
チベット映画の先駆者
ペマ・ツェテン監督著作
『羊飼いと風船』原作含む短編作品集発売決定!
アッバス・キアロスタミやウォン・カーウァイも、その才能に惚れ込み高く評価し、作家としても高い実績をもつ、チベット映画の先駆者 ペマ・ツェテン監督の待望の劇場初公開作となる『羊飼いと風船』。2021年1月22日(金)にシネスイッチ銀座ほか全国順次公開となることに合わせ、12月25日(金)に今作の原作短編小説を含む、ペマ・ツェテン作品集「風船」の発売が決定!ペマ監督の詩的で独創的な作家性を感じられる、珠玉の作品にご注目ください。
ペマ・ツェテン作品集「風船」について
草原に暮らす羊飼いの家族たち、その穏やかな生活のなかにある、秘められた葛藤と孤独を描いた『羊飼いと風船』の原作であり、表題作「風船」や、自身で映画化し第19回東京フィルメックスにて審査員特別賞を受賞した「轢き殺された羊」など、仏教的世界観と近代的価値観が混じり合う現実を生きるチベットの人々をユーモラスに、幻想的に、時にリアリスティックに描いた短編6作品(九番目の男、よそ者、マニ石を静かに刻む、黄昏のパルコル)を掲載。ほか、自伝的エッセイと、訳者解説も所収。小説家としてのペマ・ツェテンの魅力、そしてチベット文学の魅力が伝わってくる作品集です。
著者/訳者略歴
ペマ・ツェテン

Photo by Gao Yuan
1969年、中国青海省海南チベット族自治州貴徳県生まれ。チベット語と中国語の二言語で創作を行う小説家であり、またチベット語母語映画の創始者とされ、数々の国際映画祭で受賞歴のある映画監督でもある。小説もフランスを始め世界各国で翻訳されている。2013年には、日本語版作品集である『チベット文学の現在 ティメー・クンデンを探して』も刊行されている。
ペマ・ツェテン監督コメント
私の小説執筆の経験は多くの側面で私の映画を豊かにする手助けをしています。文字の言語と、視覚・聴覚の言語は、2つの異なった表現の仕組みです。それぞれが独自の特徴を持っていると思います。(映画のオフィシャルインタビューより)
大川謙作(おおかわ・けんさく)
日本大学文理学部中国語中国文化学科教授。専門は社会人類学、チベット現代史。ペマ・ツェテンの翻訳を多数手がけている。
刊行にあたって大川謙作さんよりコメント
ペマ・ツェテンは映画も素晴らしいが小説も素晴らしい。チベットの「いま」を舞台として展開されるその小説は、映画とはまた違う「もう一つのチベット」にあなたを案内してくれることでしょう。小説と映画を通じて、多くの方にペマ・ツェテンの芸術世界を体験していただけたらと願っています。
あらすじ
神秘の地・チベットの大草原。牧畜をしながら暮らす、祖父・若夫婦・3人の息子の三世代の家族。昔ながらの素朴で穏やかな生活をしていたが、近代化によって受け継がれてきた伝統や価値観は少しづつ変わり始めていた。そんなある日、子どもたちのあるいたずらによって、家族の間にさざ波が起き始める…。信仰との向き合い方、牧畜民として生きる厳しさ、伝統的な役割を強いられてきた女性たちの選択——それぞれの想いは交錯し、チベットの空に浮遊していく。
キャスト
ソナム・ワンモ
ジンバ
ヤンシクツォ
監督・脚本
ペマ・ツェテン
作品情報
配給:ビターズ・エンド
英題:BALLOON
原題:気球
2019年/中国/102分/チベット語/ビスタ
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