『ファンファーレが鳴り響く』主演笠松将オフィシャルインタビュー

『ファンファーレが鳴り響く』主演笠松将オフィシャルインタビュー

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020
オープニング作品『ファンファーレが鳴り響く』
主演笠松将オフィシャルインタビュー!

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020のオープニング作品として上映された森田和樹監督の待望の最新作『ファンファーレが鳴り響く』は、森田監督の人生を投影するスプラッター青春群像劇。病気のせいで、仕事の面接で面接官に相手にもされなかった森田監督が、吃音症についての動画を見た時に、自分の中でリンクして、自分を吃音症の主人公に投影させ、執筆した。

主演は「デイアンドナイト」「花と雨」などの話題作に次々と出演する笠松将、ヒロインに「左様なら」「アイネクライネナハトムジーク」「楽園」など、存在感のある役柄を演じることに定評がある祷キララ。その他、川瀬陽太、黒沢あすか、大西信満、日高七海、上西雄大、木下ほうかなど、日本映画を支えてきた役者たちが脇を固める。

本作は、10月17日より新宿K’s cinema(10月17日(土)から10月23日(金)は、14:40〜、16:45〜、18:50〜、10月24日(土)から11月6日(金)は、15:00〜、17:00〜)を皮切りに、10月23日より岡山メルパ、11月6日より千石劇場(長野)、12月11日よりkino cinema天神(福岡)ほか、横浜シネマジャック&ベティ、名古屋シネマスコーレ、第七藝術劇場(大阪)、京都みなみ会館、土浦セントラルシネマズ(茨城)での上映が決定。

主演・笠松将のオフィシャルインタビュー解禁

Q. 本作の脚本を読んで、どう思われましたか?

監督のやりたいことがたくさんあってはっきりしていたし、楽しそうだなということと、芝居する上で理解しなくてはいけないもの、超えなくてはいけない壁があるなという、楽しみと不安な気持ちの両方がありました。

Q. その不安とは?

吃音症というのを俳優が簡単に軽い気持ちでやってはいけないので、勉強して理解した上でどうやって表現するかというのが難しいポイントでしたし、自分の持っているビジュアルとこの主人公がかけ離れているからこそ、どう説得力を持たせるか引き算をしていきました。

Q. 笠松さん演じる明彦は吃音症ですが、吃音症については、何を参考にされたんですか?

文章で勉強した部分もたくさんありましたし、その方たちが何に悩んでいるかを参考にしました。Youtubeに吃音症の人に密着したドキュメンタリーが結構あったので見ました。吃音症の中のどういう症状を演じるかも自分で選ぶ必要があったので、それに時間がかかりました。きちんと向き合ったし、軽く扱っていないことを理解していただいた前提でお話しすると、今回のストーリーを表現するにあたって、「プレッシャーがかかった状態で、声が出づらくなる」という症状を選びました。

Q.「他人の血を見たい」という強い欲求を持つ祷キララさん演じる七尾さんと逃亡する役ですが、祷さんとの共演はいかがでしたか?

役柄として出会っているんで、「怖い子なのかな、ヤバイ子なのかな」と思っていましたけれど、普段話してみると、ニコニコ笑ってくれるし、「今日は大変なシーンがあるから力を抜こう」とかでなく、常に全力で、目の前に起こっていることに対応している感じがかわいいなと思っていました。

Q.祷さんとは同級生役ですが、実際は7歳違いです。同級生に見えるように、何か工夫はしましたか?

