『完全なる飼育 étude』公開記念舞台挨拶!市川知宏「月船さんが本当に怖かった」

完全なる飼育 étude,画像
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市川知宏「月船さんが本当に怖かった」
映画『完全なる飼育 étude』
公開記念舞台挨拶レポート

11月28日(土)、映画『完全なる飼育 étude』公開記念舞台挨拶がヒューマントラストシネマ渋谷で開催され、月船さらら市川知宏金野美穂加藤卓哉監督が登壇した。

冒頭の挨拶で月船は「たくさんの方に来ていただけて、とても幸せです。ありがとうございます」と会場を笑顔で見渡す。市川は「上映後の舞台挨拶なので、映画のことをたっぷりと話したいと思います」と挨拶。金野は「とても緊張していますが、楽しい時間を過ごしたいと思います」と微笑み、加藤監督は「商業映画を監督するのは本作が2本目です。1本目は公開延期になっているので、お披露目される作品はこれが最初、デビュー作のような気持ちで、感慨深いです。無事に公開できて良かったです」と安堵の様子。

月船さらら「新しいチャレンジ」

月船さらら,完全なる飼育 étude,画像

月船さららさん

月船は「もちろん”完全なる飼育”シリーズは、名前を知っている有名な映画。自分がオファーを受けているにもかかわらず、お話を聞いたときには“また新しい作品をやるんだ。撮影大変そうだな”って他人事のような反応をしてしまいました」とオファー時を振り返る。
「演劇の世界が舞台になっている物語で、自分自身、25年演劇の世界にいる人間。自分に近いだけに、いろいろとお話ししてから考えたいと思い、監督とプロデューサーにお話を伺う機会を設けていただきました。少し話をしただけで、監督、プロデューサーの真摯さが伝わってきて、不安はすぐに解消。新しいチャレンジだと思いましたし、設定は日本なのに全編台湾ロケと聞いて、だんだんワクワクしてしまい、出演しちゃった感じです(笑)」

市川知宏,完全なる飼育 étude,画像

市川知宏さん

今作では、女性が男性を飼育する。市川は、「歴史ある作品に携われるうれしさはもちろんのこと、以前ご一緒した加藤監督から声をかけられたことがとても光栄でした。僕の人柄や僕自身を知っている方に声をかけられるというのは、認められた感じがするし自信につながります。今回はダブル主演ということで責任も大きかったのですが、それも挑戦したいという気持ちにさせてくれたと思います」とよろこびを語った。

劇中とは全く違う雰囲気で登場した金野は「オーディションの段階から、この作品に過激なシーンがあることは知っていました。合格したと聞いたときには、うれしい反面、不安や葛藤もありました。実感も少なくて自分がこの作品の世界に入ることは想像もできなかったけれど、メイクや衣装、演出など、みなさんの協力があって大原早苗役を完成することができました」と感謝の意を述べた。

金野美穂,完全なる飼育 étude,画像

金野美穂さん

物語の設定をどのように作り上げたのかという質問に加藤監督は「歴史あるシリーズだからこそ、新しいことに挑戦したいと思いました。そこで、まずは、これまでとは違って女性が男性を飼育するという立場を逆転したらおもしろいと思い、提案しました。ハリウッド映画の『セッション』のように、役者と演出がバシバシやる関係を作り上げたかった」と経緯を説明した。

『完全なる飼育 étude』,画像

市川知宏「月船さんもすごく怖かったです(笑)」

作中では本当にバシバシな関係だった月船と市川に、濃密な芝居を振り返ってもらうと「私の場合はリハなしで、台湾ロケに入りましたので、タイトルのように、本当にエチュードのようでした。さて、どう芝居をしていこう、という感じで進めていったのがおもしろかったです。練って芝居するのもおもしろいですが、この作品では、初めての感情をぶつけ合うという空気感もとても大切。まさにエチュードのように、そして監督の期待通り、バシバシな感じでやっていました」と微笑む月船。

その笑顔を見つめる市川は「役としての彩乃さんも怖かったけれど、月船さんもすごく怖かったです(笑)。”才能がないなら辞めれば”とか、ハッとするセリフも多くて、心にグサっと来ていました」と振り返る。

加藤監督は、「芝居がないときに、二人とも全然しゃべったりしていなくて、バチバチしていました(笑)。でも、僕が現場に入ると”監督!監督!”って寄ってきて、台詞や動きについていろいろとアイデアを出してくれる。決定稿から台詞や動きがこれだけ変わるのはめずらしいこと。それだけ二人が役にかけている感じが伝わってきました」と現場の様子を明かす。

