トッド・ヘインズ監督20年ぶりの来日『ワンダーストラック』イベントのご報告

トッド・ヘインズ監督20年ぶりの来日 映画『ワンダーストラック』イベントのご報告
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『キャロル』『エデンより彼方に』などで知られるトッド・ヘインズ監督が最新作『ワンダーストラック』を携え、『ベルベット・ゴールドマイン』の公開時以来、約20年ぶりに来日! 本日、東京・飯田橋の神楽座にて、J-WAVE「STEP ONE」Special Previewとして本作の試写会が行われ、上映前にヘインズ監督が舞台挨拶に登壇した。ゲストとして、映画の主人公の少年・ベンや少女・ローズと同年代の鈴木福、鈴木梨央が登壇。

トッド・ヘインズ監督20年ぶりの来日 映画『ワンダーストラック』イベントのご報告

トッド・ヘインズ監督

約20年ぶりの来日を果たしたヘインズ監督は大きな拍手に迎えられて満面の笑みを浮かべ「この素敵な美しい街、東京にようやく戻ってくることができました。20年もの間、来ることができずずっと恋しく思っていました」と日本への愛を語る。

映画『ヒューゴの不思議な発明』の原作者であるブライアン・セルズニックの原作・脚本による本作。1970年代に生きる少年と1920年代の少女の2つの物語が、50年の時を挟んで、ニューヨークを舞台に絡み合っていくが「ブライアンの作品は、必ず想像力を刺激し、子どもの想像力を追求してくれるんです。私のいままでの作品では、そうした部分にフォーカスしてこなかったのですが、今回、なぜ子どもたちが描かれ、なぜ2つの物語が展開するのか? そこに注目していただければと思います」と見どころを語った。

ちなみに少年と少女はどちらも聴覚に障害を抱えているが、モノクロ&サイレントで描かれる1920年代の物語のヒロインであるローズを演じたミリセント・シモンズは実際に聴覚障害を抱えている。この点について監督は「彼女の配役は真実味と映画への彩りを与えてくれた点で、非常に重要なものでした。全米でオーディションをし、プロの俳優ではない人々にまで広げて探して、ソルトレークシティで彼女を見つけましたが、彼女は自然な演技で、我々が望んでいたもの全てを叶えてくれました。

トッド・ヘインズ監督20年ぶりの来日『ワンダーストラック』イベントのご報告

鈴木福さん

他にも、この時代のシーンには聴覚障害を抱える人々が多く参加していますが、実際にサイレント映画の時代には、こうした障害を持った人々が多く配役されたそうです。なぜなら、彼らは(普段から)音声のない中で生活しているため、肉体の表現が豊かであったから。今回、この映画でもそうした部分を活かしたかったし、障害を持つ人たちとの結びつきを強めたいと思い、こうした配役を望みました」と明かした。

そして、スペシャルゲストとして福くんと梨央さんが登場! 福くんからは花束が、梨央さんからは映画で重要な意味を持つオオカミのぬいぐるみが贈られた。福くんは「Nice to meet you. My name is Fuku Suzuki,I love WONDERWTRUCK very much.」(初めまして鈴木福です。この映画が大好きです)と挨拶。さらに英語で「これからも俳優を続けていきたいんですが、そのために重要なことは何ですか?」とヘインズ監督に質問! ヘインズ監督は笑顔で「あなたは既にたくさんの作品に出演していて、その答えが何か知ってるはずだよ。

情熱をもって、いろんな役柄、作品にチャレンジしていくことが重要なんだ」と語った。劇中のローズをイメージした衣装と髪型で登場した梨央さんは、英語に手話を交えて「Hello! My name is Rio Suzuki. I’m 13 years old.」(こんにちは、鈴木梨央です。13歳です)と挨拶し、さらに英語と手話で「この映画でいろんなこと――幸せのためには、勇気が必要だということを学びました」と感想を伝え、監督を感激させた。

トッド・ヘインズ監督20年ぶりの来日 映画『ワンダーストラック』イベントのご報告

鈴木梨央さん

タイトルの「ワンダーストラック」という言葉は、「驚きと幸せの一撃」といった意味を持つが、2人にとってのワンダーストラックを尋ねると、福くんは自身が9歳の時の弟の誕生、その後の妹の誕生に言及。「お母さんはお腹が大きくなるまで赤ちゃんが生まれることを教えてくれず、全然知らなかったんですけど、生まれてきた時は嬉しくて泣いちゃったんですけど、それはすごく幸せでしたし、その後、4番目の兄弟が生まれたのも驚きの後の幸せでした」と明かした。一方、梨央さんは「2016年に映画『リトル・プリンス』の吹替キャストとしてカンヌ国際映画祭で、赤い着物を着てレッドカーペットを歩いたことがワンダーストラックです! すごく温かい声援をいただいて、いままで生きてきた中でもすごく幸せでした」と語った。

そしてヘインズ監督からは2人にサプライズで、劇中でも使用されているデヴィッド・ボウイの名曲「スペース・オディティ」のアナログ盤レコードがプレゼントされた。監督は『ベルベット・ゴールドマイン』でグラムロックへのオマージュを映画にしており、ボウイの熱烈なファン。「20年前は権利の関係で楽曲が使えなかったけど、ようやく今回、OKをもらえたんだ! 時間はかかったけど、夢がかなったよ」とボウイへの熱い思いを吐露。13歳の2人にとってはアナログレコード自体、かなり珍しいようで福くんは「こうやっていただいたり、近くで手に取るのは初めてです」と笑顔を見せていた。