祷さんに合わせたというよりも、作り物の空間はできるだけ排除したいので、アラサーの僕が高校生に見えるように、できるだけリアリティを持っていくようにしました。意識したのではなく勝手にそうなっていました。1つ1つ丁寧になっていたような気がします。カバンの持ち方や、猫背や、顔の表情の作り方は心情でそうなるので、何か1つを意識したというよりも、全部が繋がってそうなりました。一生懸命やりました。

Q. 七尾さんが人を刺しているのを止めるような言葉をかけながらも、少し笑いながら見ているというような設定でしたが、倫理観と欲望のはざまをどのように考えて演じましたか?

腑に落ちるものはそんなに止めず、腑に落ちないものは止めようとしたり、その時々、その場所での彼らの正義はあると考えました。「殺している。楽しい、イェイ!血だ、イェイ!」というノリでは全くなかったです。1人目殺しても2人目は緊張するし、2人目殺しても3人目は緊張するし、というのを重い感じで描いていないのも、「本作で伝えたいのはそこではない」という感じがして、本作の面白ポイントなのかなと思います。

Q. 川瀬陽太さん演じるお父さんから吃音やいじめについて理解されていないという設定でしたが、川瀬さんとの共演はいかがでしたか?

川瀬さんは他の作品でもちょこちょこ一緒になっていて、一方的に拝見もしていましたが、仕事の仕方がプロでした。役割をすごく理解している俳優さんだなというのを感じました。

Q.黒沢あすかさんが、母性いっぱいの、主人公の過保護なお母さん役でしたが、ご一緒していかがでしたか?

本当に優しいし、声をかけてくださるし、ニコニコしていらしたし、綺麗なお母さんでした。

Q. 大西信満さん演じるダメ人間だけど憎めない叔父さんとのシーンが好きだったのですが、共演シーンはいかがでしたか?

ダメ人間だけど、主人公にとってはちょっとした頼れる兄貴という風に思ってやりました。先輩方は現場でそういう風に居てくれるんですよね。最初お会いした時に、「あの作品観たよ、この作品観たよ」と一声掛けて頂いてからご挨拶をして、そうして頂けると、一気に緊張がほぐれるし、こんな方たちが僕のことを知ってくださっているんだな、と嬉しかったです。

Q.撮影の印象的なエピソードはありますか?

盛りだくさんですからね。お母さんとの「照れくさいけれど、この人となら話せる」という空気感とか、叔父さんのことを「ダメな大人だ」と思いながらも1番近い先輩であり唯一の先輩という感じや、お父さんとの言い合いも脚本で読んでいた時よりやった時の方が緊張感があったし、自分の中で勉強になったんです。どっちがいい悪いではなく、自分は計算しながらやるところがあるんですが、祷さんは目の前のことへの一生懸命さも魅力的だったし、出演者のいろんな人のことを愛らしく思えます。全部が全部いいシーンというわけではないのですが、やってよかったなと思います。

Q. ゾンビの歌のダンスと歌の撮影はいかがでしたか?

嫌でしたよ(笑)。歌は本当に苦手なんで。嫌でしたけどいい経験というか、楽しかったです。映像を撮った後に歌を録ったんですが、映像があまり「歌っている」っていう感じではなかったので、「しゃべっている」というノリから、立ち上がるにつれて、音程と歌詞と吐いている言葉と内の感情がリンクしていく仕上がりになればいいなと思いました。

Q. いじめられるシーンは、演技とはいえ嫌な気持ちになるものですか?

なります。僕は作品を撮っている時に、役が抜けないということはないんですけれど、そのシーン単位で役に入るので、いじめられている時はやっぱり嫌ですよね。普通に体験していますから。しんどいなと思いました。

Q. いじめられるシーンの撮影エピソードはありますか?

皆僕より年下だから「カット」と言われた途端、全力で走ってきて土下座みたいな勢いで、「すみませんでしたー!」というような感じでした。気持ちのいい子たちでした。

Q. 船の上で明彦も教科書を破くシーンで、明彦が「七尾さんに付いていく」という決意をしたように思いましたが、撮影のエピソードはありますか?

破くのはうまくいきました。うろ覚えなんですけれど、僕は弁当を食べて、捨てて、覚悟を決めてまた食べだすというイメージだったんですけれど、監督としては食べた後に投げてまた食べるというのが違うと感じたらしくて、「僕だったらそうする。」、監督は 「飲み込んでから捨てないでしょ。」と戦った覚えがあります。最後に監督が見てから、「やっぱこっちの方がよかったね」となりました。そういう風に1つ1つ悩みながら撮影していきました。

