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極上ヒューマンドラマ『アフター・ラヴ』【感想】第33回東京国際映画祭
- 2020/11/2
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急逝した夫の秘密に迫る妻
人生は複雑、でも乗り越えた先に大きな”愛”があった
映画『アフター・ラヴ』感想
10月31日(土)から開催中の第33回東京国際映画祭。11月2日(月)10:50から上映される『アフター・ラヴ』は絶対に観るべき傑作だ!映画祭の序盤で上映チャンスがなくなってしまうのは何とも残念!!3日にはアリーム・カーン監督をゲストに迎えてのオンライントークイベントがあるのでそちらも要チェック!
映画ログスタッフのどこよりも早い感想レポートです!(日時・場所・チケットは映画祭公式HPでご確認下さい)
映画『アフター・ラヴ』感想
東京国際映画祭2日目。プレス向け上映で韓国、フィリピン、インドとアジア各国の映画を満喫した後のラストはイギリス映画『アフター・ラヴ』。「カンヌ批評家週間」選出された実力作だ。
これはもはや説明が不要、とにかく観て欲しい!!!
急逝した夫の財布を整理していたら知らない女性の写真を見つけてしまう妻・メアリー(役:ジョアンナ・スカンラン)。船乗りでイギリスとフランスを行き来するパキスタン人の旦那のため、イスラム教に改宗したイギリス人女性なのだが、愛する夫にはフランスでの生活が存在していた…。
夫の秘密に導かれるようにフランスに渡り、ジュヌヴィエーヴ(役:ナタリー・リシャ―ル)を訪ねるのだが、亡き夫アーメドのさらなる秘密を知り、自分が妻だと打ち明けられない。
一方、フランスのジュヌヴィエーヴはメアリーを清掃人と勘違いし、引っ越しの手伝いをさせる。なんとも不思議な構図なのだが、メアリーの様々な表情が決して派手ではないものの印象的に映し出されていく。
そして、ジュヌヴィエーヴがメアリーの秘密を知ることになり、彼女もまたアーメドにとって大切なものが何かに気が付いてしまう…。真実は残酷だ。
登場人物が限られているし、特殊なケースなのかもしれないが、人生はとても複雑。鏡越しに自分の身体を見つめるメアリーが抱いた感情を後々気が付くことになり、なんとも言えない感情になる。
差し出されたテープを返すシーンに涙し、思い出の崖の画が心に残る。メアリー目線で観ても、ジュヌヴィエーヴ目線で観ても、彼の目線で観ても、何度でも味わいたい傑作を目の当たりにした。人生は複雑で、だけど人間には乗り越える力がある、この映画がそのことを教えてくれた。
予告動画
キャスト
ジョアンナ・スカンラン
ナタリー・リシャール
タリッド・アリス
作品情報
監督:アリーム・カーン
アジアン・プレミア
公式HP:after-love
90分/カラー/英語、フランス語、アラビア語、ウルドゥー語/日本語・英語字幕/2020年/イギリス/長編1作目の監督作品
©British Broadcasting Corporation, The British Film Institute, After Love Production 2020 © RÅN studio
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