さらにヘインズ監督は「できれば『ワンダーストラック』の日本版リメイクをこの2人で撮りたいね」と語り、「2人とも出てくれる?」と壇上で直オファー! 福くんも梨央さんも「YES!」と満面の笑みで即答した。

トッド・ヘインズ監督20年ぶりの来日『ワンダーストラック』イベントのご報告

最後に監督は「私が信頼するクリエイティブな人々とつくった作品です。子どもたちのイマジネーションを広げる作品であり、ニューヨークへのラブレターでもあり、映画への愛を込めた作品でもあります。音声で多く語られていないところも含めて、映像を楽しんでいただけたら」と語り、会場は温かい拍手に包まれた。

■ 日程:3月20日(火)18:30~
■ 会場:会場:神楽座 (千代田区富士見2-13-12 KADOKAWA富士見ビル1F)
■ 登壇者:トッド・ヘインズ監督(57)、 鈴木福さん(13)、 鈴木梨央さん(13)
■ MC:サッシャ、寺岡歩美(J-WAVE STEP ONEナビゲーター)


第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門選出作品
『キャロル』トッド・ヘインズ監督×『ヒューゴと不思議な発明』ブライアン・セルズニック原作・脚本

【イントロダクション】
『エデンより彼方に』『キャロル』のトッド・ヘインズ監督が、マーティン・スコセッシ監督『ヒューゴの不思議な発明』原作者ブライアン・セルズニックの同名ベストセラー小説を映画化。第44回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、第55回ニューヨーク映画祭の目玉となるセンターピース作品として上映されるなど、世界中の映画ファンの熱い注目を集めている本作。

「まさに、完璧」(Indie Wire)、「独創的な傑作」(Hollywod Reporter)、「優しくて愛にあふれた感動作」(Playlist)など、海外メディアでは大絶賛の嵐で、今後の映画賞レースの大本命との呼び声も高い、アカデミー賞最有力候補のひとつとなっている。これまでも人種差別や、同性愛など社会的マイノリティのテーマにしたドラマを描いてきたヘインズ監督。本作では、疎外された2人の子供たちを主人公に、見失ってしまった大切なものを探しに旅に出るという2つの物語が交互に語られていく。

1977年のミネソタに住む、母親を亡くした少年ベンと、1927年のニュージャージーに住む、聴覚障害の少女ローズとの、時代を越えた交流を描くストーリーだ。本作で脚本家デビューを果たした原作者のセルズニックは、ローズのパートは「白黒でサイレント」、ベンのパートは「カラーで音あり」で描くなど、独創的にその世界観の違いを表現。ヘインズ監督は、脚本の最初の1ページを読むや、瞬く間にその類まれな映画的アイデアに満ちた内容に惹かれたことを明かし、セルズニックの脚本家としての手腕を絶賛している。

少年ベンを演じるのは、『ピートと秘密の友達』の天才子役オークス・フェグリー。少女ローズ役には、自身も聴覚障害を持ち、今回映画初出演となる13歳のミリセント・シモンズが大抜擢された。この二人をつなぐ重要な役どころとなる人物を演じるのは、映画『SAFE』、『エデンより彼方に』、『アイム・ノット・ゼア』に続き、ヘインズ監督と4度目のタッグとなるオスカー女優のジュリアン・ムーア。少年ベンの母親役には、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー賞助演女優賞ノミネートのミシェル・ウィリアムズが扮している。

【ストーリー】
1977年、ミネソタ。母親を交通事故で亡くし、おばさんに預けられる少年ベン。実父を知らないベンは、母の遺品から父のある手がかりを見つける。その50年前の1927年、ニュージャージー。両親が離婚し、厳格な父に育てられる聴覚障害のある少女ローズは、いつも孤独だった。憧れの女優リリアン・メイヒューの記事をこっそり集めたスクラップブックがローズの宝物。ある日、ベンは会ったことのない父を探して、ローズは憧れの女優に会うために、それぞれニューヨークへと向かう。異なる時代に生きた2人の物語はやがて謎めいた因縁で結びつけられ、ひとつになっていく――

【予告動画】

■ 原題・英題
Wonderstruck

■ 出演
オークス・フェグリー
ジュリアン・ムーア
ミシェル・ウィリアムズ
ミリセント・シモンズ

■ クレジット
監督:トッド・ヘインズ 
脚本・原作:ブライアン・セルズニック
製作:クリスティン・バション、パメラ・コフラー、ジョン・スロス
エグゼクティブ・プロデューサー:ブライアン・ベル、サンディ・パウエル
撮影:エドワード・ラックマン
編集:アフォンソ・ゴンサウヴェス
美術:マーク・フリードバーグ
音楽:カーター・バーウェル
衣装:サンディ・パウエル

2017/アメリカ/英語/カラー/5.1ch/スコープ/117分

字幕翻訳:松浦美奈
配給:KADOKAWA

■ コピーライト
PHOTO : Mary Cybulski

■ ポスター・予告等宣材物のクレジット
(c) 2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

■ 公開情報
2018年4月、角川シネマ有楽町他全国ロードショー

■ 公式サイト
http://wonderstruck-movie.jp





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