Q. 完成した作品を見てどう思いましたか?

脚本を読んだ時や撮影した時よりも、シンプルに面白かったです。その面白さは全然100点満点じゃなくて、粗探しをすればいくらでもあるんですが、突き抜けた何かがあるんです。すごく高度なことをしているなと思うことが。熱量だとか泥臭さだとかそういうことじゃないんです。主人公は最後に笑うんですが、人殺しをしたから最後笑えるんです。走馬灯というか。楽しい青春を思い出せる。でも殺しをしていなかったら、七尾さんと出会っていなかったら、こいつ死ぬ時笑えていないと思うんです。すっごく表現が難しいですけれど、この主人公の個人だけの世界にぐっと狭めた時にそれでいいと思いました。そう思えるなんてすごく高度なことをやっている気がします。

Q.webインタビューの読者の方にメッセージをお願いします。

出る側として、インディーズ映画も好きだし、低予算映画も好きだし、初監督作品も好きだけれど、もうしばらくできないんです。今までそういうフィールドでやってきたから次は別のフィールドでやってみようという考えで、こういう規模感で僕のことが観れるのは一旦最後です。有名人しか出ていない映画を「観ました」と言っていただくのも有難いんですけれど、「『ファンファーレが鳴り響く』を観ました」と言っていただくと「おっ」ってなります。「主役僕だよ」と思います。
低予算で撮ったし、100点満点の作品ではないし、別の表現方法もあったんだろうけれど、結構この作品が好きです。突き抜けているところがあるんです。一度見ていただきたいです。見ていただいて面白くなかったら、今後二度と僕の作品を見なくても大丈夫だと思うほどです。

『ファンファーレが鳴り響く』予告編映像

あらすじ

高校生の明彦(笠松将)は、鬱屈した日々を過ごしている。持病の吃音症が原因でクラスメイトからイジメられ、家族にその悩みを打ち明けられないどころか、厳格な父親(川瀬陽太)からは厳しく叱咤され、母親(黒沢あすか)からは憐れんで過度な心配をされ、脳内で空想の神を殺しなんとか自身を保っている状態だ。
そんなある日、明彦はクラスメイトの才色兼備な女子生徒・光莉(祷キララ)が野良猫を殺している現場に偶然居合わせてしまう。光莉は、生理の時に見た自分の血に興味を駆られ、他者の血を見たい欲求を持っていた。光莉は「イジメてくる奴らを殺したいと思わない?」と明彦に問いかける。その日から明彦の中で、何かが変わったのだった。
明彦は、自身が学校でイジメられていることをホームルーム中に訴える。そのせいで明彦はさらにイジメグループから追い回されることになり、街中逃げ回るが、ついに追いつめられる。しかしそこで、光莉がまた野良猫を殺していた。そしてそのナイフで、光莉はなんと明彦をイジメている同級生を殺してしまう…。二人はその現実から逃げるように都会へと向かう。その最中に出会う、汚い大人たちをさらに殺していき、二人の血に塗れた逃亡劇は確実に悲劇に向かっていくのだった…。

キャスト

笠松将、祷キララ、黒沢あすか、川瀬陽太、日高七海、上西雄大、大西信満、木下ほうか、他

監督・脚本

森田和樹

スタッフ

製作:塩月隆史、人見剛史、小林未生和、森田和樹
プロデューサー:小林良二、鈴木祐介、角田陸、塩月隆史
撮影:吉沢和晃 録音:西山秀明 助監督:森山茂雄 特殊造形:土肥良成
主題歌:「美しい人生」sachi.

『ファンファーレが鳴り響く』作品情報

制作・配給・宣伝:渋谷プロダクション
製作:「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会
©「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会

10月17日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

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