこそ、「言葉にならない」ことを胸の内に抱えている人にとって大切な映画になるかもしれない。

イ・ラン(アーティスト、シンガー・ソングライター)

ひとりの個人的な感情が誰かの時間に行きつく、そのつながりの瞬間を見ることができて嬉しかった。
合言葉のように書かれたダンスの楽譜や日記なども、その元となる感情と結びつこうとする美しい試みのように見える。

他人の話を、感情を、身振りを理解し、それを再現する人間の欲望は(それがどこから来るかは分からないが)とても美しい。そして、この世にただひとりだけということはなく、すべてがつながっていることを、この映画を通じてあらためて確認することができました。

松田青子(作家)

四人の女性がイサドラ・ダンカンの「母」に近づいていく過程の美しさ、そして彼女たち自身の物語が溶け込んだ「母」の美しさに息をのんだ。
これからずっと、自分の心の片隅にこの作品がいてくれることをうれしく思う。

寺尾紗穂(シンガー・ソングライター、エッセイスト)

子を失ったイサドラのダンスがダンサーによって再演される。
それを見守る人々の顔が長く映されていく。驚いた。
誰かの心に耳澄ます人の顔はみな木々のように美しかった。
ダンサーも観客も、この映画に出会った私たちも、人間は他者と、他者の経験に対し、本当はきちんと向き合うことができる。
その希望を、フィルムはただ静謐をもって語っている。

五十嵐耕平(映画監督)

彼女たちの体に魂のようなものが宿る。エルザが長い長い帰路(彼女の人生のように、当たり前で、とてつもない苦難に満ちた道のり)を経て、自宅のカーテンを撫でたその手を中空に差し出すとき、その魂はもうすでに私たちにも伝承されていることに私たちの肌や指先は気がついている。「ダンスは誰のものでもない」

草野なつか(映画作家)

秋から冬へと近づく。葉が落ち始め、下へ下へと向かう。
ある女性は視線を落として子どもたちを見つめ、ある女性は坂を下る。
重心を下げ、彼女たちは身振りを取得しようとする。
(空白を)正しく抱きしめる身振り。
その過程の時間が、私たちにこの上ない至福をもたらす。

五所純子(文筆家)

芸術は母子関係のつらなり。計画的であろうと、偶発的であろうと。孕み孕まれ、産み産まれ、教え教わる。血縁や生殖能力のことではない。だから逆説的に登場人物は女性でなければならなかった。三景四人の母や子が。断絶しながら継承する。いや、継ぎながら断つことに生き延びがある気がして、いまは。

ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン、美術家)

デジタル化不可能な最後の砦がダンスであり舞踏ではないか。
そして、個人の生を超える人間の在り方があるはずだ。
イサドラはそんなことを示唆してくれる。

小柳帝(ライター/編集者)

これまで基本フィックス(固定撮影)だったマニヴェル映画において、カメラが楚々とした動きを見せることに感動を覚えるのと同時に、これが紛れもなく「ダンスについての映画」であることを私たちは知る。伝承されてきたイサドラ・ダンカンの『母』のコレオグラフィ(振付)を身振り(geste)によって、またイサドラのテキストを声(parole)や文字(écriture)によって反復することを通し、四人の女性たちは、「誰のものでもないダンス」において、「自分自身の動きとやり方」を見出して行くのだ。

坂本安美(アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任/映画批評)

月光をほのかに照らすカーテンの端に這わせた手を頬へとゆっくりと移動させるハッとさせるほど官能的な仕草から始まるラストのダンス、本作に流れてきた、あるいはイサドラの生きた 100 年以上前、そして彼女が語る太古の時間、感情のすべてがその美しい動きの中に受け止められ、ただただ息をつめてその孤独な女性を見つめているしかない。

ダミアン・マニヴェルは、これまで以上に自由かつ優雅なる手つきで、秋から冬に移り行く季節を生き、そして踊る 4 人の女性たちと共にひとつの作品=宇宙を創り出していく。

『イサドラの子どもたち』予告編映像

キャスト

アガト・ボニゼール、マノン・カルパンティエ、マリカ・リッジ、エルザ・ウォリアストン

監督

ダミアン・マニヴェル

スタッフ

脚本:ダミアン・マニヴェル、ジュリアン・デュードネ
撮影:ノエ・バック
編集:ドゥニア・シショフ/サウンド:ジェローム・プティ、シモン・アポストル
製作:マルタン・ベルティエ、ダミアン・マニヴェル

『イサドラの子どもたち』作品情報

2019 年/フランス・韓国/84 分/ビスタ/5.1CH/カラー/DCP/原題:LES ENFANTS D’ISADORA
配給:コピアポア・フィルム
公式サイト isadora-2020.com

9月26日(土)よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開

友だち追加

コメント

注目映画

  1. 82年生まれ、キム・ジヨン,画像
    全世界の女性たちが共感 私たちはジヨンの人生を通して違和感と痛みの正体と、未来への希望を知る 映…
  2. 映画「クローゼット」
    孤独を抱え、SOSを出せない⼤⼈たちの必⾒ドラマ 「私の人生、もう詰んだ!」若い女性が歌舞伎町…
  3. リトル・サブカル・ウォーズ 〜ヴィレヴァン!の逆襲〜
    ハチャメチャで可笑しくて、最高に懐かしい 「名古屋発・笑って泣ける最強の青春ドラマ」が遂に映画化!…
  4. 浅田家!,画像
    「一生にあと一枚しか、写真を撮れないとしたら?」 彼が選んだのは、“家族”だった―。 映画『浅田…
  5. 画像,ウェン・ムーイエ(文牧野),ニン・ハオ(寧浩),シュー・ジェン(徐崢),ワン・チュエンジュン(王伝君),ジョウ・イーウェイ (周一囲),薬の神じゃない!,映画,中国,金馬奨,主演男優賞
    中国で500億円もの記録的大ヒットを記録! 金馬奨・主演男優賞等の映画賞を受賞! 映画『薬の神じ…
  6. 画像,本気のしるし,森崎ウィン,土村芳
    その女、出会ったことが事故だった-- 深田晃司監督が描く、弱く不器用な男女の転落劇 映画『…
  7. 映画『アイヌモシリ』
    ―この世界を、生きる。生きていく 現代を生きる「アイヌ」を映し出した、新しい日本映画が誕生 近年…

DedachiKenta MV完成!

ページ上部へ戻る