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フィリピン映画は今年もスゴイ『ファン・ガール』感想 第33回東京国際映画祭
- 2020/11/2
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ジェーン魂の叫び!
映画『ファン・ガール』感想
10月31日(土)から開催中の第33回東京国際映画祭。11月5日(木)10時20分から上映され、23時からは監督・キャストが登壇してのオンライントークイベントが予定されているフィリピン映画『ファン・ガール』。
早速、映画ログスタッフのどこよりも早い感想レポートです!(日時・場所・チケットは必ず公式HPでご確認下さい)
昨年鑑賞したフィリピン映画『マニャニータ』も良かったけど、今年も良かった!!
関連記事:必然の143分が生み出す圧巻のラストシーン!フィリピン2大巨匠の系譜『マニャニータ』Q&Aレポート
映画『ファン・ガール』感想
※この感想には一部ネタバレが含まれます。鑑賞前の方はご注意ください。
ドラマや映画で活躍するスター俳優のパウロ・アヴェリーノ。この日も新作恋愛映画の宣伝でショッピングモールを訪れるとファンは大熱狂。相手役の女優との恋仲を問われると半ば認めるような雰囲気さえ漂うパウロと人気女優。そんなパウロの大ファン女子高生がこの作品の主人公・ジェーン(役:チャーリー・ディソン)だ。
イベント中に彼からウインクをされたと思い込む彼女は大胆な行動に出る。なんと、パウロの愛車の荷台に潜むのである。そもそも大スターが自分の車でイベントに来るのも驚きだが、道端で立小便をし、仕事内容に文句を言う想像と違う彼の姿が徐々に明らかになっていく。
ついにはパウロの自宅にも忍び込んで素顔の彼の姿を覗いてしまうのだから当然キレられる。幸い夜遅いこともありその日は彼の自宅に泊まらせてもらうことに。子供扱いするパウロに対して、そうではないと言い張る16歳のジェーンは、徐々に孤独なスターと打ち解け、ビールを飲み…。女子高生ファンとスターが一夜を共にしてしまい、男女の間に何かが起こってしまわないかというちょっとしたドキドキをジェーンの妄想で掻き立てられつつ…。
そんな夜、大好きなスターの家に泊まったファン・ガールはとある光景を目にしてしまい、翌日、そのあることが原因で突然不機嫌になるパウロ…。
その後の展開は観てのお楽しみなのだが、パウロの勧めでタバコを吸い、クスリをやり、そして…。こうなるともはや日本では決して描けない展開だと思うのだが、だからこそ日本で本作を公開し、若者にもしっかりと観てもらいたいと願う。(余談だが、昔は日本でも『高校教師』というドラマが流行ったのだが、今のご時世では相当批判されてしまいそうな。。)
アート系、メジャー系双方の作品で活躍しているという女性監督アントワネット・ハダオネが描く本作は、少女が物語の中で様々な体験をすることで勇気をもって男性に抗うまでに変貌を遂げていく。終盤、ジェーンが放つ「くそったれ!」という魂の叫びには、とても大きな力を感じてしまう。この圧倒的なエネルギーに脱帽!!ブリランテ・メンドーサ作品に出会いすっかりフィリピン映画にハマっている映画ログプラス編集部は、今年の東京国際映画祭でまたもフィリピン映画の虜になるのである。

このシーンもキュートなチャーリー・ディソン
勿論、ジェーンを演じたチャーリー・ディソンも魅力的で、冒頭フィリピンの街中の喧騒からはじまり、バスの中で大好きなスター俳優パウロの最新映画予告をウキウキに観るジェーンがキュートだし、連写したり、妄想したり、床に寝転んだり、飲み過ぎたり、いちいち可愛らしい!そんなただのファン・ガールではない美少女にも注目して欲しい!特にラストカット、あの横顔は必見!!!
予告動画
キャスト
チャーリー・ディソン
パウロ・アヴェリーノ
作品情報
監督:アントワネット・ハダオネ
ワールド・プレミア
101分/カラー/フィリピン語/日本語・英語字幕/2020年/フィリピン
©Epicmedia Productions Inc., Project 8 corner San Joaquin Projects
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