金野も「大原早苗としては、彩乃さんが本当に怖かったです。役としても二人の芝居を見させていただいていたし、それ以外の時間も月船さんもずっと観察していました」と、芝居以外でも月船からさまざまなことを吸収していたようだ。

月船は「限られた時間の中で、ひとりひとりに任されることが多かった作品ですし、殴る蹴るというシーンも多いので危険も多い現場。だからこそ気を張っていたのだと思います。それぞれが必死で向き合わないと撮れない映画だと思いました」と撮影時の心境を解説。

市川は「蒼の印象がガラリと切り替わるシーンでは、撮影前にリハをたくさん重ねました。復讐心を持っている役なのに、僕は根がいい人なので、監督から”まだいい人が残っている”と言われ続けて」とコメントし笑いを誘う。「そこを突破しなければと思い、憎悪を持って挑みました。役とはいえ、やっぱり”3回まわってワン”なんて言われたら、屈辱ですから。その気持ちを憎悪に込めました」という市川に「いや、本当にひどい男だったよ。そういう側面があるんじゃないかと思いました」とツッコミを入れる月船。作中でお互いにひどい仕打ちをしたことを振り返り「本当にすみませんでした。お互い様ですね」とお詫びをしあう場面もあった。

完全なる飼育

加藤監督は「前半の蒼は市川くんの素のまま。後半、狂気じみていくのを演じることが、市川くんにとってハードルになるだろうなと思っていました。リハに1週間くらいかけて、しっかりと作りあげてから、台湾の撮影に入ったら、スタッフがざわつくくらい、狂気が芽生えた良い演技になっていました」と絶賛。

市川は「月船さんが、芝居のないときも話してくれなかったので”なんで喋ってくれないんだよ!”という気持ちで入っていきました。でも、そのシーンの撮影後に”怖かったでしょ”ってハグをしてくれたときに、本当に優しい人なんだと思いましたし、一気に大好きになりました」と心境の変化を明かす。

これに対し、月船は「そうそう。舞台挨拶って、本当は怖い人だと思ったけれど、いい人でしたと褒めるものなの。これでちょっとはフォローになったかも。ありがとう(笑)」と笑顔を浮かべていた。「これだけの設定の作品は、器用な人ならポンポン切り替えてできるもの。でもそれをやる時間もメンタルも8日間という限られた撮影ではもったいないなって。オンオフつけるよりも、役に入りっぱなしの方が楽だと思っていました。今思うと、台湾にいるときはずっと彩乃だったのかな。これからは、仲良くしましょうね」と微笑む月船に、市川は「よろしくお願いいたします。大好きです!」としっかりとお辞儀をした。

最後の挨拶で金野は「元アイドルですが、女優としてやっとスタートラインに立てたと思っています。当時の私のすべてを出し切った作品ですし、これからも成長する姿を皆様に見ていただきたいと思っています。ぜひ、作品を愛してください」と呼びかける。

市川は「キャストとスタッフ、みんなの力が結集してできた作品です。愛にはいろんな形がある、人をゆるすことの大切さ、大変さを感じてほしい作品です。僕がこの役にチャレンジしたように、みなさんにもこの作品を観るチャレンジをしてほしいと思います」と力強くアピール。

月船は「今、二人の挨拶を聞いていて、いろいろなことを思い出しました。金野ちゃんの女優としての道が始まる瞬間が見れたこと、市川くんの必死さも伝わってきて、私自身助けられた現場でした。監督も商業映画2作目ということで、みんなのいろんな思いが詰まっている作品です。どこか運命めいたものを感じています。なんかじわっときちゃいますね。作風的には怖い作品ではありますが、優しさが詰まっています。ぜひ、たくさんの方に観ていただきたいです」と微笑む。

加藤監督は「20人ほどの最少人数で作った作品です。ギリギリ自主映画のようですが、キャストもスタッフもプロフェッショナルが集まって新人監督の僕を支えてくれたと思います。なので、映画がつまらなかったとしても、1人が3人くらいにこの映画を広めてみてください。そうしたら、劇場もうるおうと思うので(笑)」とお辞儀をして、イベントは幕を閉じた。

ヒューマントラストシネマ渋谷他全国公開中!!


キャスト

月船さらら
市川知宏
金野美穂
寺中寿之
永井すみれ
松井るな
竹中直人

スタッフ

監督:加藤卓哉
原作:松田美智子
脚本:山本浩貴
挿入曲:Theatrical Odyssey of BALLET APOLLO アルバム「幻想連鎖 fantasmagoria」
挿入歌:ドクロズ「とんでって」「ちょっと死ぬ」

配給:『完全なる飼育 étude』宣伝委員会
©SEDIC INTERNATOINAL,SEDIC-DILON

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